1999/03/09

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平成11年 2月定例会-03月09日

国体主会場の費用負担 25億円から50億円へ

県の要求で市民の負担が倍増か?

国体に関して岡山市の負担が倍増になるかもしれません。新市長が、「県との関係改善」を前面に打ち出していて、市の負担についても従来とは違った考え方を取ることを明らかにしているからです。

安宅前市長は「応分の負担」は当然とするものの、これまでの国体の開催県での前例を見るかぎりでは20%、県下での前例では25%という数字をあげていました。最近発表された県営グラウンドの改修費は101億円ということですから、約25億円までという考えでした。

しかし、新市長は「県都としての応分の負担」という言い方をしています。これまでの県の主張は折半、つまり50%ということのようですので、この主張を丸飲みすれば約50億円、倍額を負担するということです。

定例議会で、私は「負担の中身」を明らかにするように質問したのですが、答弁は国の補助や総額が明らかにならないのでという、納得の出来るものではありませんでした。それどころか、新市長派の中心的人物と思われる議員からは、「県が困っているんなら、出してやりゃあいいがな」という野次が飛んでいました。市長の腹は県の要求を呑むということかなと推測しました。

これに限らず、県は財政難を理由に福祉の面での負担を市に押しつけるなど、不当な圧力をかけてきていますので、これを許さない市民の声を集め、それをバックに「市民の立場に立った」姿勢を新市長に求めたいものです。


◆(羽場頼三郎君)  通告に従いまして質問を行いたいと思います。

 まず,第1番ですが,東部クリーンセンターの設備の明細についてお聞きをしたいと思います。

 御存じのように,西大寺五明に建設中の東部クリーンセンターですが,ほかの都市で建設されている同じような施設と比べると非常に安い価格で建設されているということで,私なんかは非常にいいんじゃないかと思うんですが,しかし中には「安いんだから,悪いんじゃないか」と,こういう心配をされる方もいらっしゃる。

 市の説明によれば,一定金額を割った──これ入札の場合ですが──割った場合には低入札価格調査班で調査をする。その結果で,いわゆるダンピングではなくて,納得のいく説明があって,そうした性能を保証された工事ができるという場合であれば,契約をするということで,そういう判断をしたんだから大丈夫だということでございます。心配をする方がちょっとおかしいんじゃないかと,こういうわけなんですが,しかしなぜそうした安くても工事ができるのかということにつきまして直接の説明がないと。

 我々市民は,ある意味ではスポンサーでもありますから,安心して工事の進捗を見守るというわけにはいかないんじゃないかと。特に,近隣の方々の中には心配もありますし,また先だって,これはまあデマだと思うんですが,「市役所の方から人が来て,今回の東部クリーンセンターは非常に安くできとんだけれど,ダイオキシン対策については,ちょっと心配があるけどもこらえてちょうだい」というような,そういう何か話をされたということもありますが,それは私は笑い話じゃないかと思うんです。

 しかし,実は深刻にそれを受けとめとる方もいらっしゃるということで,私はそうした市民の皆さんの不安を生じさせないためにも,この工事についてそれぞれの設備がどういう価格でできたのかといったところまで説明をしていただく,そういう内容の開示をしていただくということが,必要じゃないかと思っております。

 個々の設備といいますと,やはり排ガスの処理の設備──バグフィルターがつくわけですが,また塩化水素の除去装置でありますとか,集じん機とか,さらにはその余熱の利用設備,また焼却灰の溶融固化の設備など,そうした各工事の設備の費用並びに今度はそれの据えつけや組み立てとかやるわけですから,そういう工事の単価について明らかにしていただきたいと思います。

