2001/06/13

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平成13年 6月定例会

 すでにその役割を終えている納税貯蓄組合に補助金を出すよりも、市が進めている「銀行振込」に力を注ぐべきではないか、と質問しましたが、市長はこれにまともに答えようとせず、「組合加入者の振替利用率が高いから組合の存在意義がある」と答弁。これは、もっともな理由のようですが、単に現状を陳べたに過ぎません。

 振込をしている人と、組合に入って振込をしている人との間に補助金で差別をする理由がなく,まさに不公平となっていることに目をつぶるものです。

 また、私の二年の経験から、監査の充実のためには専門の事務局員を(一部でも)置いたらどうかとお聞きしました。

 市長はこれにもまともに答えず、「全部が専門の事務局員にすると国の会計検査院が批判を浴びているように、監査のための監査になる。」と、とんちんかんな答弁です。

 その上、専門的知識を持つ監査委員(公認会計士や弁護士)の報酬が安すぎるのでは、という質問には、「議員である監査委員には報酬が別に出ている。」といった的外れの答え。わざとすれ違いをしているのか、質問の趣旨が分かっていないのか、どっちにしても私の議会質問をまともに受けとめない姿勢はいただけません。


◆(羽場頼三郎君) 3番目の登壇となりました。きょうはどういうわけか我々市民ネットのメンバーが次々登壇をさせていただくことになっておりまして,田原議員を初め私,後は続きますが,これもしょうがありません。別にそうしようと思ったわけじゃないんですけれど,たまたまそうなりました。

 時間がありませんから,質問に入りたいと思いますが,ここ最近の動きで,特に私が感じておりますのが,せんだってのハンセン病の裁判であります。私も実は,これは控訴するんじゃないかなというふうに思っておりました。しかし,小泉総理もなかなかやるもんですね。やはりそういういい判断をしたときには,これはもう率直に評価をするしかないかなと思います。小泉総理,それから忘れちゃならないんですが,坂口厚生大臣も非常に頑張られて,いい判断をされたと,行政の責任者として,私はもう本当に見上げるべきだと思います。

 今までの自民党の総理大臣だったらだめだったんじゃないかなという気がするんですが,それはともかくとして,やはりこの問題を通じて,時代が変わってきているんじゃないかなと。また,行政に対する,行政に携わる者の責任ということが改めて問い直されたんじゃないかな。今回の裁判でも指摘がありましたけれども,同時に議会に対しても責任があると,こう言われたわけですね。変な行政をそのまま見逃していたり,また法律──我々で言えば条例なんですが,そういう条例が残っていたりしたら,これは廃止をしたりするのがやはり我々の議会の役目であるというふうにも思っておりますので,そうした思いを持ちながら今回の質問をさせていただこうと思います。

 この議会で,私はちょっと気にはなっていることがあるんですが,今回いろいろ出された議案の中で,質問事項には含んでおりませんが,新産業ゾーンに福祉施設を持ってくるということでありますが,この費用が12億6,000万円の土地代です。それに土地を化粧する費用として8,200万円かかる。合計で13億4,000万円かかるわけです。この土地を社会福祉法人の方に無償で提供する。ここに福祉の学校を建てたりして,その学校が地元の活性化にもつながるというようなことを御説明いただいているわけですが,それにしてもちょっとどうかなという気がいたします。

 また,ここは初めファーマーズマーケットをする予定だったんだが,それができなくなったから土地があいたと,土地の利用を考えなくちゃいけない。それはそれで理由があるんですが,しかしなぜここに持ってこなくちゃいけないのか,また旭川荘が世界的に有名な福祉施設だからということも,そういう理由にちょっとなりにくいなと。それから,当局の御説明の中にもちらっとあったんですが,お隣の倉敷市では大学の誘致に当たって50億円も出しておるじゃないかと。それはよそはよそですし,大体50億円も出したとかというのが出し過ぎなわけですから,あんなところを例に出しても,これはそれを正当化する理由にはならないなと思います。

 重ねて申し上げれば,旭川荘の理事長は非常に有名な方でございますし,私も尊敬している方です。しかしその方が市の最高幹部の後援会の会長をされているというようなことがあれば,これはちょっと疑問に感じざるを得ないということであります。中国にも,「李下に冠を正さず」,「爪田に覆を納れず」ということわざもございますので,よく考えていただきたいなと思うところであります。

