1998/12/08

戻る会議録目次


平成10年11月定例会-12月08日

職員採用から国籍条項の撤廃・産廃問題・遺伝子組み替え食品


 定例一二月市議会での私の質問の要旨をまとめてみました。成果として最大のものは、「職員採用から国籍条項の撤廃」でした。初当選以来、この問題に取り組んできてやっとここまで来ました。どんなことでもそうかもしれませんが、あきらめずに主張してきて良かったと思っています。来年度こそ、在日の朝鮮・韓国の若い人は採用試験への挑戦をしてもらいたいものです。

□羽場頼三郎 自治大臣の談話もあり、地方で自主的な判断が出来る状況でもあるので、市の職員採用から国籍条項をはずす時期に来ているのではないか。

■安宅市長 来年度の試験からそうしたい。

□羽場 公権力の行使や公の意思形成を広く解すれば意義が薄いが。

■市長 撤廃した趣旨から限定的に解する。(この答弁は撤廃の意味を実質的に保障するものとして意味が大きい)

※この件で、明快な決断をした安宅さんに高い評価を与えたいと思います。国や県に押し流されない、自治を進める市長です。でも、こんな市長だからこそ嫌なんでしょうね、利権や腐敗の中で生きている人達は。

□羽場 吉永町の産廃問題は、岡山市にとって吉井川の上流のことであり、水道の水源にあたる以上、県の不許可の判断を支持するべきではないか。

■当局 その意見はもっとも。水源については無関心でいられない。

□羽場 西川アイプラザで「スケボー禁止」をするだけでなく、福山市にならって岡山市もスケートボードができる公園を整備するべきではないか。

■当局 公園のリニューアルの機会に整備を考えたい。  

遺伝子組み替え食品の安全性などについて

□羽場 公園の名称が、新福にあるのに福富北公園となっていたり、浜野公園となったりしているのはおかしいので、変更すべきではないか。

■当局 地元の了解の上で進めたい。

□羽場 遺伝子組み替え食品については、免疫力の低下などが報告されている。その安全性が確認されるまでは市の給食で使わないなどの方針を取るべきではないか。

■当局 何に使われているのか分からないので、使用の制限は難しい。

□羽場 メーカーによっては、遺伝子組み替え食品でないものを使っていることを公表している。そうしたメーカーの製品を使うことが、食物の安全性を利用者自らが追求することになるのではないか。

■当局 研究してみたい。

□羽場 違法駐車防止条例では、どのような内容を主に考えているのか。

■当局 地域を定めて指導員を置くなど、ソフトな違法駐車排除を考えている。


◆(羽場頼三郎君)  それでは,午後一番で質問をさせていただきたいと思います。

 せんだって,イギリス滞在中のチリの元大統領ピノチェト氏の逮捕,身柄引き渡しについて,イギリスの最高裁に当たります上院が逮捕の許諾,つまりそれが正当だという判断を示しました。ピノチェトといえば,民主的に成立した政権を武力で奪取し,大量の虐殺をし,人権というか人類に対する罪で問われている人なんです。いまだに3,000人以上の方が行方不明と言われておりまして,その罪は人間に対する罪だということを指摘されております。私も人権と国境との関係についてちょっと考えさせられた問題でございました。

 さて,そろそろ就職の季節というか,もう既に始まっていると思いますが,来年どこを受けようかとかと言っている卒業予定者も多いかと思います。岡山市の方も来年また新しい方を採用するわけですが,そうした職員採用に当たりまして,特に一般事務職に外国籍の方の受験を認めないという国籍条項が問題とされてきました。これについては,ごく最近各地方自治体でいろんな動きがございました。11月に入りましても,大阪府がやはり職員採用で国籍条項を撤廃するということが報道されておりました。その前にも大阪市など,全国各県,また市町村で国籍条項の撤廃が公表されております。

 これを考えてみますと,以前,私もこの議席を与えていただきまして,たしか最初の議会じゃなかったかと思いますが,この問題について,ぜひ岡山市も積極的に国籍条項を外したらどうかということで質問をさせていただきました。その際に,私も今思えばちょっと冷や汗が出る思いがするんですが,市長に対してですね,自治省のお役人の見解じゃなくて,市長としての見解を問うというようなことを言わせていただいたりして,今思えば本当に若げの至りだったと思いますが。

