『耳に残るは君の歌声』
2002.3.15
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。。。。。  
 
 うー、やられた。
 

 ほんとは、冒頭でかなりひいた。

 わけのわかんない溺れるシーン。
 まったくカナヅチのわが身としては、あんなのは恐怖以外のなにものでもない。
 ひぇぇ。どうして、溺れてるの???

 そして、フィゲレ。
 だめだぁ。可愛らし過ぎて正視できないよ。
 おいおいおい。だめだよ。森の中で迷子になっちゃうよ。お願いだからお父さんの手を離さないで。
 ちゃんと顔見ようとしても、見るだけでウルウルきてしまうくらい可愛いのだから、困ったものだ。
 この子が、どうにかなっちゃう物語なのよね?
 うわぁ、そりゃ、きついわ。

 という、マイナス地点からの鑑賞になったわけなのに、そんなことてんで、気にならないくらいにやられてしまった。
 

 まず、音楽。
 
 ジョン・タトゥーロのオペラもよかったけど、まるでタラフ・ドゥ・ハイドゥークスなおじさんたちが出てくるんだもんなぁ、あー、どきどきしたぁ。


 キャラクターがみんな、いい。

 ジョニー・デップ!
 歌もギターもなかったけど、これでもか、というくらいにカッコいい。『ショコラ』でも、同じような役柄だったけど、比べモノにならないくらいにカッコいい。

 クリスティーナ・リッチ、彼女も、これまで観た中で、一番好きだな。
 で、彼女とケイト・ブランシェットの絡み方がすばらしい。
 どんなに、ケイト・ブランシェットがゴージャスにしていようと、彼女ら二人がいっしょにいると、じわじわ哀しさがにじんでくる。もちろん、したたかで、パワフルでもあるのだけど、でも、どうしようもなく哀しいのだな。
 
   
 そして、ラスト。

 「フィゲレ」という一言とあの歌で涙ボロボロ。
 はっきり言って、話の展開は全体的にかなり無謀で、冒頭、私がヒイた溺れる話なんて、なくても全然平気だとか、突っ込みどころは多々あるのですが、そういうのぜーーんぶ、許せちゃう。
 で、さらに良いのは、お父さんに逢えて良かったね、「めでたしめでたし」ではない(だって、お父さんには新しい家族がいるんだもん)こと。
 この未来へと続いていくような終わり方が、好きだなぁ。



 気になりながら、とうとう当地公開の最終日を迎えてまったのですが、やはり、どうしても観たくて、無理やり都合しました。
 ・・・・あぁ、観てよかった。 
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