 次は,粗大ごみの戸別収集の実施についてでございます。
 これにつきましては,多くの方から御質問が出ました。平成13年度から踏み切るというようなことも代表質問の中にも出ておりますので,私はこれについては要望にとどめておきたいと思います。ただ,この問題をどうしても取り上げなきゃいけないと思いましたのは,市内各地にありますけれども,不法投棄が大変多いんですね。不法投棄というふうな言い方をしていいのかどうかわかりませんが,粗大ごみのステーションに,ごみを出す日じゃないのにもかかわらず山のように出る,これは本当にちょっと想像を超えるぐらいな物すごい山ができる。また,それを見ていて次から次へとほかの人が持ってくる。だれかが持っていっているからおれもいいんだろうというような,私もいいんだろうというんですか,そういう感じで次から次にふえていく。これをなんとかしなくちゃいけないと,そういう思いでいたんですが,幸いにも市の方がこの戸別収集に取り組むということでございます。

 これにつきましては,実は千葉市の例でもありますけれども,そうした収集をするということで,かえってその間に不法投棄がふえたということもありますので,そのようなことがないように,市民の皆さんにこの趣旨をよく徹底をしていただき理解を十分図っていただくように,そのことをぜひお願いいたしておきます。

 そしてまた,これは同時に手数料を取る,いわゆる有料化になるわけでございますので,その場合にも市民の皆さんが納得をされるような合理的な価格を設定されるように要望しておきたいと思います。

 次に,水路の三方コンクリート化工事の見直しについてでございます。
 これについては私も以前取り上げさせていただきましたし──昨年6月でしたか──浅野議員の方も取り上げておられました。

 最近の新聞報道で,川からメダカがいなくなるんじゃないかというようなことが出ておりました。私もちょっとショックを受けた1人なんですが,私たちが子どものころは,川とか水路とかいえば魚やドジョウや,ヤゴとか,いろんな小動物がいたりして,それこそ遊びの場所になっておりました。ところが,最近はもう違ってきておる。確かに子どもたちがザリガニをとったりしていますけれども,もう何かどぶさらいをしているのか,ザリガニをとっておるのかわからないような状態ですので,本当に安全なのかな,衛生的な面でも心配ですし,非常に水の汚れそのものがひどいなという感じもしますが,それにしても川とか水路というものが以前と違ってきておる。川の,いわゆる自浄作用といったようなものが失われてきている。私はこの辺が非常に心配なんですが,こういったことをなくするためにも,実は三方コンクリート化がその大きな原因と言われておりますので,ぜひ工事の見直しをして,在来の石積みなどの工法を取り入れるというようなことを進めていただきたいと思っているところなんです。

 特に私どもが住んでおります岡南地域においては,地盤の関係でなかなか進まないということもあるようですが,しかし全市的に見れば,清らかな水をぜひ確保していただく,取り戻していただくと,そういうことを進めていただきたいと思いますので,どの程度市の方の体制が進んでいるのか,お聞きしておきたいと思います。

 また,今後につきまして,どういう計画をお持ちなのか,お聞きしておきます。

 次に,総合支所の設置についてでございます。
 総合支所の設置と,そしてまたそれを前提とした地域割りが,場合によっては後戻りをするんじゃないかという心配もありますので,これについてぜひ確認をしておきたいと思います。

 岡山市をほぼ10万ずつの人口で6分割をして,市の行政サービスを均一化するということが目的の一つでありまして,これが条例化をされております。ここに至るまでに大変な論争があったということは,よく私も承知をいたしております。市長が,先日の代表質問におきまして,変更の可能性を示唆したとも取れるような答弁をされておりますので,その辺の真意についてさらにお聞きしたいと思います。

 実は,地域割りそのものがおかしいというのは,これはそういう言われ方をされている場合もありますが,しかしまだ実際に地域割りはあっても,そこに総合支所が置かれているわけじゃないので,私はどういう点で不便が出てくるのかというのは,なかなか難しいと思います。そういうふうに,ただ地域割りの線の引き方がおかしいというのもちょっと納得ができない話です。で,また総合支所構想そのものがだめだということで,行政サービスを公平に行うということがおかしいということであれば,別の方法でやるということになりますので,この辺についてもちょっとお聞きしたいと思います。

