『夏至』
2001.9.4
<-2001年リストに戻る
<-50音順リストに戻る
。。。。。  
 うーむ。
 期待していたのだが・・・。

  『青いパパイヤの香り』の監督さんだし。
 予告編も、良かったしね。

 
 えー、みもふたもない言い方をすると、美しい映像をもってつくられた ある種の下品な低俗テレビ番組のような作品、でございましたね。
 

 ほんと、絵はキレイ。
 少し怠惰でゆったりした時間の流れや肌にまとわりついてくるような湿気を含んだエキゾチックな空気の感じが、しっかり映し出されていて、ほぉぉぉ、と思ってしまう。
 描かれている人たちも、いっていの富裕層だからかな、近代的ではないけど、豊かさとゆとりの感じられる生活の風景が、また、良いわけだ。

 が、描かれているものは・・・。
 
 なんと言っても、一番、不快なのは長姉夫婦。
 「なんで、こんなもの観なければならんのだ?」とふつふつと怒りすらわいてくるのね。
 あぁ、不快。
 ぜんぶ、不快。
 救いようがないわ。
 
 ま、これに比べれば、妹夫婦なんか、まだ可愛いもんだ(笑)。
 末娘と実の兄も、かなりあぶなくて、もぉ、誰かなんとかしろよぉ、と言いたくなる。
 

 うーん、いや、もう少し厳密に言うと、描かれているもの、ではなく、描かれようの問題なんだろうな。
 さまざまなエピソード自体は、描かれようによっては、観るヒトの心を揺さぶるものであるのは確かなんだけど、表面だけで、ツメの部分が甘いんだな。絵的な美しさに逃げこんでしまってると言ったら、言い過ぎだろうか。



 (冒頭で、「ある種の下品な低俗テレビ番組」と書きましたが、具体的に、イメージしたのは、こんなのです。「最近、夫の様子がどうもおかしい、浮気をしているのではないか、と疑う妻。外出先での夫の様子を隠しカメラで撮り、妻は車中に隠れてその様子をモニターで監視中。浮気現場をおさえたら乱入(?)する。」というような番組。あぁ、いったい誰がこんなん考えるんやろ・・・・。)
  
<-2001年リストに戻る
<-50音順リストに戻る