 しかし,御存じのように,自治大臣白川さんが今までの自治省の見解を変えまして,変えましてというか姿勢を変えられた。それまで公権力の行使や国家意思の形成に携わる公務員となるには日本の国籍が必要だと,こういう内閣の法制局の見解がございましたが,それを使ってですね,自治体の職員採用についても「当然の法理」であるという言い方をされておりました。

 しかし,白川さんが基本的には自治体の裁量にゆだねるということを言われました。その意味で,各自治体は国の縛りが取れたというふうに言えるのじゃないかと思います。

 以前から,この国籍条項の撤廃に積極的だったのが,高知県の橋本大二郎知事。そういえばお母様がお亡くなりになったということで,御愁傷さまと申し上げたいと思います。きょうは楠木副議長の父上の御葬儀もございまして,本当に不幸に対して哀惜の念をささげたいと思います。

 その橋本さんが高知県でそうした方向を明らかにされた。神戸市とか神奈川県とか横浜市とか,もうここら辺が既に完全撤廃をされている。その意味で,岡山市もぜひこの国籍条項を撤廃して,人権的にも先進都市と言えるような,先進都市の仲間入りをしたらどうかと思っているところです。

 なぜこの国籍条項が必要かということにつきましては,先ほどもちょっと申し上げましたが,法律の明文の根拠はございません。明文の根拠がないのに,そういう意味で人権を狭めるというのは,これは法治主義にも私は反するのじゃないかと。日本は,まあ法治国家である。その大原則を貫くのであれば,この際そうした制限,くびきから解放されるときが来ているのじゃないかと思っているところです。

 特に外国人,その中でも在日の韓国人や朝鮮人の方が,公務員の職につきたいという希望が多いというふうにお聞きしております。私はそういった方々の立場に立って考えてみると。確かに出自は,そういった外国であるかもしれない。しかし,現在はこの岡山という町に生活の本拠を置いて住んでらっしゃる。まあ一世の方はともかくとして,もう二世,三世はずっと岡山で生まれて岡山で育っている。その意味では,確かに故国への思いというものがあるかもしれないけれども,同時にそれ以上に岡山市に対する愛着というものもある。同じ住民としておつき合いをしている。その皆さん方がなぜ普通の住民と同じように扱われないのかと,そういう思いを持たれているんじゃないかと推察をしているところです。

 これは職業安定法の第3条に「何人も,人種,国籍,信条,性別,社会的身分,門地,従前の職業,労働組合の組合員であること等を理由として,職業紹介,職業指導等について,差別的取扱を受けることがない。」という規定があります。

 また,労働基準法でも同じように「使用者は,労働者の国籍,信条又は社会的身分を理由として,賃金,労働時間その他の労働条件について,差別的取扱をしてはならない。」──これは第3条ですけれども,こういうふうにあるわけですね。

 これらはすべて憲法の第14条の「すべて国民は,法の下に平等であつて,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。」という平等の規定とか,また第22条にあります「何人も,公共の福祉に反しない限り,居住,移転及び職業選択の自由を有する。」,こういう規定を受けて定められたものだと思います。

 民間企業に対して雇用の差別撤廃ということを言われておりますが,その模範となるべき地方自治体が,職員採用に当たって国籍による差別をするということは,私は許されないと思うところです。市長はどのようにお考えなのか,お聞きしたいと思います。

 最近,読売新聞の方で調査をされておりまして──4月に調査をされているようですが,そうした国籍条項の撤廃についてどうかという調査によりますと,54%の方がそれでよろしいということを示されております。

 こうして,以前から国籍条項の撤廃については,私のみならずいろんな方がこの議会でも質問その他で市の方にこの転換を求めておりまして,それにこたえて幾つかの職種については撤廃をしてこられました。その努力は非常に評価したいと思いますが,しかしここまで来ればもう完全撤廃,こういうことに踏み切るべきではないかと思います。

 考えてみれば,岡山市の職員というのはこの岡山市のために仕事をするわけですから,その意味では情熱と能力を基準に採用をすればいい。一番の基本に戻ればいいのじゃないかと思います。来年度,岡山市の職員を目指すのは,なかなか最近はレベルが高くなって,難しいんだそうです。しかし,岡山市の職員として,市民のために働きたいということを願っている若者に,ぜひ勇気を与えていただきたいと思いますので,これにつきましての答弁をお願いしたいと思います。

