2001/12/10

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平成13年11月定例会-12月10日

1 危険建築物と行政責任について
2 産業廃棄物税とレジ袋税について
3 消防署所の設置について
4 学校施設の安全性について

産業廃棄物税の質問では、(1)主な目的、(2)県との競合の場合、(3)税を取り入れる検討機関と機関について聞きました。(1)については、自然を守る事という常識的な答えでしたが、その中でも廃棄物の発生抑制・再生に重点を置くと言う感じでした。(2)では、これからの調整を待たないとなんとも言えない、という答弁。無理もないと思ってこれ以上の追及はしませんでした。(3)については、税務課と環境局とで原案を作り、議会や総合政策審議会に諮ると言う答弁で、特に問題は感じませんでしたが、三重県の例を引いて、職員の自主性を尊重する事、はじめからオープンな議論をすることを要望しておきました。

学校の安全性では、消防の器具や機械が壊されているままになっている事を、生徒自身が問題として、自らの手で解決をさせるような指導が必要と強調しておきました。教育長は、果たして分かったかな。

再質問は、産業廃棄物税の目的の中に、廃棄物の排出抑制やリサイクルのための研究に助成をする制度や廃棄物処理の設備導入に助成をする制度の必要について聞きました。そこはピンと来ていないようすでしたが、税の中だけではないと言う答弁なので、一応納得しておきました。


◆(羽場頼三郎君) 

 それでは,個人質問2番目に立たせていただきます。

 今回の議会が始まった折に,市長の方で所信表明をされましたが,それをお聞きしておりますと,私が今回質問しようと思う点についてかなり触れられておりまして,大分先取りをされたなあという気がいたしました。私の質問原稿をごらんになったのかなあと思ったんですが,その時点ではまだ質問原稿は書いておりませんでしたから,そんなことはなかったろうと思うんですが,いや本当に,今回の市長の提案理由説明の中で,いい意味ですけれど,私も心にひっかかったところがたくさんありまして,そのうち,質問事項じゃないんですが,先ほどもちょっと答弁の中でお話しになりました狂牛病対策,それからインフルエンザの対策ですね。

 狂牛病対策は,本当に我々も心配をしているところですが,国との関係においても,まあ言ってみれば岡山でもこれだけのことができるんだから,国もちゃんとやったらどうかというような,そういう強烈な発信をされたんじゃないかなあというふうにとらえました。ぜひ岡山を見習って,国の方でもこれぐらいのことはやっていただきたいなと思います。

 ついでに言えば,もう市長も恐らく同じ考えだろうと思うんですが,それだけのことを岡山にやってもらって,それにしてはどうも予算的な裏づけが少ないなあという気もいたします。これはしっかり要望していただきたいなと思います。

 それで,特に私も気になっている,恐らく成本議員もそうじゃないかと思うんですけれども,消費者としても非常に不安が残っていましたね。消費者の不安は,同時に生産者の不安でもあります。消費者が安心して食べられるということになれば,これは生産者の方も本当に心が落ちつくと思います。そういう意味も含めて,今回非常によかったんじゃないかと思います。

 実は,私も早速,前の休みのときに牛肉を岡山市内で買いまして,私の実家に帰りまして,みんなで一緒においしいすき焼きを食べてまいりました。本当にそういうことで,今の,狂牛病が2頭目,3頭目がほかでも見つかったりするような,そういう時代ですから,なおのこと,この問題にさらに真剣に取り組んでいただきたいなと思います。

 そしてまた,インフルエンザの対策ですが,これも実は私も議会に入る前に,市民運動として,インフルエンザの集団接種についてはちょっと問題があるので,やめてもらいたいという運動をさせていただきました。そのときにもいろいろインフルエンザのことは勉強させていただきましたので,ハイリスク,特に高齢者の方とか特定の疾患を持っておられる方に対して個別の接種というのは非常に有効だと。だから,個別接種に重きを置いて,集団接種をやめたらどうかというふうな運動をしていたわけですが,まさにそのねらいどおりといいますか,そういう意味では非常によかったんじゃないかなと。

