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予告編を観て、なぜか、ウディ・アレンをイメージしてしまった。
実は、私、ウディ・アレンの作品とはかなり相性が悪い。
シニカルで洒落ているようだが、そういうものを剥がしていくと、とどのつまり、「言い訳」や「開き直り」のようなものしかないような印象ばかり受けてしまうのだもの。
ということで、コレも観ないコトにしていた。
が、ネット上である方の文章を拝読して、俄然、観たくなってしまった。
・・・・・観て良かったぁ。
一人一人の登場人物の描かれ具合が心地よい。
作り手と登場人物との距離感が絶妙なのである。
大概、これだけたくさんの人物がでてきたら、特定のある人物に対しての「不当」な思い入れ(jこれが、前述の「開き直り」や「言い訳」を引き起こすのだと私は思っている)が感じられるのだが、そういうのが、ない。
だからと言って、観る側がテネンバウムズ家と周りの人々に、距離が生じたままかと言ったら、ぜんぜん、そんなことはない。
なぜだか、すぐ近くで起こっているようなお話しのように感じることができる。 (こういう比較もなんだけど、私にとっては『寅さん』シリーズなんかより、こっちのほうが、よほど、近い。)
すごいと思った。
話し自体は、ちょっと間違えばベタベタ。
登場人物の誰かとの距離を縮めてしまえば、もっとカンタンになるという誘惑だってあったろうに。
余程の強靭な意志がなければ、こんな作品(というか、「脚本」なのかな。そこらへん、よくわかりません)は生まれないだろうな・・・・。
あぁ、ほんとに観てよかったぁ。(しみじみ)
あんまりこういうことは書かないのだけど、特別良かったシーンをいくつか。
リッチーがバスを降りてきたマーゴを見認めたシーンと、バスルームでリッチーが髯を落としていくシーン。
この前、こんなに、胸をきゅうんとなったのはいつだったかな、なんて思えてしまうぐらい切なかった。
そうだ、テントの中に居るマーゴも良かったなぁ。
ごみ収集車(?)。テネンバウムズ氏と孫の後ろからチャスがひょっこり顔を出す。
・・・くぅ、やられた。
客席からは笑い声も聴こえたけど、私は一瞬で涙ボロボロになった。
万人受けはしないだろうけど、私は、コレ、かなり好きだ。
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