 御存じのように,私も地域行政調査特別委員会の委員長をさせていただきまして,この地域割りにつきましては,深くかかわりを持ってまいりました。市民の皆さんの声も直接聞かせていただこうと思いまして,皆さん方の声を聞く機会にも極力出席をさせていただきました。で,この支所の統廃合を含む地域割りというのは,合併以来の懸案でございまして,過去2回つぶれた経緯があるということは,御承知のとおりでございます。まあある意味では今度は3度目の正直というわけでございますので,この3度目の正直が,もし安易に見直されるということになりますと,将来にまたつけを残すということになりますので,この辺のところをぜひどういうふうにお考えなのか,お聞きしたいと思います。

 もう一点お聞きしたいのは,総合支所の設置というのは,岡南地区──私どもが住んでいるところなんですが,ここは本来行政の窓口がほとんどないというところでありまして,そういうところでは設置についての反対の意見はまずない。ですから,私はもし総合支所構想を進めるのであれば,設置に反対のないところから優先的にやるべきじゃないかという考えを持っておりますが,これについてはどうお考えなんでしょうか。

 で,もしもまたそれがなかなかできないということになりますと──きょうもちょっと問題になりましたが,その土地を確保しておかないと,都市化がどんどん進んでおりますから,もう適当な土地がなくなってしまうということになります。こういう場合には土地の先行取得ということも考えていくべきじゃないかと思うわけですが,どうでしょうか。

 先ほど,ちょっと申し上げましたが,総合支所を置かないとすれば,岡南地区のように総合支所がない場合には,今度は逆に現在の合併地区──旧合併地区と言ったらいいかもしれませんが,そういうところに,市役所の支所とか,出先機関とかというものを配置して,バランスをとらなくちゃいけないんじゃないかと思いますけれども,これについての御見解をお聞きしたいと思います。

 さて次に,人工肛門・人工膀胱の患者に対する助成についてお聞きしたいと思います。
 御存じのように,人工肛門・人工膀胱の患者の苦労というのは,なかなか大変なものでございます。したがって,その装具に補助が与えられておりますのは御存じのことと思います。しかし,手術をする場所──手術の部位──によってこの助成が受けられない場合がある。また,手術をしても直ちに障害者手帳が交付されない場合がありますので,その場合にはその期間──待機の期間と言うんでしょうか,その期間この助成の対象から外されております。

 障害者手帳がないからといって障害がないわけじゃありません。その患者の苦労,また経済的な負担というものが軽くなるわけでも,もちろんありません。そういった谷間にある患者の方々を救うという制度をぜひ創設するべきじゃないかと思います。これを実施している自治体もあるやに聞いておりますが,市の方では,これを実施する,しないについて調査をされているのかどうかお聞きします。

 また,岡山市においては,こういった制度を取り入れる考え方はございませんか。これもお聞きしたいと思います。

 次に,産廃業者に対する指導についてであります。
 産廃の業者がいろんなところで問題になる。最近本当に大きな話では,香川県に属しますが,実は岡山県に非常に近い豊島で業者が許可を受けた。受けているけれど,その許可とはおよそほど遠い処理方法──処理とは言えない,ただの山積みしているだけですから。そういうことをやりまして,全国的な問題にもなっておりますが,この原因を考えてみれば,その業者に一度許可を与えて,与えっ放しになっていたんじゃないかというふうな指摘もあるわけです。また,指導に行きましても,その指導が非常に徹底をされなかった,こういうことがあったのじゃないかと。我が岡山市においても,それに近いことがありますと,豊島の二の舞になりかねません。業者の中には,もう許可を受ければ後は勝手だというような意識の者もいるやに聞いておりますので,この辺,岡山市の姿勢として許可を与えた後はどうしているのか,定期的に立入検査などをしているのかということをお聞きしておきたいと思います。どれくらいの件数をやっているのか,またどれくらいの頻度でそうした検査をしているのかということをお聞きしたいと思います。

 また,検査の際に具体的なチェックはどういうことをやっておられるのか。そしてそのチェックの際に不適切な場合が見つかったというときには,どういう指導をされているのか,改善命令というところまでいっているのかどうか,お聞きしたいと思います。

 次に,岡山型農業の育成についてお聞きしたいと思います。
 この「岡山型の農業」ということばは,私の造語でございまして,きょうは農業のことにつきまして,先輩方がいろいろお聞きになっておられました。また,私の後にもいろんな角度から農業問題に触れられておりますので,私なりの農業についての考え方の一端を述べさせていただいて質問したいと思います。