 ほかの自治体もちょっとお聞きをしたら,必ずしもそういうふうにいっていないところがあるようですが,岡山市は,これこそまた先ほどの話じゃないですけれども,国に対しても岡山のまねをしろというぐらいのところですから,私は非常によかったんじゃないかなと思います。

 それから,その後につきましても,質問でまた触れますので,その中でお話をさせていただこうと思います。

 まず1番ですね。危険建築物と行政責任についてという項目に入らせていただこうと思います。

 これは,岡山市内には戦後すぐに建てられて,その後使われたことももちろんあったんでしょうが,放置されていたりして崩壊の危険がある建物があるというふうにお聞きをいたしております。これ建築基準法ができる以前のものだということですと,今度はその建築基準法に当たらないので指導がなかなか難しいというような面があったり,それからまた,それを担当する部署がなかなか決めがたいというようなことがあって,手を出しかねているというところがありますので,今後はそういう建物がまたふえてくるんじゃないかという可能性もございますので,その法的な指導がなかなか困難でありますけれども,それは何とかしなくちゃいけないんじゃないかなあと。現実の問題として,そういう危険建築物をどうしたらいいのかという問題認識で質問をさせていただこうと思います。

 それにつきましては,先ほどの市長の所信表明じゃないんですが,これ非常にいいことが言われておりまして,「市民に支持される自治体行政」というところで,「自治体は,法の執行のみならず,法の定めがない領域であっても,市民の幸せのために,迅速に政策を決定し,果敢に実行し,その安心と暮らしを支え,大きな意味での福祉を高める役割を積極的に果たしていかなければなりません」とおっしゃっているんですが,まさにこの問題がそれに当たるんじゃないかなあという気がいたします。

 この危険建築物ですね,これが所有者が明確であればまだいいんですけれども,しかし明確でない場合もありますし,また所有者が明らかであっても資力がないとか,その他のいろんなことで結局放置されているということでありますと,その危険な建物がいつ崩壊をし,また周囲にその危険が及ぶということにもなりかねません。

 こうした問題について,どうも国や県が手を打ったという話は聞いたことがありませんし,警察が出てくるという問題でもないと思います。そういう意味では,やはり市民の安全を守る自治体であります岡山市が,どうにかしなくちゃならないという問題だと思います。市有地が隣接したりしている場合もありますし,市道などがあったりしますので,こういうときに市として考えられる手はあるのか。その辺,市としてどういうふうにこういう危険を未然に防ぐのかということをお聞きしたいと思います。

 そして次に,順序はちょっとあれですが,学校施設の安全性の方から入らせていただこうと思います。

 学校施設の安全性につきましては,さきの議会でも質問をさせていただきました。学校の安全施設,特に消防施設ですね。消化器とか消火栓とか,こういったものが破損されている状況についてはぜひ調査を進めてもらいたいということで,一応,全体的な調査が済まれたというふうにお聞きいたしております。そうした調査の報告が,恐らく市長さんのもとにも届いているんじゃないかと思うんです。その上で学校の視察をされておりますので,特に学校現場を見ていただくというのは,非常にいいことじゃないかと思います。子どもたちの明るい笑顔と,しなやかに弾む姿に接するたび,多くの教職員が渾身の愛情と情熱を子どもたちに注いでくれているということを肌身に感じておられるそうなんです。学校というものは,これからの未来をつくっていく子どもたちが育つところですから,ここが本当によくなければ我々の未来もないということになりますので,そうした現場での肌で感じる情熱みたいなものを,ぜひこれからも続けていただきたいなと思います。