 さて,その次は公園についてお聞きしたいと思います。
 実は,この公園につきましては「スケボーパーク」というふうに書いてありますので,「スケボー」といってもわからない方がいらっしゃるかもしれませんが,実はスケートボードのことなんですね。スケートボードの現物を持ってこようと思ったんですが,きょうはちょっと持ってこれませんでした。また別の機会に御紹介したいと思いますが,まあ言ってみればスキーのような板の下に車がついておりまして,これに乗って遊ぶというものなんですが,そのスケートボード。

 西川のアイプラザの前でこのスケートボードがかなりはやっているということは御存じの方も多いんじゃないかと思います。アメリカを初め各国で,特に若者を中心としてはやっているスポーツで,バランス感覚を必要としているもんですから,かなり練習をしないと乗りこなせないという,そんな私なんかとてもできないんじゃないかと思うんですが,そういうスポーツです。

 その西川アイプラザの前の広場では禁止をしているわけです。なぜ禁止をされているのかということを一応お聞きしたいと思いますが,禁止をするには禁止をするだけの理由があると思うんです。しかし,禁止をしたからといって,なくなっているわけじゃない。現に先日も行ってまいりましたけれども,かなりの人数の方がスケボーをやっている。

 私は単に禁止するだけではいけないんじゃないかと思っております。それはですね,まず第一にはスケボーを楽しむのも市民でありますから,その市民の楽しみを単純に奪うということもどうかと。それから,もう一つは,これは問題だと思うんですが,禁止をしても結局同じようにやっているということは,ルールを守っても守らなくても同じだというか,そういうルールに対する意識といいますか,そういうものが蔓延をしてくるんじゃないか。若者の中に禁止事項なんか守らなくてもよいという風潮が生まれてしまう。そういうことにさせないようにするには,また我々の方もそれなりの努力をしていく必要があるのではないかと思います。

 そうしたルール無視の風潮というものが広がってしまうんじゃないかと思いますので,この辺の教育的マイナスの意味が出てくるんじゃないかと思いますが,これにつきましては教育長の見解もお聞きしたいと思います。

 さて,私もそのアイプラザで遊んでいる若者に直接聞いてみました。禁止をされていることを知っているかと聞いたわけですが,当然知っていると。知っているけれども,とくにほかでやれるような場所がない。道路は危ないし,それから舗装していて,それこそだれにも文句を言われないところはないことはないんですけれど,それは相当離れている。そういうことですから,私が,もしこのスケボーができるような場所がほかにできたらそちらでやりますかと聞きましたら,もちろんやりますと,こういうふうにこたえておりました。

 私もただ気にするだけじゃなくて,そういったものをぜひつくることも必要じゃないかと改めて思ったわけですが,同じようなものが近隣にないのかということをちょっと聞いてみました。そしたら,広島県の福山市にあるということをお聞きしましたので,福山市まで行ってまいりました。福山市でいろいろ事情をお聞きしますと,岡山市とよく似ているんです。

 福山市の美術館の前の広場でやはりスケボーがはやっていると。しかし,美術館の前は人通りの面からしても,いろんな意味でも非常に困るというので禁止をした。禁止をしてもなかなかやまらない。そこで,福山市内に蔵王公園というところがあるんですが,そこの中にスケボー専用の場所をつくった。つくってどうなのかということがありましたので,その現地にも行ってまいりました。そこでは,まだ平日の昼間でしたから余りおられませんでしたけれども,4人ぐらいがやっていて,その方々にも話を聞きました。やはりこういった場所があるのは非常にありがたいし,それからせっかくの場所だから,自主的な管理というのはおかしいんですが,道具とか,それからこういう斜めの台を行ったり来たりするんですが,そういうのも自分でベニヤでつくって置いているというようなことを言っておられました。

 日曜日とか休日になりますと数十人集まって,かなりの混雑になる。かなりの混雑になると,勝手にやったら危ないので,お互いに話をして順序を決めたりして今度はやっているというようなことを言われておりました。

 そうした自主的管理がやはり若者でも最近はできるんだなあという意味で,これは意を強くしたわけです。ぜひこの岡山でもそういうことを考えられたらどうかとお聞きしたいと思います。

 それから第2点目,公園の名称ですけれども,これは以前にも問題になったことがあるかもしれませんが,例えば新福というところに公園が2つあります。その公園の一つは「浜野公園」といい,もう一つは「福富北公園」というんです。たしかに「浜野」というのはこの新福の,すぐそばにはあるんですけれども,住居表示は違うと。また,「福富北公園」というのも,「福富」という地名からは全然外れています。あのバイパスが通っておりますから,違います。