 この件はこれだけにさせていただき,質問の中身の方に入らせていただこうと思うんですが,今回は納税貯蓄組合につきまして,ぜひお聞きをしたい。先ほど申し上げましたように,条例の──これは条例じゃないんですけれども,そういう制度をほうっておいていいのかどうか。変な制度をほっておいたら,それこそ我々の責任にもなるんじゃないかという気がいたしますので,あえてお聞きしたいと思います。

 私がこれを最初に質問させていただいたのが平成8年だと記憶しておるんですが,その後も若井議員でありますとか,今はいらっしゃいませんが寺田議員でありますとか,太田議員,また崎本議員も質問されております。かなり制度的には見直しがなされました。組合員が30人以下のところには既に補助金が出されておりませんし,またそのとき私が指摘をいたしました過少の補助金みたいな変な補助金というものもなくなっております。申請の書面の方も適正になってきている。これはいいことなんですが,しかしここで改めて制度の存在というものを考えなくちゃいけない。私はその後,こういう組合があることによって,せっかく親睦が図られているのに,そういうものをつぶすのかというような反対の意見も聞かせていただきました。

 しかし,考えてみると,納税貯蓄組合というのは親睦のための組合じゃないんですよね。しかも,この制度の組織率も9%ぐらいに下がりましたし,それから実際に出しているお金もかつての6,000万円近いお金から,昨年の決算見込みでは,ざっと1,900万円ぐらいになっております。ということは,もうだんだん支払い先も限られてきているわけです。それから,扱われている税金も普通徴収の区分──市民税,固定資産税,それから軽自動車税の3種類のみであります。これは11年度実績ですが,収納額全体の約7%──6.8%ぐらいですか,それから課税人数におきましても,12年度を見てみますと,2万7,000人余り──5%強ですね。

 一方,考えてみれば,市が本当にやりたいといいますか,収税をふやす,収納率を上げるという手段としてはやはり口座振替でしょう。その口座振替を利用する市民の方は,郵便局などに窓口が広がっているようなこともありますから,現在では30%を超して15万2,183人というふうに増加をしているわけです。この増加の傾向をさらにふやすようなことが必要じゃないかなと思うわけです。

 その納税貯蓄組合に入っている方で,口座振替を利用している方もいらっしゃる。これが,結構いらっしゃるんですね,68.9%ですか,ざっと70%ぐらいいらっしゃる。そうすると,ちょっとここに矛盾が出てくるんです。これは税金の納付の実態というものが組合に入っている人もそうでない人も同じなんですよ,口座振替ですから。同じように金融機関の口座から自動的に引き落とされる。しかし,組合に入っているということだけで結果的に優遇をされることになってしまう。こうなりますと,特に市の方の事務の方も考えてみたら,市の事務だって大変なはずなんです。

 実は,ここにちょっと持ってきましたが,皆さん御存じですが,この「市税概要」の中にも納税貯蓄組合につきまして2ページぐらいにわたって記載があります。さらに「納税貯蓄組合のしおり」というものまで出ています。こういうものをつくって,趣旨も理解していただきながら,こういう冊子もつくりながら,職員の手も煩わしながら補助金で優遇しているわけです。かといって手続を簡略化すりゃいいというもんじゃないです。手続を簡略化したら,今度は補助金の出し方がルーズになってしまう。それじゃいけませんから,そういう意味でもこの納税貯蓄組合を続けていくのか,それともまたそれだけの力があるんだったら,それを口座振替をふやすことに向けるということが大切なんじゃないかなという気がいたします。

 実際には口座振替ができるような窓口をさらにふやすとか,それからまた実際に私がお聞きをしましたら,振替を勧誘しているのは金融機関の営業員みたいな方が結構ふやしているらしいんです。そういう方には100円から300円ぐらい,手数料が出ているんだそうです。その手数料をもうちょっと上げるとか,何らかの形で口座振替をふやすというようなことをお考えになったらどうかなと思います。

 ここら辺で,市当局の方がこの納税貯蓄組合について一定の評価をし,さらにこれをもうこの辺で打ち切ろうというような前向きな判断をされるのかどうか,お尋ねしたいと思います。

 次に,食品リサイクル法なんですが,これは正式には「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」というんだそうです。私は実はこれは期待をかなり込めておりまして,国の方で食品リサイクルについて積極的に取り組んで,取り組まないところについては,場合によったら罰則ぐらいをと思ったんですが,どうもそうはいかない法律で,ある意味じゃその食品の廃棄物のリサイクルをどんどん進めようと,そのために国もある程度の援助をしましょうと,こういうような趣旨だということです。

