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・・・・観客なんて必要のない映画である。
敬愛する某氏の「完璧な映画に用はない」という文章を以前、読ませていただいた。
「なんとなく、わかる・・・・。だけど、私にとってそれはどんな映画なんだろう?」と考えたけど、そのときは、思い浮かばなかった。
でも、間違いなく、この映画こそ、そうではないかと思う。
ほんとに、私なんか、ちっともおよびでない。
私は、あちこちよそ見したり、寄り道したりしてみたいのに、丁寧に先導して道案内をしてくれる人がいて、私の横や後ろにも、迷わないように
横道にそれないように、と ぴったりと監視人がついている、こんな印象だ。
つまんない。
もちろん、万人にそうなのかというと、そうではないと思う。
これでもか、と言わんばかりに盛りこまれたあれやこれやのうちの何かに、反応する人も多いと思う。
描かれている題材が興味がない、というのではない。
描かれ様の問題だ。
しかし、そんな私のようなものへのサービスも忘れていない、としか思えないものもちゃーんと用意されている。
子どもたち!
みーんな可愛いんだもん。
これは、ずるい。
そう、私は、子どもと動物に異常なまでに弱いのである。
ペットショップで子犬を見ただけで鼻の奥がツーンとなっちゃうし、保育園の運動会の入場行進ですでに目がウルウルになるほどだ。
「これ、つまんなーい(-.-)」と明確に意識しかけると、タイミンングよく子どもが出てくるのだ。このタイミング、計算ずくとしか思えないぞ(笑)。
孤児院の子どもたちの、まぁ、健気なこと(涙)。
主人公くんも、どちらかというと、子どもの世界に入れておきたくなる種類の可愛さをもっているし。
主人公を出迎える子どもたちの表情だけで涙ぼろぼろだ。
涙目でロビーに出てきた私を他人が見たら「あぁ、感動的な映画だったんだな」と思うかもしれない。
ところがどっこい、違うのである。
私は、子どもを見て泣いた、だけだ。
あのシーンだけ見せられても同じように泣くだろう。
あぁ、ほんとに、こんな映画ってあるんだな・・・。 |