 こういうふうに,住居表示とその公園がある場所が違っているような場合には,もうこれは直したらいいんじゃないのか。なかなか直っていないようなんですが,その辺はなぜなのか。直すことがなかなか困難であるということであれば,その理由についてお聞きしたいと思います。

 次に,水源の安全性についてお聞きしたいと思います。
 岡山市の水源は旭川と吉井川なんですが,その吉井川の支流に金剛川というのがございます。その金剛川のさらに上流に当たりますのが和気郡の吉永町です。そこには,八塔寺川ダムというのがございまして,その八塔寺川ダムに注いでいるのが八塔寺川です。その八塔寺川の上流に,例の産業廃棄物の処分場が今計画をされている。まあ言ってみれば,岡山市の水道水源に当たるところに今度産業廃棄物の計画がなされているということでございまして,この吉永町の実情についてお聞きしたいということがございまして,ちょうど現地を見させていただく機会がありましたので,その報告も兼ねてお話をさせていただきたいと思います。

 処分場の予定地は1カ所だけじゃないんです。もし今問題になっているところが認められれば,さらにそのすぐ奥とかすぐそばとか,何カ所かもう予定をされている。現在は「スリーエー」という会社が土地を買っていて,大体面積が7万平方メートル,容積にすると140万立方メートルの計画をしているわけですが,これには御存じのように町民のほとんどが反対の意思を明らかにされております。住民投票を行いまして,3,773票対68票で,投票した方の97.95%が反対をされた。有権者の89.7%に当たるそうですが,そのように町内では圧倒的な反対です。

 これを受けて,県の方で実は判断を示されました。もう御存じのことと思いますけれども,県は不許可ということです。そこで不許可の理由というものが,これが大事だと思います。

 この不許可の理由は,具体的にはこういうことを言っているんですね。1,その処分場は,その直下流を初め下流部分に水道水源などがある特別な位置にあり,かつ埋立容量,処理水量が大きく,しかも直下流は時期によっては流量が少ないために,処分場の処理水が排出される下流河川の環境基準値や水道水基準値を長期的,安定的に維持することは困難である。2,浸出水調整池の遮水構造が不十分であり,亀裂,コンクリート腐食による漏水のおそれがある。3,処分場内における災害防止対策として,地下水の監視及び汚染防止措置は,地下水の流動などが明らかでなく,当処分場が水道水源などに近い特別な状況下にあることを前提とすると,十分なものとは言えず,地下水などを汚染するおそれがあるというふうに言われております。

 この県の見解というものにつきまして,市としてはどういうふうにお考えになっているのか,お聞きしたいと思います。

 水道水源を守るという意味では,私はこの県の判断というのは非常に妥当なものだと思います。間違って,私がよく県のことを何でも批判するように思われている向きもあるんですが,私はこういうちゃんといい判断をしたときにはいい判断をするというふうに言っておりますので,誤解がないようにと,まあ余分なことですがつけ加えさせていただきました。

 それで,市としては今の県の判断にそうだということであれば,その後,じゃあどういう行動をとるかということが私は問題だと思います。

 例えば,厚生省に対して,せっかく不許可になっているんですから,水道水源を守っていただくためにもぜひこの不許可をそのままやってもらいたいということを要望するとか,まあ何らかのアクションが必要じゃないかと思っているところです。

 また,廃棄物処理法の条文上には,地元市町村の許可とか同意を得るとか,そういうことが全くないんですね。そのことがこういった問題が紛糾する原因の一つにもなっているんじゃないかと思いますが,この法の改正については,何らかの働きかけをするお考えはございませんでしょうか。

 さて,次に違法駐車防止条例についてですが,今回の議会にこの条例案が提案されております。本来なら道路交通法上の問題であり,警察の領分ということなんですが,この条例制定について,私は議論が熟しているのかどうか,ちょっと心配な感じを持っております。こうした条例というのは,特につくっただけで終わりかねない。それでは制定をした意味がないので,なぜこの条例が必要なのかということを議会その他で議論をちゃんと尽くしておく必要があるのじゃないかと思っております。

 私が調べたところによりますと,この条例は90年11月3日に施行した東京都武蔵野市が最初に制定しております。その後,丸亀市が続いて,現在ではもう300をかなり超えているんじゃないかというふうにお聞きしています。