 しかし,考えてみれば我々が出している生ごみというのは大変な量でありまして,その生ごみの量が減るということは全体のごみ量が減ってくる。同時に,ごみを燃やさないわけですから空気も汚れないし,埋め立てをしないわけですから土地も汚染しないということになりますので,これはやっぱり生ごみを減らすということに本気で取り組む必要があるな,実はそう思ってみたら,新聞の投稿欄に農水省の方でしたか,食べ物について出されておりまして,食べ物というのはできたところで消費をする,これがいいんだというようなことが書いてありました。もちろんそうなんですが,消費をした後どうするかということについて,やはりそれはごみとして処理をするのじゃなくて,肥料にするか飼料にする,こういう考え方です。

 法律の方では,年間で100トン以上の食品廃棄物を排出する食品関連業者は,平成18年度までにリサイクルの実施率を20%にするという努力目標を掲げなさいというようなことなんです。そのために農林水産大臣その他が指導や助言を行いますし,また法的な義務づけにまでは及んでいないんですが,この廃棄物処理法などに特例をつくったりして,そういうふうにやりやすくすると,こうなっているわけです。

 ここでお聞きをしたいんですが,市内ではそういう法に該当するような,食品関連業者というんですか,そういう方がどれくらいあるのか,お調べになっているのかどうかお聞きをしたいと思います。

 大体そういう,食品関連業者というのは食品の製造,加工,販売小売業でありますとか,また食堂,レストラン,ホテル,旅館などがやっているかと思うんですが,そういう業者に対して市としては情報提供とか,また指導というものをされているのかということもお聞きをしたいと思います。

 また,あわせてそういう業者は,自分のところでできない場合には委託をしてもいいんです。委託するといっても委託する業者がなくちゃいけませんから,そういう業者というのは市内にあるのかなと。そういうことまでお調べになっていらっしゃるのかなということをお聞きしておきたいと思います。

 そしてまた,学校も給食を提供している以上,法的にいえば今の事業者に当たるわけです。学校もまず,みずからこの食品のリサイクルということを実践しなくちゃいけないと思います。学校だけじゃないんですよ,市役所もそうです。そういう市の関連施設においてもそうだと思いますが,そういった市の関連施設では,学校からごみが出ていかないというのが本来理想であります。特にこの食品リサイクルにおきまして,食品に関しては,もうそういうところから出ていかないというふうにしていくべきじゃないかなと思います。

 そんな意味でこの際,私は,岡山市で食品リサイクル条例といったものをつくったらどうかと。先ほど申し上げましたように,法はなかなかそういう義務づけのところまでいきませんから,あえて岡山市としては条例でそういった義務づけのところまで踏み込む。それから,先ほど年間100トンと申し上げましたけれども,それは,かなり大きなところですから,そういう年間100トンより基準を下げてもいいです。そしてまた,市の関連施設についてはそういう基準なんか設けないで,市としては,もう生ごみを出さないんだという考え方を基本に置いた条例みたいなものをつくられたらいいんじゃないかなと思います。

 これにつきましては,実は農林水産省の担当の方にお考えを聞いたんです。そういう条例とか,法律の趣旨とかも含めてお聞きしたんですが,その担当者のお話では,当然のことですが,それは法律としてとりあえずできるところまで我々はやったんだと。ここまで,促進するということまでやったんだと。地方自治体については,ぜひ地域の実情に合わせてやってもらいたいと。もし条例とかそういうものができるんなら当然結構だということでございますから,私はぜひやっていただきたいなと思います。

 これは特に岡山市の実情ということであれば,これまで何度もこの議会でも出ておりますが,岡山市のごみがふえて,やむを得ず,やめるはずになっていた岡南環境センターも使い続けざるを得ないというような状況ですから,そういう意味からすれば,さらに市が積極的にこの食品廃棄物のリサイクルに取り組むということが必要ではないのかなと思います。

 先ほど申し上げましたような内容を持った,そういう岡山市独自の食品リサイクル条例といったものをお考えかどうかお聞きをしたいと思います。

 それで,先ほどちょっと,市の関連施設から生ごみを出さないということを真剣に考えておるのかということを申し上げました。さきの議会でも同じようなことを私も申し上げまして,環境局長の方からも御答弁いただきましたが,生ごみにつきましては,防腐剤とか,添加剤が含まれているので前処理が必要であるからできないというような感じの答弁でした。私もそのときはそうかなという気がしたんですが,よくよく考えてみれば,生ごみはそうかもしれない。しかし,生ごみの中でも食品廃棄物については,生ごみがこれぐらいだとしたら食品廃棄物はこれぐらいですから,かなりの部分は食品廃棄物が占めますけれども。