 その際に,消防施設,いわゆる安全施設と言われているものですが,これは,だれのためでもないんですね。結局,子どもたち自身のためでも……,子どもたちという言い方があれかな,ちょっとここの場合私も考えようと思っているんですけどね。中学生というのは,余り子どもという考え方だけでもいけないのかなあと思うけれども,子どもと大人の中間ですからね。中学生というぐらいだからそうかもしらんけれど。だけど考え方としては,やはり子どもではあるけれども,もうまさに大人になろうとしている,一人前に近い,そういう存在としてやはりとらえてやらないと,子どもたちの自発性も伸びてこないということになるかと思います。

 実は,これも前の議会でこの件は質問させていただいた後に,ある元教育関係の方からお手紙をいただきました。その方は,御自分の体験も踏まえながら,こういうようなことを言われているんです。ここから手紙ですね。

 私は,こういう問題こそ生徒会,自治会の格好のテーマであり,生徒みずからの力で解決してこそ意味があり,効果も長くあると思います。学校ではそういうことはどうなっているのでしょうか。現在ではどうなっているんでしょうか。それから,学校側が修理をしては,これは命にかかわる大切な設備だからいたずらしてはいけませんよとお説教したり,いたずら者を先生がしかったりするだけでは絶対にやまないと思います。今の中学校の生徒会活動はどんな様子でしょうか。ひょっとして,こんな自分たちの問題を,自力で解決しようとする意思さえないのじゃあないでしょうか。いや,生徒会でやっているんだという話を聞きたいと思います。

 こういうお手紙をいただきました。

 私もぜひこれの返事といいますかね,どうなっているのかということを聞きたいと思います。

 こういうふうに,大人と子どもの中間にある中学生は確かに難しいんですが,まずは私は,やはり先ほども申し上げましたけれども,大人として扱うことが必要だろうと思います。

 そして,それぞれの中学校で,こういう生徒会なりの自主的な活動の中でこの問題を取り上げるということを提案したいと思いますが,どうでしょうか。

 具体的にはなかなか難しいらしいんですね。私は企業とか,そこらにある自衛消防隊みたいなものも考えたらどうかというふうにも思ったんですが,単なる思いつきで言ってもいけませんから,現状に即して言えば,子どものごく小さいときには幼年消防クラブとか少年消防クラブみたいなものがあって,自主的な活動をやっておられるようですけれども,それに近いようなものを,また中学生という大事な年ごろの方々に対して,つくっていくようなことを進めることというか,つくれと言うとだめだと思いますよ。つくったらどうですかというような感じがいいと思うんですけれども,そういうようなことができないかなあということで,見解をお聞きしたいと思います。これに関しては,やはり教育長と消防局長の,両方の見解をお聞きをしたいと思います。

 それから,消防署の話が出たんで,ついでなんですが,消防署所の設置については,いろいろもう今回の議会で出ましたので,もうその辺は触れません。

 特に,1つだけ,この西地区ですね。ここにつきましては,人口が今急増しておりますし,またこれから新駅もできるという,岡山市の中では特に新しく発展している地域です。そこへの消防出張所の設置については,幾ら早くてもこの16年以降というようなことも聞いております。また,ここが地域的に中署に近いとしても,道路事情が余りよくありませんから,スムーズに行けるかどうかわかりませんし,また庭瀬では向こうに行き過ぎているということもあります。さらに庭瀬の方は,救急車の配備も済んでいないということもありますから,市民の安全とか安心に対する強い要望で,この西地区あたりに消防出張所を早期に設置してもらいたいという声がございます。ここら辺についてはどういうふうにお考えなのでしょうか,お聞きしておきたいと思います。

 それから,いよいよ市長が今回のこの所信表明で考え方を明らかにされた産業廃棄物税ですね。これについて触れていきたいと思います。関連でレジ袋税ということも出てきますけれども,これはその中でお聞きをしていこうと思います。

 産業廃棄物税のこの制度創設について,非常に前向きな検討をされるということで,私もこれについてはあっと言いましたね。というのは,大体こういう検討が,県レベルではかなり進んでいるという話は私も聞いておりましたし,三重県なんかはもうスタートする直前ぐらいまで来ているということなんですが,岡山市というところは結構市域も広いし,産業廃棄物が埋め立てられているということもあるので,私は市としてこういうものを考えたらどうかなあと思っていたんですけれども,先に言われてしまったというか,やはりそこまで考えていたんだなあというので,ちょっと感心をいたしました。

