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うー、やられた。
ほんとは、冒頭でかなりひいた。
わけのわかんない溺れるシーン。
まったくカナヅチのわが身としては、あんなのは恐怖以外のなにものでもない。
ひぇぇ。どうして、溺れてるの???
そして、フィゲレ。
だめだぁ。可愛らし過ぎて正視できないよ。
おいおいおい。だめだよ。森の中で迷子になっちゃうよ。お願いだからお父さんの手を離さないで。
ちゃんと顔見ようとしても、見るだけでウルウルきてしまうくらい可愛いのだから、困ったものだ。
この子が、どうにかなっちゃう物語なのよね?
うわぁ、そりゃ、きついわ。
という、マイナス地点からの鑑賞になったわけなのに、そんなことてんで、気にならないくらいにやられてしまった。
まず、音楽。
ジョン・タトゥーロのオペラもよかったけど、まるでタラフ・ドゥ・ハイドゥークスなおじさんたちが出てくるんだもんなぁ、あー、どきどきしたぁ。
キャラクターがみんな、いい。
ジョニー・デップ!
歌もギターもなかったけど、これでもか、というくらいにカッコいい。『ショコラ』でも、同じような役柄だったけど、比べモノにならないくらいにカッコいい。
クリスティーナ・リッチ、彼女も、これまで観た中で、一番好きだな。
で、彼女とケイト・ブランシェットの絡み方がすばらしい。
どんなに、ケイト・ブランシェットがゴージャスにしていようと、彼女ら二人がいっしょにいると、じわじわ哀しさがにじんでくる。もちろん、したたかで、パワフルでもあるのだけど、でも、どうしようもなく哀しいのだな。
そして、ラスト。
「フィゲレ」という一言とあの歌で涙ボロボロ。
はっきり言って、話の展開は全体的にかなり無謀で、冒頭、私がヒイた溺れる話なんて、なくても全然平気だとか、突っ込みどころは多々あるのですが、そういうのぜーーんぶ、許せちゃう。
で、さらに良いのは、お父さんに逢えて良かったね、「めでたしめでたし」ではない(だって、お父さんには新しい家族がいるんだもん)こと。
この未来へと続いていくような終わり方が、好きだなぁ。
気になりながら、とうとう当地公開の最終日を迎えてまったのですが、やはり、どうしても観たくて、無理やり都合しました。
・・・・あぁ、観てよかった。
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