『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ
    モーレツ!オトナ帝国の逆襲』
2001.5.4
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。。。。。  
 小学生の頃を過ごした街を訪れてみたいと、ふと思うことある。

 もう一度、あの路地を通り抜けてみたい。
 あの頃、それこそ勇気を振り絞って、決死の覚悟で飛び越えたどぶ川。今なら軽々またぐことができるだろうか。
 10円玉握りしめて買いに行ったわらびもち。舟の形の入れものは最中でできていて、最後に黄な粉といっしょに食べるんだ。
 コイワシ売りの声。
 ドラえもんに出てくるようなコンクリート管(?)やドラム缶が転がった空き地。
 そういえば、家のガラスが今みたいに丈夫じゃなかったからかな。毎週のように近所の家にガラス屋さんが割れたガラスの入れ替えにきてたよな。
 夕暮れ。
 そして、どこかの家の台所から漂ってくるじゃがいもやにんじんがゴロゴロはいったカレーの匂い。暖かなしあわせの匂い。


 1970年大阪万博の年に、私は小学1年生だった。
 偶然にも、その年、大阪市内に住んでいたので、親戚中が我が家を宿にして万博見物に出かけたものだ。
 月の石、並んだよーーー、懐かしいーーー。
 そうそう、そのすぐ近くに変な形のパビリオンがあったのよ。へーー、「ガス館」っていうんだったの。
 夜、動く歩道で、私のはいていた白いスカートが光を浴びて紫色になったんだ、きれいだったよなーー。
 赤いパスポートみたいな手帳、もってたもってた!

 ・・・あぁ、ほんとに、私も、あやうく「懐かし匂い」攻撃にやられてしまうところであった。


 受験戦争だとか、無気力だとか言われながらも、もしかしたら、私たちの世代は、ほんとうにいい時代に「子ども」だったのかもしれない。
 オイルショックより少し前の高度成長のあの時代。
 収入は間違いなく増えていくし、仕事はたくさんあるし、将来の不安なんてほとんどないのだから、世の中は、今と比べものにならないくらい楽観的で明るかったんだろうな。
 
 もちろん、「大人なんて・・・」という否定的な気持ちもあったけど、その反面、SFちっくな21世紀に生きる大人な自分を空想するのは、そんなにイヤなことでもなかったと思う。


 「子ども時代への郷愁」と「明るい未来があった頃の日本への郷愁」が重なるのが、私や野原ひろしさんの世代であり、『クレヨンしんちゃん』を観るお子達の親世代である。
 そして、いまや、私たちが子ども心に、「ある」と確信してた「明るい未来」は、不況やリストラの嵐でほとんど暗闇と化している。

 どうする?
 戻る、いや、逃げ込むつもりか?あの頃に。
 それとも、未来を、人生を、この手に取り戻すために戦うか?
 さぁ、どうする、どうする?



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 いやぁ、あなどれませんな。しんちゃん。
 脱帽です。
 ほんと、ここまでやってくれるとは思いませんでした。
 とにかく、少なくとも、子ども時代に生で大阪万博を経験した世代は、観るべき、です。
他に観たい映画があっても、何はさておき、コレを観るべきでありましょう。

 懐かし攻撃に思う存分浸りつつ、野原一家から果敢に明日を切り拓く力をわけてもらおう。

 映画館に急げ!!
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