 本当にこれは我々にとって重要な課題だろうと思いますが,こういう新しい税をつくるということについては,これはもう市民全体の同意みたいなものが必要ですから,それをぜひとっていただきたいなあと思いつつ質問をさせていただこうと思います。

 これが法定外目的税ということですので,税収を図るというよりは,むしろ政策的な考慮というものが強いだろうと思います。自治体がそうした課税権を行使するということが,法の改正などによって容易になったわけですが,これを積極的にやられるというのは非常に歓迎をすべきだと思います。そうした権利を必要に応じて使うことが,やはり当市の経営についても大きなプラスになるんじゃないかと思います。

 その大事な税の性格のところですが,何を主な目的として考えておられるのかなと。産廃の減量だとか排出抑制だとか,また財源の捻出だとか,それから環境保全だとか。先日の新風会の代表質問に対する答弁では,環境的なものをお考えになっているような感じを,そういう受けとめ方をちょっとさせていただいたんですが,そういう意味で,市長のねらいというものをお聞きしたいと思います。

 それから,これは岡山県の方でも,この産業廃棄物税というのは検討されているということなんですが,これが重なる可能性があるわけですね。全く同じであれば,どちらが優先をするのかなあということも考えますし,また同じでないときはどうなるのかなあというのもありますので,この辺について見解をお示し願いたいと思います。

 そして,この検討の時期ですね。先ほどもお聞きしたら,何か産廃については,余りのんびりもしておれないなあというような認識を示されておりましたので,検討の期間が大体どれくらいになるのか。また,どういうところで検討をされて,市の新しい制度にするまでの道筋とその時期ということを明確にしていただきたいと思います。

 これは三重県の例をちょっと調べさせていただきましたら,三重県は,みずから言っているんですけれども,この問題を扱うに当たっては,もう最初からオープンなんだと。そして,特にこの問題については,職員の自発性を尊重してどんどんやってもらったんだと。そういう後押しを全庁的にした結果が,こういう新しく産業廃棄物税をいよいよスタートさせようというところまで行ったというようなことを言われておりますので,恐らく岡山市もそうなるんじゃないかと思います。この点は質問じゃなくて要望にとどめておこうと思います。

 そして,杉並区で同じように税金の形でレジ袋税というものが検討されているということでありますので,ここについてもちょっと触れてみたいと思います。

 これは,やはり自治体の自主課税権が広がったことによります全国的な動きの一つだろうと思います。これ以外にも,何か自転車税というものも検討されているとか,いろんな全国の例があるようですが,しかし杉並の場合は,もう具体的に案として議会にかかったというところが注目をされているところです。ただ,我々と同じ議会といっても,杉並なんかは11月にほとんど済ませたそうですが,そこでは継続審査になったそうです。

 ただ,区長の方といいますか,区側は非常に積極的なようでして,さらに商店街の皆さんも,時期も時期だから,どういうんかな,積極的に賛成というわけじゃないけれども,まあ賛成の意見の方が多いといったようなことも新聞に載っておりました。こういうことで,条例が成立をする可能性は非常に高いと思います。

 杉並区の場合,特に杉並病といって,何かごみの公害が問題になったりしているようで,こういうことがこの税をつくろうというきっかけになったんじゃないかと思いますけれども,何かこの税の提案によって,ごみ問題にぐっと関心が高まって,ごみ袋だけではいけないんじゃないかとかいろんな議論があったりして,税金でやるのがいいのか有料制がいいのかというような,何かそれによってごみ問題の意識が非常に高まったというふうにもお聞きをしております。買い物袋として大量のプラスチックが使われている現状がありますので,これを何とかしたいという意味では,杉並区の取り組みも注目していいんじゃないかと思います。