 そうすると,食品廃棄物に関しては国の方でどんどんリサイクルしなさいと言っているわけですし,実際問題として,私もすぐ近所の倉敷イオンに視察に行かせていただきました。あそこはもう,企業の中であの敷地から出てくる食品廃棄物については一切外へ出さないんです,ごみとしてですよ。あれはもう完全に肥料と,それから飼料にしておりまして,飼料の方はたしか美星町の方だったと思いますけれども,提供している。それから,肥料にしたものは,店内にお見えになったお客さんに,サービスで提供しているんだそうです。大変喜ばれておりまして,いつも足りない足りないというような感じらしいです。というようなことですから,あれだけの規模の企業でもできることですから,可能じゃないかなという気がいたします。

 そしてまた,環境局長の答弁を,私もよくよく見てみたんです。そうしたらいいことを言われているんです。大規模なものはできませんよと,小規模の範囲での試みは可能ではあろうがとかというようなことを言われているんです。私は,可能だったらやっぱりやったらいいんじゃないかなと思います,可能だと思われているんだったら。大規模も小規模も不可能というんだったら,それはなかなか難しい話かもしれませんが,小規模なら可能だというふうに言われているんだったら,私ぜひやったらどうかと思います。そういう意味では,もしそういう含みで言われているんだったら,いつごろからやるんだろうかなということをお聞きしたいなと思います。

 法律の趣旨の中では自治体に対して食品のリサイクルすることを期待しているわけですから,その期待に自治体,我々もこたえるべきじゃないかと思います。

 それから,教育委員会の方にもちょっとお尋ねをしておきたいと思うんですが,食べ残しの問題がちょっとございまして,1日大体3.9トン──約4トンです。そうすると年間100トンは軽く超します。そういう意味でもこれは,学校全体としてこれは早急な対策が必要じゃないかと思われますが,いかがお考えでしょうか。

 生ごみの処理機を導入しているということを言われておりました。ただ,処理機といってもこれはいろいろあるんです。先日,東京で環境展というのが行われまして,これはかつて廃棄物処理展といったんですが,この環境展を見させていただきまして,いろいろお話も聞いたり,資料も提供していただいたり,現物を見たりしましたけれども,本当にいろんな種類や性能のものがある。肥料にする方もあれば,乾燥して容積を少なくするとか,それから俗に言う消滅型といってバクテリアを使うのもあるし,バクテリアじゃだめだ酵素でなくちゃいけないとかというような,そんなのもあったりして,いろんな種類があります。だから,一つの機械をやってみて,余りうまくいきそうにないからやめとこうというんじゃなくて,これもいろいろ考えてやってみるべきじゃないかなと。積極的にこれは取り組んでいただきたいなと思います。

 また,塩分の話が出ましたが,塩分の件は私はもう解決済みじゃないかと思います。これは既にそういうリサイクルをしているところにいろいろお聞きしましても,食品の塩分で問題になったことはありませんよということでした。ついでに言えば,船穂でもやっているので,船穂にもお聞きをしましたら,船穂の方でも塩分は問題になりませんでしたね。あそこの場合は米ぬか等ほかのものを入れたりしますから,そういう形でも調整できるし,少なくとも堆肥化する,コンポスト化することについてはまず支障がないということでございます。

 それから,市立3病院でも給食をやっておりますし,また保育園とか老人ホームその他,給食をやっているところでは,やはり食品廃棄物が出ておりますから,これはどうなっているのか,またこれをどうしようとしているのか,ぜひお聞きをしておきたいと思います。

 前回の質問で,ちょっと魚のあら処理について,話をしかかったんですが,ちょっと結論というか,方向がはっきりしなかったんですが,やはりこれは結局県外に持ち出さなくちゃならなくなった,ここが問題だろうと思うんですよ。もし可能であれば,そういう処理はなるべく県内なり市内なり,目の届くところでやろうということがいいんじゃないかと思います。そういうことじゃないかと思うんですが,これらについてはそういう業者があればそれを育てることを考えればええし,もしどうしても業者がないとなれば市もある程度協力をして,そういう処理ができるようなことも考えられたらどうかなという気がいたします。

