2004/03/08 戻るホーム

岡山市議会2004年2月議会 羽場頼三郎個人質問原稿


1.監査の重要性について

(1)市長は先の議会で横田議員の事業評価に関しての質問に対して、監査の重要性について見解を述べられている。「日本の行政は間違いなく監査の活用の方向に向かっています。」「当・不当の監査から妥当性監査に。」「質的拡大をして対応」するということであれば、監査の事務局体制がそれについていけるのか、と心配をせざるを得ない。私のわずかな経験だが、毎年の会計検査だけでも莫大な量であり、住民監査請求などの処理を考えるとこれ以上に監査事務局に仕事が増えることで機能マヒに陥るのではないか。このようにも思うので、市としての監査についての認識を聞きたい。

  1. 監査の事務局の職員は定数割れをしていると聞くが、これはなぜか。
  2. 監査に新しい仕事を要求する場合に人の確保が必要ではないのか。
  3. 監査の仕事には専門性が問われる。プロパーの職員を採用すべきではないか。
  4. 事務局の人事については、その権限を尊重するべきではないか。
  5. 必要に応じて臨時の職員を採用したり、専門家に仕事を頼んだりするための予算は組んであるのか。
  6. 専門職の委員の報酬が低すぎるのではないか。

(2)包括外部監査 ―― 土地改良事業について

13年度の包括外部監査が土地改良事業について行われ、それを受けての検討委員会の結果が出されている。これを市がどのように受けとめ、さらにどのように改善しようとしているのかお伺いする。

監査では、

  1. 土地改良区に対し、指導監督権のないまま事業への負担があることを問題としている。これを市はどのように解決するつもりなのか。

    検討委員会の答申では、「土地改良区が事業を申請する前の段階から、効果や効率性、緊急性の有無を考慮し、事業調査をするなど関与を強化」する事を提言しているが、具体的にはどうするかをお聞きしたい。

  2. 非補助の事業資金は農林漁業金融公庫から借り入れて、その償還金を市が債務負担行為として支出していることが、いわゆる隠れ借金になっていると指摘している。市が事業主体となっている部分も含めると300億円を越える額になっている。市長は改善策を検討すべき。としているが、これについてはどうか。

  3. 土地改良区の単独維持が難しいので、統廃合を含めての制度改革をすべき。としているが、いつごろをめどに統廃合をするつもりなのか。

    統合してはじめて適正な事務処理や受益者負担が実現されるとすれば、急ぐ必要がある。

  4. 土地改良区のはたすべき役割はいつごろ終わると考えているのか。

  5. 土地改良区に対する事業費の補助は、H12年度は1億円を越すなど、かなりの額になっている。今後増える方向なのかどうか。  


2.害虫駆除と環境汚染

生活をしている上で害虫は確かに好ましくないものだ。しかし、安易に駆除のために殺虫剤を使うと環境や体への影響が心配である。殺鼠剤しかりである。建物内で使用された場合に、シックハウス症候群や化学物質過敏症などの健康被害の恐れがあるからだ。呼吸困難や頭痛といった症状に悩まされる場合には、こうしたことも原因の一つとして疑われる。厚生労働省はこうした国民の不安に応えて、建築物衛生法に関連した規則を改正したとお聞きするので、市がこれをどのように受けとめているのかお尋ねしたい。

一定の建物に対して「ネズミ、昆虫の防除を6カ月以内に1回以上行わなくてはならない」とされていたものを、生息調査を導入することと、「大掃除を6カ月以内に1度行わなくてはならない」というふうに改められた。これは、「防除」という言葉が薬剤すなわち殺虫剤や殺鼠剤を使うことと誤解されやすく、その乱用や不適切な使用が見受けられるため、「清掃」をすることを明確にしたものと思われる。また、調査を必要としたことは、害虫やネズミがいなければ薬剤の使用を控えることを示唆している。以上から次の点についてお聞きしたい。

  1. 市が管理している建物でこの法律に該当するものはどれだけあるのか。それには、薬剤散布がおこなわれているのかどうか。その建物の中に学校園はあるのか。

  2. 薬剤の散布があったとして、この規則改正により、変更されたのかどうか。薬剤の使用を減らす努力がされたかどうか。市有施設である市庁舎、学校について聞きたい。

  3. ネズミ等の生息状況調査をすることを求めているが、行っているのか。その結果はどうなのか。

  4. 使用している薬剤に有機リンがふくまれているものはないか。

  5. 学校などでは児童生徒に薬剤散布の影響を与えないために、どのような配慮をしているのか。

薬剤の散布が危険なのは建物の中だけにとどまらないので、次の点についてもお聞きしたい。

  1. 園などでの薬剤散布はどのような状態か。樹木に対する殺虫剤や除草剤の使用はどういう基準で行われているのか。

  2. 町内会に対する殺虫剤の提供にあたっては、取り扱いの説明をどのようにしているのか。

  3. 松くい虫対策として空中散布がなされているが、もう止めても良いのではないか。


3.選挙公報について

倉敷市が四月の市長・市議補選を前に「選挙公報の発行」に踏み切ったことは御存じの事と思う。その倉敷市では発行経費がかなり安くおさえられている。配布方法が「新聞折り込み」だからである。公選法では、新聞折り込みが認められており、その場合には百パーセントの配布にならないため、補完措置として公民館や公的施設に公報を置けば良く、要求に応じて郵送をすれば足りる。その倉敷市の経費だが、次の通り。市長選では、印刷費80万円、折り込みが一部4円で計170万円。市議選でも印刷費が250万円、折り込みが1部16円として計538万円。選挙が民主的に行われる経費としては決して高いものではない。

  1. 倉敷方式を参考にするべきだと考えるが、どうか。

  2. もし議会でこのような条例を可決したなら、選管は選挙公報を発行出来る体制にあるのか。

  3. 昨年12月の岡山市選挙啓発企画検討委員会がまとめた「若年層投票率向上のための報告書」によれば、「選挙公報は、〜今後、導入に向けて検討すべきである」となっているが、これを尊重するのかどうか。


4.消費者相談について

オレオレ詐欺や偽弁護士詐欺など、あいかわらず市民が被害にあう犯罪が横行している。この被害をくい止めるためには、市の消費者相談窓口が大きな役割を果たすべきだと期待している。

  1. 最近の相談件数と相談内容の傾向はどうか。

  2. 相談に当たる要因の確保が大切だが、どのような状況なのか。3人とお聞きしているが、同じような仕事をしている岡山県や倉敷市はどのような状態なのか。

  3. 相談に乗る人の資格や能力についてはどのようになっているのか。

  4. 能力アップのための研修制度は整っているのか。

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