 ただ,これからがあれなんですが,岡山市の場合,いわゆるマイバッグ運動ですね。そういう買い物袋を使わないようにする。例えば,店によって買い物袋を有料化するとか,やっているところがあっても,もう何かやめているらしいとかというのを聞きましたけれども,余りマイバッグ運動というのは広がっていない。私に言わせれば,まずはそういった市民の中で,そういうマイバッグにいこうじゃないかという声が起きてくるのが理想的なのかなあ,望ましいのかなあと思うところです。

 この,税金という形でこういう問題に対するということも一つの考え方で,私はそれなりに評価すべきだと思いますけれども,岡山市の場合で言えば,マイバッグ運動というものをまず広げる,そのことが必要じゃないかと思うところなんですが,市の方はどういうふうにお考えなのか。また,これまでこのマイバッグ運動についての取り組みがどうなっているのかということについてお聞かせを願いたいと思います。

 以上で,まず第1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)

◎市長(萩原誠司君) 御苦労さまでございます。
 産廃関係を,まずお答えいたしますが,産廃政策全体に流れている考え方は,とにかく自然を守らなければいかんということが大目的でありまして,その中に幾つかの小目的があります。1つは,この税にも結びつきますけれども,課税をすることによって,減量効果は当然あります。さらに,その中で,累次の答弁でもありましたけれども,ほかのところが産廃課税をかけた状況を考えますと,雪崩を打って入ってくるという可能性もあるもんですから,そういう意味での,県外,域外からの過大なる流入防止という,そういう意味も含めての産廃総量の減少ということは,当然,副次効果として期待されます。

 それから,税になりますと,今度は法定外目的税ということで,どういう政策をするのかということですけれども,これはまず,やはり産廃についての検査であるとか監視体制の強化のところに使われるべきであって,そしてさらに言うと,その中で,これも累次ありましたけれども,産廃の監視強化というのは産廃処分場の寿命より長い期間が必要ですから,その辺の手当てを,時間を超えてやる部分と,その時点で運営されている産廃からの税でもってやるという横的な補助と両方あるんですけれども,いずれにしても長期間の産廃監視をするということがあります。

 さらには,問題点が生じた場合の回復措置というものを事業者にやっていただきたいわけでございますけれども,今までの日本の公害の歴史を見ますと,やってくれと言うたらおらんかったということが間々ありますので,そういうときに,しゃあない,やるかというようなことの備えということで,当然,目的としては考えているわけであります。

 次に,これは県も考えておられまして,県が考えられていること自身については,実はこの場ではっきり申し上げますが,賛成であります。岡山県全体が,そういうことで産廃に対する問題意識を高めていくことというのは重要な視点だと思います。

 次は,それでは市と県はどうなるんならと。これは可能性として3つあるんですね。

 1つは,県の方で全部やるから,あとは任せなさいと。こういう形で調整が進む。

 もう1つは,岡山市についてはよう頑張ったから,岡山市独自のやり方でやりんせえということで,私どもがお引き受けをして全面的にやる。

 3つ目が中間系でして,協働でやるというか,税の趣旨とかその課税標準が若干違ったりすることがあるもんですから,そうするとA足すBみたいな形でやっていくと。こういう3類型が,当然,一般的にはあります。

 この辺は,それぞれの税の形が課税標準であるとか課税額であるとか,あるいは税の取り方の問題等々が,どう具体的に整理されていくかということを待たないと,はっきりしたことは言えませんが,いずれにしても私どもの税制が導入されれば,岡山県御当局とは調整作業が起こる。加えて,これは総務大臣の御同意が必要ですから,その調整をした後,総務省の方にお話をしていくということになるわけじゃないかと思っております。

 したがって,今言ったような,そういう3つの落ちつきがある。いずれにしても,ただ私は,岡山市を含む岡山県,あるいは岡山市だけでも,先ほど申し上げたように,今後の自然環境の保護を考えていくと,産廃課税というのはおよそ避けて通れない課題じゃないかなあというふうに考えておるわけであります。