 それから,生ごみの肥料化とか飼料化は環境局だけじゃなくて,岡山市でいえば経済局の方でも,いろいろごみの堆肥化ということで考えられているんですよ。こういう堆肥化の問題を考えるときに,それぞれの部局でばらばらにやるというのは,どうも私もうまくいかないような気がします。やはりこれは総合的に,岡山市全体として出てくるごみを堆肥にしようとか,飼料にしようとかという取り組みが必要じゃないかな。そういう統一的な取り組みというんでしょうか,総合的なプロジェクトというんでしょうか,そういったものを立ち上げておく必要があるんじゃないかという気がいたしますので,これについてのお考えがございましたらお示しをいただきたいと思います。

 さて最後,監査制度の充実についてちょっとお話をさせていただこうかと思います。
 この2年間,議会から選出されました監査委員として仕事をさせていただきました。大変皆様方にもお世話になりました。また,当局の皆さんにもお世話になりました。ありがとうございました。選んでいただきました議会の皆さんに改めてお礼を申し上げたいし,任命いただきました市長の方にもお礼を申し上げたいと思います。しかし,実際に仕事をさせていただいて非常に難しさを実感いたしました。ぜひその経験を生かして今後とも活動させていただきたいと思いますが,改めて,難しさというのはどういうところにあるかと申し上げますと,何にもなくて本当は当たり前なんです。大体,市がちゃんとした仕事をしているはずですから,何にもないというふうに言えばいいんですけれども,実際にはそうはいきません,やっぱり人間のやることですから。あれもある,これもあるということになって指摘をするということになりますと,それぞれ当局もお立場があっていろいろ困るところがある。困るけれども,わかっている以上,指摘をしないわけにはいきませんから,あえて指摘をするということになります。しなけりゃ仕事をしていないということになりますから,この辺が非常に難しいところだと思います。

 実際にやってみて感じたのは,もう私がもらうことがないから安心して言えるんですが,報酬がやっぱり安過ぎます,大体に。それは議会選出の場合もそうですけれど,特に専門家として弁護士さんとか公認会計士さんになっていただいているんですが,そういう方に対する報酬も少ないです。ちょっと来る前に調べたら14万幾らなんですよね,1カ月に。外部監査と比較してもちょっと安過ぎるなと私は思います。外部監査の場合が,たしか1日の日当が8万6,000円かなんかですから。そうすると,弁護士である監査委員さんに来ていただかなくちゃいけないのが月に大体四,五回。多ければ6回とか7回とか来ていただく。そしたら,もう全然割に合わないことになってしまう。その報酬で生活をしているわけじゃないんですけれども,しかし,来ていただいている専門知識を持っていらっしゃる方に,それなりの評価をして,そのために出すというのは,これは決して私はおかしなことじゃないし,むしろそれぐらいのことはやらなくちゃいけないんじゃないかなという気がいたします。

 他都市をちょっと調べさせていただきましたけれども,同じような規模の他都市では20万円を下っているところは余りなかったですから。そういうことも問題ですし,また費用弁償がないというのもちょっとおかしいなという気がいたしました。最近は住民監査請求なんかがふえたりして,予定外に出ていかなくちゃいけないことがたくさんあるんですが,これは費用弁償がありません。

 そういうこともぜひちょっと考えていただきたいんですが,これはちょっとある意味では要望的な話です。

 今回の質問は,やはり監査の独立性といいますか,監査の仕事をどんどんやっていくためには監査の事務局がやはり充実をしていることが必要です。その監査事務局は,市の職員の方がね,やっているわけですが,職員配置というのは,市の方が主導的にやっていらっしゃるので,そうなりますと,もう市の方の都合で,職員がまあ監査の仕事になれて,ああこの人よく仕事しているなと思ったらかわったりするわけですよ。そういうことになりますと,監査全体として仕事が十分にならないということにもなりかねません。

 ただ,私は,言っておきますが,実感として今の監査の職員の皆さん,よくやっていらっしゃいます。大変だと思いますね。そういういろんな難しい条件にもかかわらずよく仕事をしていらっしゃると思いますが,これをさらに充実させていくためには,いわゆる専門家を育てていくという姿勢が私は必要なんじゃないかなと思います。市の方にも必要なんです。ですから,そういう意味で,職員配置に非常に気を配っていただくことも必要ですし,あわせてプロパーの職員を育てる必要がある。私は余り英語が得意じゃあないんですが,まあプロパーというのは,固有のといいますか,専門のといいますかね,そういう職員を監査として独自に育てていくような,そういうことがぜひ必要なんじゃないかな。そういうことができるような環境整備は,これは監査自体ではできません。これは市の方で配慮していただかなくちゃできませんので,ぜひその配慮をしていただきたい。