 今まで農業といいますと,やはり先進農業地ということで,先ほどの先輩の太田稔議員もアメリカの方にそれを学びに行かれた。私も直接お話をお聞きしたことがございますが,アメリカ型の──いわゆる粗放型といいますか,大型農業というものが農業のこれからの生き道のように言われておりました。私は,ちょっと最近違ってきておるんじゃないかなという気がいたします。それは,農業というものがこの地球上の環境の中に存在する一つの生き物を育てていって,そしてその命を我々がいただくという営みの中で考えてみるべきじゃないかなと思っております。そうした生産物にしても,生産物がイコール商品,こう言ってしまえば,私は農業じゃないようなちょっと気がしてくるんです。そうであるにしても,岡山でとれる農産物は極力岡山で消費をする,岡山の中で循環をしていくようなやり方,考え方というものができないだろうか。

 私も,実はこの場でも何度か遺伝子組換え食品について質問をさせていただきました。この遺伝子組換え食品が生まれたもとを考えてみますと,大型農業でどんどん農作物をつくるときに,例えば農薬が必要だったら農薬をかける。その農薬で農作物がやられちゃいけないので,農薬に強い作物を無理やりでもつくろうというか,私に言わせれば自然の摂理に反してつくってしまうとか,そういうことから遺伝子組換え食品が生まれてきた。以前も申し上げましたけれども,遺伝子組換えによってできたえさをラットに与えると,免疫が後退したという研究の報告もございます──これはイギリスの研究所ですが。また,遺伝子組換えのものだと,その交雑によって自然界に存在しないようなものが出てきて,生態系を狂わせるんじゃないかという心配もされております。

 そうした心配のないようにするには,遠くから食糧を輸入するところに大きな原因があるわけですから,岡山でできた農産物を極力岡山の我々が消費をする。そのためには,例えば岡山型の品種というものがございますから,そういう品種を使っていただき,生産量の調整もある程度していただく。もちろん,農薬は極力使わない,有機肥料を使うと。有機肥料も,岡山の中で出てくる廃棄物の再利用によってコンポスト化したものを使うといったことで,岡山型の農業を育てていく。

 そのために,例えば農家の所得がなかなか上がらないということであれば,所得の保障も総合的に考えていく。岡山市でとれた野菜──それ以外の農産物についてもそうですが,そういうものを岡山で消費するという考え方を取り入れた農業政策がとれないだろうかということを,ひとつお聞きしておきたいと思います。

 費用が少々高くても,安全なものを求めるという傾向があるということは,この議会でも言われておりました。そうした傾向から見ても,生産者ももちろん安心して生産ができる。消費者も安心して食べ物を口にすることができる。そういう岡山市をぜひ実現したいという願いを持っておりますので,このことについてのお考えをお聞きしたいと思います。

 さて,最後になりました。国体主会場の「応分の負担」の中身でございます。
 この件につきましては,もう代表質問でも議論がございました。市長が県都としての「応分の負担」という言い方をされました。これまでもやはり同じように「応分の負担」という言い方をされておりましたが,こうした言葉の使い方をされたことによって中身が変わったのじゃないかというふうな見方もありますので,この中身につきまして明らかにしていただきたいと思います。

 これまで,「応分の負担」につきましては,はっきりとした数字ではないんですが,かつて20%ぐらいが適当じゃないかとかいう数字も,数値として挙げられたこともあります。また,25%ぐらいが限度じゃないかというようなことが,委員会でもたしか出たような記憶がございます。しかし,これに対して,県の方が50%という負担を求めているというふうにも私は聞き及んでおりますので,その差がかなりあります。もし,20%だとしたら30%の差,25%だったら25%の差がありますが,その差を詰めようとしているのかどうなのか,ちょっと心配をするわけです。