 スケジュールは,はっきりしないところもあるんですが,若干言いますと,わかりやすい新税の目的であるとか形式というものを,きちっと詰めた上で,原案の原案を当局がつくること,そして議会の方々にもお話しした上で,パブリックコメント等の募集をすること,あるいはその一環とも考えられますけれども,特に関係の深い産廃の関係の方々からの意見聴取,説明等があって,さらに時間の前後はおきますが,総合政策審議会にも一応お諮りをした方がいいだろうと,こういうことをだだっとやっていく必要があるわけであります。

 そういう段取りをやるだけの時間というものが要りますし,また内部でのしっかりした検討も要るんですが,とりあえず申し上げておきますと,今の税問題につきましては,市民税課と産業廃棄物対策課が,それぞれ知恵を出しながら検討を進めているところでありますが,場合によってはもう少し範囲を広げて取り組む必要もあるかもしれないと思っています。

 いずれにしても,質問の御趣旨も十分踏まえた上で,私どもとしても一生懸命これは前向きな検討をしていきたいと思っております。

◎環境局長(中山正汎君) 産廃税の御質問の中で,マイバッグ運動を広げるべきであると思うが。また,これまでの取り組みについてはどうなっているのかというお尋ねでございます。

 議員御指摘のとおり,マイバッグ運動はごみの減量化施策として有効な手段でございます。昨年も本年も,本市といたしましては,ペットボトルの再生製品として繊維でつくりましたマイバッグを3,600つくりまして,市民の方々,また団体の方々を通じまして,このマイバッグ運動の展開をいたしているところでございます。

 既に市内の大型スーパーや大量販店などでは自主的に取り組んでおられる店舗もございまして,今後も関係団体・機関と連携を図りながら,このマイバッグ運動の拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上です。

◎都市整備局長(山内靜男君) 危険建築物と行政責任についてお答えします。
 建築物の維持管理は,その建築物の所有者あるいは管理者または使用者が,それぞれの責任の範囲において行うべきものであります。したがって,本市においても,老朽化し周辺関係者に危害を及ぼすおそれがある建築物を発見した場合は,その建築物の所有者等に対して,適切に管理し,危険を排除するよう指導を行っております。また,所有者等が特定できない場合は,関係部局と一体となって,速やかに危険が排除されるよう,建築基準法,その他関係法令による法的措置を含めて対処してまいります。
 以上でございます。

◎教育長(玉光源爾君) 消防施設のことについて2点のお尋ねといいますか,このことについてお答えいたします。

 これは定期監査で御指摘をいただきまして,それで我々の立場としては十分指導したつもりだったんですけれども,なかなか現実はそうはいかなかったというのが本当でございます。

 このたびも,消防局と,それから教育委員会の担当職員が,学校へ,実態の把握ということと,それから指導ということで参っております。それで,一度では十分ではございませんでした。結果的には,11月の終わりまでにはきちっとなっておるということを確認しておるというのが1点です。

 それから,もう1点,今の消防施設の件について,中学生は自分の命を守るために,善悪の判断はもう十分できる年齢なんです。しかし,実際にはそうは言いながらも,それでは今のようなことをしなければならんような気持ちというのを,私は何ぼか理解できておるんですけれども,本当に,なぜそうさせたのかという,そのことを問いただしていかなければ,なかなかこの問題は解決しないんじゃないかと思っています。

 そういうことで,生徒会の主体的な活動ということは,議員おっしゃられたように非常に大事なことだと思っております。そのことを,やろうとすれば,やはりリーダー研修といいますか,ここで生徒たちを本当にいい方向へ引っ張っていくという集団づくりをしていかなければならないと私は思うんです。そういう意味では,今回の岡山「人づくり」プランということについては,役割分担を明確にすると同時に,やはり厳しさと優しさという部分で,きちっとしたことを私はお願いをしていかなければいかんし,それが自浄作用のような形で学校に出てくることを望んでおるわけです。生徒たちが生徒会で自分たちの問題点を取り上げて,主体的に自浄作用といいますか,それを含んだ生徒会の防災訓練なども,現実に行っておる学校もありますが,そういうことはこれからやっていかなければいかんということを思っております。