 このことについて,そういうお考えがあるかどうかをお聞きいたしまして,私の第1回目の質問を終わらせていただこうと思います。
 どうも御清聴ありがとうございました。

◎市長(萩原誠司君) 御苦労さんでございます。
 監査の重要性というのは,私ももとより大変こう強調しておりまして,監査委員にもこういう監査をしたらどうですかと,この辺を見てくれませんかというようなことを言ってきた。そして,それがなかなかやっていただけなかったということもあるわけでありまして,確かにある程度の充実ということが必要かもしれません。

 ただ,それがどういう方式なのかということで,議員は報酬をようけ出せとかおっしゃいますけれども,議員報酬が出ておる上の話でありますし,先ほど田原議員がまさに無報酬ですばらしい監査をやっていただいた,そういう事例も報告されてはおるわけでありますんで,まあある程度常識ということになるんじゃないかと思います。市民の方々の目から見て,それはようやっとる,大分助かったと,コストセンターじゃなくて,先ほど田原議員おっしゃったように,それもいい成果が出たじゃねえかと,外部監査よりもいいじゃねえかというようなことになればまた別の話になるかもしれないなというふうに,報酬の面では思います。

 ただ,職員の資質の向上ということ,これは同感のところがありまして,確かに若干やはり専門的な思いというか,見識というものがまあ必要なところがあると私も思いますし,今までの人事配置を見ていましても,そういう気概のある職員を配置する。一方で,そこばっかりにおると,今度は,これは現場を知っているからこそ監査ができるっていうこともあるもんですからね,その辺の現場感覚というのは抜けてきて,結局市民のため,全体としてはこの岡山市をよくしようというところが意識から抜け落ちている。で,監査オンリーになっているということも実はあるわけであります。

 そういう点については,実は国の方の監査というのが会計検査院なんですけれども,今,会計検査院に対して国民的な批判があるわけですね,本当にしっかりした監査をやってきたのかと。会計検査のための会計検査をやっていないかと。例えば今,NHKの問題なんか随分出ていますね。ああいうことで本当にいいのかということ。また監査のプロパーは,プロパーで問題があると私は思います。そう簡単に,委員がおっしゃるからといって,プロパーということにならない。これは監査というものに対しても,我々市民が厳しく要求を出していく,そしてきっちりした監査をしてくれということを申し上げる中での発展ということになる,それが民主主義じゃないかというふうに私は思います。監査が無批判ということにはならない。監査に対してもきちっとした批判を申し上げながら,そして両方がうまく前向きにいく,こういうことを私は期待しているわけであります。

 続きまして,納税貯蓄組合ですが,これも大体議員のおっしゃるところが,まあ一見正しいように見えるんですけれども,確かに,要するに口座振替というものがふえている。さらに,おっしゃるように納税貯蓄組合の組合員というものは,ほかの人に比べて3倍以上,いわゆる口座振替の率が高いと。だからおかしいじゃないかと。そこのところがよくわからないです。つまり,納税貯蓄組合の活動の一つの大きな柱が口座振替を促進しておることなんですからね。したがって,我々は助かっているわけです。ほかの都市の動向を見ていますけれども,ある一定程度いわゆる口座振替の率が上がってくると,だんだん確かに納税貯蓄組合のそのものの意味も減ってくる,それは確かなんですが,今の岡山市の現状である30.数%というものについて一体どう考えるか。したがって,私どもとしての平成12年度の回答は,新しい人を納税貯蓄組合に入れて活動を活発にしてくれという意思を込めて,組合の補助対象の組合員数を30人以上にしましょうということで線を引いて,それを大きくしてくれということをお願いしているわけです。

 したがって,言いたいことは,口座振替が多いから納税貯蓄組合は要らんというんじゃなくて,口座振替を拡大するという意識もあったんですよということなんですね。

 一方,これはおっしゃるとおりなんですけれども,全体としての納税貯蓄組合の意義というものについて疑問符がついている部分も,これもあります。これはおっしゃるとおりです。だから,我々としては,いい組合になっていただくように差し向きは努めるというのが去年までの考え方であるわけですね。