 ただ,市が譲歩すれば,もちろん話が早く決まります。しかし,市が譲歩するというのは負担部分を多くするということですから,そういう意味では,岡山市民の負担をふやすということになってしまいます。市民の負担をふやすということになりましたら,これはまた市長に対する批判も出てくるかもしれません。恐らくそうならないように,じゃあどういう形でとか,またどういう理由で,この負担をある程度するのかということを明らかにしていただければ,なるほどそうかなということになるかと思いますので,ここら辺をぜひ明らかにしていきたいなと思います。

 特に,やはりどういう交渉の経過でそうしたことになるのかということを明らかにしていただければいいのじゃないかと思いますが,交渉の経過ですから,途中はなかなか明らかにできないということがあるかも知れません。しかし,いずれかの時点では,この交渉の経過を明らかにして,これこれこういう交渉の経過があり,向こうからこういう話もあり,こちらも最終的にはこういう理由でこういう負担になったんだということをぜひ説明をしていただきたい。そういうことをぜひしていただけるだろうと期待をしているわけですが,そのことをお聞きしたいと思います。
 以上で1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)

◎市長(萩原誠司君) それでは,羽場議員の質問の中で,特に私の方からこれはすばらしい問いだと思った論点がございましたんで,お答えをしたいと思うわけでございます。

 水路,あるいは河川の三方コンクリート工法があるわけでございますが,それの見直しということです。同じ県北の出身として,やはり河川の美しさ,そういったものの重要性をよく御案内ということでもあるわけでございますが,これは2つに分けて申し上げますと,川と水路は扱いが違うということでございます。

 まず,岡山市の場合は御案内のように,農業を基盤とする分野も非常に多いわけで,これは先生御指摘のとおり農業をちゃんとやっていかにゃいかんと,その基盤としての大切な水というものを守っていくという観点もあるわけでございます。農水について三方コンクリートというのは,それはそれなりに進んでいる。そして,その改修の際には,実は御指摘の石積み工法などというのが建設費でいいますと,単位当たり約2倍から3倍のコストがかかる。加えて,その後水利組合等における維持管理が非常に大変になるという問題を持っておるんで,そういうことから三方コンクリートが主流になっている。そういうわけでございますが,ただ市内を見てまいりますと,メダカという議論はまだないんでございますけれども,アユモドキなどの保護というものが必要とされております。

 そういう認識のもとで祇園用水路という,そういう限られた場所で平成6年から現在までの間に,約850メートルほどの施工が行われているという状況でございます。そして,今申し上げたのは,水路としての保水性,あるいはさらに言うと道路が近接にあるもんですから,工法的に大変とかという用水の問題や,あるいはコスト,そして環境保全の必要性と,この4者をよく考えた上で地元及び水利関係者の理解が得られた場合には,今後も農業用水としての機能も重視しながら,自然環境に一層配慮した工法をとるというのが妥当な方向であろうと思います。今後の計画については,個別案件の出方を待つという状況であります。

 それから一方,河川につきましては,これは状況が相当違っております。もともと河川というのは川でございますから自然の一部ということで,その中における自然の必要性,生き物たちのそもそもの生活の場である等,あるいはさらに言って豊かな情操をはぐくむという意味,そんな幅広い価値が河川にはございます。また,河川管理自身も別途の河川管理者が行っているという状況などにも配慮し,さらに現在国の方でも自然環境や水辺の景観に配慮しながら,市民に親しまれる,ちゃんとしたそういう川づくりをしようという考えもあり,当市としても同じような考え方で頑張っております。

 例えば,市内におきまして旭川,吉井川の一部での巨石張りとか,吉宗川,磯尾谷川,室山川などで自然石護岸などをやりまして,その中でホタルや魚巣のブロックをやってみるとかということで,生態系に配慮した河川整備が相当進んでおるわけです。そして,その効果もあらわれておりまして,幾つかの地元の方でまさにホタルが舞うということが復活したということで非常に好感が持たれている,そういう例もあるわけでございます。

 さらに,いわゆる災害の復旧事業においても,平成10年度から自然環境の保全というものをちゃんと配慮した上で,自然的な復旧工法をやるという方向で,そして自然石護岸で申請しろということで申請をして,採択がなされているということでございます。