 また,その取り組みをさらに助長するような助言もしていかなければいかん。それから,地域の少年防災クラブなどの活動とも連携しながら,自主的な活動を促していきたいと,このように思っております。
 以上でございます。

◎消防局長(上池郁夫君) 中学生を対象として,防災クラブのようなものをつくることはいかがかという御質問でございます。

 現在,防火に関する社会教育の一環としまして,地域において少年消防クラブを自主的に結成し,少年時に火の恐ろしさ,火の正しい使い方等について指導し,効果を上げておるところであり,今後も少年消防クラブの育成に重点を置き,拡充を図っていきたいと考えております。

 したがいまして,現段階では,中学生の防災教育におきましては,教育長の答弁にありましたように,生徒会が自主的に取り組む防災活動に対して,全面的に協力してまいりたいと考えております。

 次に,西地区への消防出張所の早期設置について,判断を示せとの御質問でございます。
 西地区への消防出張所の設置につきましては,消防署所適正配置素案の計画の中で実施していきたいと考えており,井村議員,三宅議員の代表質問にお答えをいたしたとおりでございます。計画の早期実現に向けて努力をいたしてまいります。
 以上でございます。

     〔15番羽場頼三郎君登壇〕
◆(羽場頼三郎君) 気になるところが一つだけありますので,ちょっと再質問をさせていただこうと思います。

 といいますのは,産業廃棄物税,これはいよいよ間近かなあということで,非常にいいんですが,これによって,税収としてお金が入ってきますね。その使い道も,今,市長の方から答弁があって,考えられているようなんですが,やはりそのお金の使い道について,私の方からすれば産業廃棄物に対して規制を厳しくしていくというのは,もちろん賛成なんですが,しかしそれだけじゃなくて,やはりそういう産業廃棄物を出したり扱ったりしているところが,発生抑制とか,それからリサイクルとか,それから減量化の研究をするとか技術開発をするとか,そうした産業廃棄物を使った製品を開発するとか,そういうところをもっとやってもらうような,そういうことに対する事業を応援するようなことにも,ぜひそのお金を使っていただきたいなあと思います。

 さらに言えば,今度はそういう産業廃棄物を扱っているところが,そういう設備や機器を導入する,その際に,やはりその導入を進めるような助成制度みたいなものですね。そういうことをやることによって,その業界もちゃんと産業廃棄物を適正処理する,減量化するようになるという,その流れをぜひつくっていただきたいと思います。その辺の考え方を,ぜひ聞かせていただいて,質問を終わろうと思います。
 よろしくお願いいたします。(拍手)

◎市長(萩原誠司君) 議員おっしゃるのは一つの考え方だと思いますし,そういうアイデアというか考え方を排除するつもりはありません。検討の中で入ってくると思いますが,あえて,市民の方々がどう言うかというところだけは押さえておく必要があると思うんです。産業廃棄物税を取って,その税金がまた産廃排出業者に回っているという姿をお好みになるかどうかというところがあるのかなあとは思いますけれども,ただ,排出抑制ないしリサイクルそのものは,いずれにしても進めます。

 さらに,もう一個だけ言うと,今度税制をつくって,今,全国的にトン当たり1,000円みたいなレベルで言っていますし,それから足切りがあったりしていろいろあれしていますけれども,そういう状況の中で取れる税収がどこまで行くかというようなのは,余り大したことはないと思うんですよね。だから,私としてはお気持ちは,可能性としては考えておこうと思いますが,実現可能性という意味では,ほかのところでやった方がリサイクル制度の充実はうまくいく可能性もあるのかなあと思います。

 いずれにしても,お気持ちは今後の検討の中に生かさせていただきます。


2001/12/10

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