 で,今いろいろ,要るのか要らんのか,あるいはどうしたらいいのかという議論があることは確かなものですから,県下10市で岡山県都市税務協議会というものがあるんですけれども,その中で今年度,本件,納税貯蓄組合問題について検討しようじゃないかということで議論がされています。

 こういったことも参考にして,抜かりのない対応をしていく必要があるというふうに思います。いわゆる口座振替の率が高いから,それはいいんじゃないかというのは,ちょっといただけない御議論じゃないかというふうに,聞いていて思った次第であります。
 以上であります。

◎環境局長(中山正汎君) 食品リサイクル法に関しまして,生ごみの肥料化,飼料化につきまして,小規模の範囲でも実施できないかというお尋ねでございます。

 議員御指摘のとおり,食品リサイクル法は,食品の製造,加工,卸売,または小売を業として政令で定めるものを行う者は,責務として,食品廃棄物等のうち有用なものを食品循環資源として肥料,飼料などに再生利用しなければならない,努めなければならないと。また,消費者は,食品廃棄物の発生抑制と再生利用を促進するように努めなければならないというふうになっております。したがいまして,本文の中の第6条におきまして,「地方公共団体の責務」が書かれてございまして,議員御指摘のとおり,その区域の経済的・社会的条件に応じて,食品関連業者及び消費者が食品循環資源の再生利用等を行うことを自治体は促進するように努めなければならないというふうに,我々は解釈しておるところでございます。

 いずれにいたしましても,議員御提言のように,この法律は有用な食品廃棄物を循環資源として再利用を行うという循環型社会形成の一端でございまして,今後,法の中で示されております主務大臣が基本方針を定めることとするとなっておりますので,その方針に沿い関係部局と協議いたしまして,再生利用の促進に努めてまいりたいと考えております。

 なお,2月定例市議会で,この問題につきまして「小規模な範囲での試みは可能であるといたしましても」という答弁を私がいたしておりますが,第1段階として小規模な範囲でも実現に向けて今後も関係部局と研究を重ねてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎経済局長(和氣島美彦君) 一連の食品リサイクル法についてでございますが,市内の法の適用に当たる食品関連業者がどれくらいあるのか,それから登録再生利用事業者となり得る業者が岡山市内にあるのかといった一連の御質問に対して,一括して御答弁させていただきたいと思います。

 食品リサイクル法は,平成13年5月1日より施行されている法律でございますけれども,法に則した動きが出始めている段階でございます。お問い合わせの法の適用に当たる食品関連業者,すなわち年間の食品廃棄物等の発生量が100トン以上ある業者でございますけれども,現在,農林水産省におきまして,全国的な業者数を実施調査しているとお聞きいたしております。また,登録再生利用事業者についても,中国四国農政局に何件か問い合わせが入っておるというふうに聞いております。現在のところ,登録申請をした業者はいないとのことでございます。

 今後とも,国,県とも連絡をとりながら業者の把握や情報提供等を行ってまいりたいというふうに考えております。

 また,市立3病院の給食や市立保育園,老人ホームなどの給食から出る残渣の処理についてでございますけれども,一部では肥料化,そして家畜への飼料化という利用もございますけれども,大部分につきましては事業系の一般廃棄物といたしまして市の焼却場で焼却処理をいたしているところでございます。

 さらに,食品リサイクル法には,地方公共団体はその区域の経済性・社会的諸条件に応じて食品循環資源の再生利用等を促進するよう努めていく旨が想定されております。食品廃棄物の内容,再生方法,利用分野,コスト等に留意いたしまして,具体的な取り組みを進めていくことがまず必要であろうと考えております。

 実施に当たりましては,全庁的に関係する部局との連携を図りつつ推進してまいりたいと考えております。

 なお,条例につきましては,時期尚早ではないかと考えております。
 以上でございます。

◎教育長(玉光源爾君) 食品リサイクル法につきまして,今,学校給食が御指摘をいただいておるわけでございますが,1日に残量が3.9トン出ておるということでございます。このことにつきましては,一中学校で現在実験といいますか,やっておりますけれども,いろいろ課題がありまして,なかなか……。現実には今ジャガイモがつくられておるということなんでございますけれども,非常に多くの手間がかかるということで,実際にこの環境問題,リサイクルということで考えてはおりますけれども,現段階で二,三種類導入してやってみてはということについてはなかなかできにくい,導入というのは考えられない状況にあると思っております。