 川につきましては,今後とも国・県の支援をきちっといただいた上で,地域特性を生かしながら御指摘のような自然環境,あるいは水辺の景観に徹底的に配慮した川の整備ということを進めていきたいと考えております。

 以上でございます。
 その他の答弁につきましては,関係当局の方からお答えをさせていただきます。ありがとうございます。

◎助役(菱川公資君) 国体主会場に関連をいたしまして,県都としての「応分の負担」ということの御指摘でございます。

 県都ということになりますと,一定の発言力というんですか,影響力の担保をしながら,やはり県都としての責任と役割を果たしていくというふうな姿勢を示すものと考えています。

 そういう中で,県も市も負担の割合につきましては,県も市も負担がともに比較的軽いというんですか,お互いに少なくなる方法を今検討いたしておるところであります。そういう中で,事務段階でも県と率直な話し合いができる関係づくりが整いつつありますので,双方の立場,役割を十分に認識をいたしまして,協議を続けてまいりたいというふうに考えております。

 また,交渉の経過につきましては,節目節目におきまして,必要に応じて明らかにしてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◎保健福祉局長(角田誠君) 人工肛門患者に対する助成について,国の制度では救えない市民について助成している自治体の調査をしているか,また実施する考えはないかとのお尋ねでございます。

 膀胱腫瘍,直腸腫瘍などにより,人工膀胱,人工肛門を造設した場合は,その造設口からの排泄に要する装具を装着いたしますが,国の補助制度で補装具として交付されております。
 しかし,補装具の交付対象者は,議員御指摘のように身体障害者手帳の交付を受けている者となっており,下行・S状結腸の人工肛門造設者は手帳が交付されない場合があり,この場合は補装具としての補助制度がない現状でございます。

 このような手帳交付の対象とならない方に対して,東京都では助成制度があることは認識いたしております。市が単独事業として実施するか否かにつきましては,実情把握や制度としての要望の可能性,他の補装具の扱いとの整合性といった課題もございますので,今後慎重に判断しなければならないものと考えておるところでございます。
 以上でございます。

◎環境事業局長(大橋貢君) 東部クリーンセンターは安いんだから悪いんじゃないか。特にダイオキシンという環境汚染物質についての対策はというお尋ね。もう一つは,設備の工事単価を明示してもらいたいというお尋ねでございます。

 ダイオキシン対策については,住民の健康を守る上で極めて重要であると認識いたしております。そのため,東部クリーンセンターごみ焼却施設建設工事の発注に当たっては,厚生省の「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」に示された,ダイオキシンの排出基準を保証値とした性能発注としているところであります。

 なお,東部クリーンセンターに係る各種設備の工事単価についてでありますが,これは「岡山市情報公開条例及び個人情報保護に関する条例」第7条第2号の法人情報に該当するものであり,法人の事業活動に関する情報については,従来から一定の配慮がなされており,公表しない扱いとなっておりますので御理解いただきたいと思います。

 それから,産廃の関係で,定期的に立入検査をしているか,件数や頻度はというお尋ねでございます。

 本市には産業廃棄物処分業の許可を有する事業場が約60カ所,産業廃棄物処理施設が約80施設あります。これらの事業場や処理施設,さらには排出事業者に対しては,廃棄物処理法第19条に基づき定期的あるいは必要に応じて立入検査等を実施いたしております。その実績件数等については,平成9年度は延べ348回,10年度も同程度の立入検査を実施いたしております。今後も処理業者はもとより排出事業者の立入検査等,監視・指導をさらに強化してまいる考えでございます。

 同じく産廃の関係で,具体的にどのようなチェックをしているかというお尋ねでございます。
 立入検査の具体的な内容としましては,排出水や産業廃棄物の分析等の行政検査,取り扱う産業廃棄物の種類やマニフェストの確認,処理施設の維持管理基準や構造基準の遵守状況等であります。

 なお,不正行為等に対しては,法的措置を含めて厳正に対処していく所存でございます。
 以上でございます。

◎経済局長(松本輝夫君) 岡山市でとれた野菜や果物は岡山市で消費するという原則を明確にしてはどうかという御質問にお答えいたします。

 市内で生産された農産物は,全国に向けて販売する中で,市民にも食べていただきたいと考えております。現在の生産流通システムの中では,品種の指定や生産量の調整は困難であります。

 本市としては,交通の拠点性を生かして全国に販路を拡大する中で,市民にも安全で良質な農産物の供給ができるよう,市内の産地の生産基盤を整備するなど,その育成に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

◎参与(沼資一君) 総合支所の問題につきましては,既に各会派の代表質問に対する答弁の中で,市長から慎重に方針を決めてまいる旨の答弁がなされております。

 今後,できるだけ早い時期にどうするかを取りまとめてまいりたいと考えておりますが,その中で議員御指摘の点につきましても検討してまいりたいと考えております。(「さっき頻度も言われましたかねえ,環境事業局長」と呼ぶ者あり)

◎環境事業局長(大橋貢君) 平成9年度は延べ348回検査をやっていまして,10年度も同等の立入検査を実施しておるところでございます。

◆(羽場頼三郎君) さきに環境事業局長,その頻度というのは何回やったかというんじゃなくて,例えば1年に1回するとか,2年に1回するとか,そのことをお聞きしているんでね。私の聞き方が悪かったと言われればそれまでかもしれませんが。だから,許可を出した後どういうふうに,例えば少なくとも6カ月に1回するのか,1年に1回立入検査をするのか,その辺のことをお聞きしているわけです。もし,それがわかりましたらお答えをいただきたいと思います。

 それから,東部クリーンセンターの単価ですけれども,この単価が法人情報というのに当たるのかどうか。さっきも申し上げましたけれども,その単価はどうなっておるか,それによってある程度こちらも納得するわけですから,我々が納得をする説明をするためには,単価もぜひ明らかにしていただかなくちゃいけないんじゃないかと思います。

 言うまでもありませんが,環境事業局長,市長は情報公開を今度全面的に打ち出されているわけでございますし,聞かれる前にちゃんと出した方がいいんじゃないかと,こういうふうに言われているわけですから,そのお考えに沿って環境事業局の方としても,こういったものは情報として開示をしていただいても別に問題がないんじゃないかと思います。その意味でもう一度お答えをいただきたいと思います。

 それから,河川・水路の件はよくわかりました。ぜひその方向で進めていただきたいと思います。

 それから,国体の主会場の問題で,先ほど助役が,私にとってはちょっと気になることを言われたので,その辺の真意を聞きたいなと思います。「率直に話ができる環境ができた」と言われたんですが,じゃこれまでは率直に話ができる環境ではなかったのかということになります。私は県・市の実務担当者が今までちゃんと話をされていたとお聞きしていましたので,その中で率直に話ができる環境になかったとなれば,非常に問題だと思います。この辺の真意をぜひお聞かせ願いたい。もしそうであれば,何が率直にお話ができる環境ではなかったのか,ここら辺をぜひ明らかにしていただきたいなと思います。

 それから,総合支所の問題で,私が指摘したような問題はただいま検討中だということでございましたけれども,私には地域割りそのものに問題があったというふうにも聞こえましたし,例えば総合支所の個数の問題も確か言われたと思いますけれど,総合支所構想そのものに問題があるというふうに言われたのか,その辺のところをお聞きしたいわけです。だから,私の質問にはその意味じゃお答えができるんじゃないかと思います。

 そしてまた,総合支所をもし置かないとすれば,以前のようなことに戻りますので,このことについても私はお答えが可能じゃないかと思いますので,その辺をぜひ再質問したいと思います。
 よろしくお願いいたします。

◎助役(菱川公資君) 率直に話し合うというのは,今までにも率直に話し合ってはおったわけでございますけれども,まあどう言うんですか……,(「どう言ういうて,質問に言やあええんじゃ」と呼ぶ者あり,笑声)そういう空気はあったのでございますけれど,空気というか取り巻く環境というかそういうもので,担当の職員につきましても,非常に話の場というんですか,けんけんがくがくとやる場がふえたということを申し上げておるわけです。(「ええ答弁じゃ,ようわかった」と呼ぶ者あり)