 学校給食は食品リサイクル法の対象事業ではないというふうに聞いておりますが,本当に理想的なリサイクルというのは,いかにして残滓を少なくするかということでございまして,その努力は今民間委託しておる学校でも残量が少なくなったという報告をいただいておりますし,これは全市的に給食の残滓を少なくする努力をまずやっていくべきと,このように考えておりますので,よろしくお願いしたいと思います。

◆(羽場頼三郎君) 済みません。ちょっと時間が少な過ぎましたので……。
 先ほど市長がいろいろ答えられたんですが,報酬について,まあ議員はいいんですよ,議員はまだいいとしても,専門職の方についていろいろ問題があるというふうに私は申し上げたんで。それは答弁を求めておりませんでしたので,感想ということで受けとめておきます。

 それから,またプロパーの問題ですが,全部をプロパーにしろと私は言っていないんです。プロパーを,1人でも2人でも育てていくということが必要じゃないかと言っているので,ちょっとこれは趣旨の取り違えじゃないかなという気がいたしますね。

 それからさらに,市長が監査に対しても批判をするんだと,こう言われているけれども,監査の独立性も考えながら批判をしていただきたい。市長が,直接監査を批判するということは,その独立性について政治上非常に問題が出てくると思いますね。市民の皆さんから批判を受けるのはいいんですよ。だけど,市長がそれについて言うということは,先ほど申し上げましたけれども,監査事務局というのは,ある意味では市の職員がなっているわけですからね。非常にプレッシャーに感じることもあるんじゃないかと。私は監査委員をした経験からそう申し上げているんで,その辺のことはおわかりになっていると思いますけれども,ぜひ配慮していただきたいなと思います。

 それから,納税貯蓄組合の方ですが,これもちょっと受け取り方があれじゃないかなと私は思うんですが。組合に入っている方が口座振替の比率が高いのがおかしいんじゃないかと言われたんですが,そうじゃないんです。そこに矛盾が出てくるんじゃないかということを私は申し上げているわけですね。で,口座振替する,それを政策的にどんどん進めたらいいんじゃないかと,こう思っております。

 それから,食品リサイクルについては,先ほど経済局長が言っていましたが,時期尚早じゃなくて遅過ぎる,むしろ積極的に進めるべきじゃないかなと思います。教育長の方についても,ちょっとまだ食品リサイクルについての考え方が浅いんじゃないかなと思いますが,時間が参りましたので,この次にまたじっくりやらせていただきます。

◎市長(萩原誠司君) 御苦労さんです。
 答弁に対する誤解のあるような再質問がありましたんで少し申し上げます。
 まず監査についても,私ども市民がというふうに申し上げているはずであります。これが1点ね。市民からの批判というものがないといけない。そのことを申し上げているのを,まあ私自身が批判することも,法律上問題ないんですけれどね。当然でありますけれども……(発言する者あり)それはちょっと言い過ぎじゃないかと私は思います。

 それから,次に,納税貯蓄組合のことについても,矛盾があるなら矛盾を御指摘されたらいいわけで,私どもが申し上げているのは,今は納税貯蓄組合を通じていわゆる口座振替の拡大が行われていると。そのこと自身は悪くないよと言っている。しかしながら,それがある一定程度まで達して,例えば全部が納税貯蓄組合に入り,そして全部が例えば口座振替になってる,これは大きな矛盾かもしれません。一方で,今多くの人が納税貯蓄組合に未加入で,そしてそこで非常に口座振替率が低い。だから新たにそこへ入ってくれというようなことを言うことには余り矛盾がない。納税貯蓄組合に,その方向にちょっとかじを切ってほしいなということを私どもは要請としては申し上げている。新たにふやしてほしい。そこで納税をしてほしいということを申し上げておる。そういうことであるわけであります。

 まあいろいろございますが,食品のリサイクルは大変大切な問題であります。しかしながら,見ておりますと,国の方も法律,ようやくこの形ができただけでありまして,実施面ではまだまだであります。我々としては,国の動向も,本当にどこまでできるかということをよく見た上で対応していかなければいかんなということで,決してさぼっているわけでもありませんし,教育委員会の方でもしっかりとした理解をここ数年持って,リサイクルにも幾つかの実験をしながらやってきているわけであります。市民の方々の前で教育長の理解が薄いとかと言われますと,私も御反論を申し上げる必要がございますんで,以上申し上げます。


2001/6/13

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