◎環境事業局長(大橋貢君) 頻度の件でございますが,最低年1回以上は必ず現地へ出ていくということで対応しております。

 それから,情報公開の関係ですが,従来から一定の配慮がされておりまして,公表しないということで行っておりますので,御理解いただきたいと思います。(「なんのために言うたんじゃろう」と呼ぶ者あり)

◎参与(沼資一君) 総合支所の関係の再質問ですが,この本会議の中で区域割条例は既に定められておりますと,決まったことは決まったことだと。その後については慎重に検討してまいるという答弁をしておりますので,それに従ってやってまいりたいと思います。

 岡南地区の問題につきましても,その中でやっぱり検討していかざるを得ないと,そういうように思っております。(笑声)

◎環境事業局長(大橋貢君) 情報公開に関しましては,条例に基づいてやっておりまして,前にも申し上げましたように,従来から一定の配慮がされておりますので,公表しないということで御理解をいただきたいと思います。

◆(羽場頼三郎君) 済みません,取り方によるのかもしれませんが,私にはどうもわかりにくいお答えだったので,再々質問をさせていただきます。

 今回の市長の答弁をお聞きしていますと,非常に歯切れのいいといいますかわかりやすい答弁をされているので,ぜひ当局の方々も歯切れのいい答弁をしていただきたいなと,こう思うわけです。

 その意味で,先ほど総合支所の問題を言われましたが,これは私が再質問をした趣旨というのがちょっと伝わらなかったんじゃないかなと思います。別に私は岡南地区にこだわっているわけじゃないですけれど,岡山市全域を見渡して,そうした行政サービスがいかに公平に行われるかということを根底に置いて物事を進めていただきたい。このことをそういう決意で進められるのかということだけはお聞きしておきたいと思います。

 それから,東部クリーンセンターの明細ですが,これはもちろん条例にあるのはわからなくはないんですが,しかしそれではなぜできないのかということの説明が必要なんですよ。どういう理由があってこの件については公開ができないのか。本来公開をする,市民から求められる前に公開するという,そういう姿勢で岡山市は行こうとしているわけですから。にもかかわらず,その辺が公開できないということになれば,どういう理由で,どういう不利益がだれに生じるから公開ができないか,こういうことを明確にしていただかないといけない。

 私は英語に強くないんでアカウンタビリティーというんでしょうか,説明責任というんでしょうか,これが私は今の行政には求められていると。このことは,私は実は市長と共通じゃないかと思いますので,その共通の考え方に立って説明をしていただきたいと,このようにお願いをいたしまして再々質問を終わらせていただきます。(拍手)

◎市長(萩原誠司君) それでは,御答弁を申し上げます。
 総合支所の問題について,行政サービスを平等にという趣旨が根底にあるのではないかと。それはそのとおりだと一般的には言えると思いますが,一方で総合支所問題にまつわって,むしろ行政サービスの平等性が時間・距離の問題ですとか,あそこへほんまに行かにゃいかんのかというような問題で,不平等感を拡大するというような見方があったということもまた事実であるわけでございます。そこに最も大きな問題があったというふうな指摘が市内の随所であったということがあるもんですから,それは御指摘があればこそ,かえって慎重にということにもなるというふうに私は考えております。

 いずれにしても,条例で決まった6分割そのものを否定しているというわけでもないのでございまして,いかにしたらこの問題を,市民の方々が選挙を通じて提示された幾つかの論点,あるいは今後の情報化,道路基盤整備,交通網の整備の中でそういった平等性に関する基盤がいかにできていくかとか,コスト問題も含めてしっかり考えてみる時間をいただきたいというふうに申し上げているわけでございます。市民にとっての行政サービスがローコストでよいもの,つまりコスト・ベネフィットのいいものというのは,この分野においても同じじゃないかというふうに判断をしておる次第でございます。

 それから,情報公開につきましては,私が引き継いだ話といたしましては,情報公開条例の第7条第2項の柱書き上,本件については当該法人等の競争上の地位その他正当な利益が損なわれるおそれがあるということで,最前から除外されてきたということでございます。
 以上でございます。


1999/03/09

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