 その骨子というのは,違法駐車をしないように啓蒙また指導する。重点地域を指定して,交通指導員などを配置する。まあこういうところだと思います。特に,その交通指導員を配置するいうところが「みそ」じゃないかと。警察のように取り締まりをするわけじゃない。交通の指導をするわけです。まあ変な話ですけれど,警察だと取り締まりですから,「おいこら,そんなところに何で置くんじゃ」と,こういうことになりかねない。しかし,市の方だと,「違法駐車をするとほかの方に迷惑かかるから,まあそこじゃなくて,もっとちゃんと駐車場に入れていただけませんか」と,そういう物言いにどうしてもなると思うんですね。そういう方がソフトで,私もスマートだと思いますが,こういったことについて,市の方はどこまでその準備をされているのか,お聞きしたいと思います。

 そうした人員とか,それから啓発などの経費なども大体どれくらい見込んでいて,今後どういうふうにされようとしているのかということをお聞きしたいと思います。

 そして,武蔵野市の例でもそうなんですけれども,警察との協力,これが私は「かぎ」だとやはり思います。どういう形で警察との協力を考えていらっしゃるのか,お聞きしたいと思います。

 最後に,給食の安全性についてお聞きしたいと思います。
 給食の安全性は,食器と食材両面から求められておりますが,9月議会では食器を中心に,特に環境ホルモンにつきましては市の姿勢をただしたところでございます。

 食材についても,常に安全面への配慮を怠ることはできないと私は思います。O−157の問題でもそうでしたけれども,思いもかけないところに落とし穴があるということですから,遺伝子組換え食品──前回もちょっと問題にさせていただきましたが,これについて市の方の取り組みについてお聞きしたいと思います。

 前回の議会でも私は指摘をさせていただきましたが,この遺伝子組換え食品をつかっていると,実験結果では免疫力の低下ということが言われております。この免疫力というのは,体にとって生命を維持する非常に大切な機能ですので,それが低下するということになれば,これは重大な結果を招きかねない。その意味で,少なくとも遺伝子組換え食品が使われていない食品を使うような,そういう努力が必要じゃないかと思います。

 それにつきまして前回私が質問した際に,そうした遺伝子組換え食品というものがなかなかわからない,使っていないということがわからないということがございましたので,私の方も資料をその後調べました。こういう非遺伝子組換え食品製造業者一覧という資料もちゃんと出ているんですね。前回の質問のときにはまだなかったもんですから,これが出せませんでしたが,すでにもうありますので,こういう資料をもとに使えるところから,遺伝子組換え食品を使っていない食品というのを使ったらどうか。

 ここの中には,みそとか醤油とか食用油,実際には大豆製品が多いわけですから,そういうふうになると思うんですけれども,これについて出ているわけです。そうした食品が日ごろどれぐらい使われているかということを考え合わせれば,それをこうした使っていない食品に取りかえるということも可能じゃないかと思います。もし取りかえるとしたら,費用がかかり過ぎるという話があるかもしれません。その辺のところはぜひお調べいただきたいと思うんですが,その辺をどういうふうにとらえられているのか,お聞きしたいと思います。

 また,給食というのは,学校のみじゃなくて,市立の保育園とか,病院でも行っているわけですので,それぞれ検討する必要があると思います。たとえ,一部でもまず取りかえて,より安全性の高いものを求めるという,そういう姿勢が私は市が行っている給食には必要じゃないかと思っているところです。

 これにつきましては,市当局と,そして教育委員会の見解をお伺いしたいと思います。
 以上で第1回目の質問を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)

◎市長(安宅敬祐君) 羽場議員の個人質問に対しまして御答弁申し上げます。
 職員採用試験の国籍条項についてでございますが,社会経済情勢の変化に伴う市民ニーズの多様化・情報化・国際化などに対応するため,専門職として将来にわたって各分野で活躍できる職として,平成9年度から「国際」,「情報処理」という区分を設けて,外国籍の方の採用枠の拡大を図ったところでございますが,今までに外国籍の方の応募者はありませんでした。

 また,ことし6月に市議会へ提出された地方公務員採用における国籍条項撤廃に関する請願書が趣旨採択され,議会からも職員採用資格の見直しを求められているところでございます。

 これらの経緯等を総合的に勘案しますと,私は,国籍条項については先進都市である川崎市,横浜市などの事例等も参考にしながら,平成11年度実施予定の採用試験から一般行政職についても公権力の行使及び公の意思の形成に抵触しない範囲内で国籍条項を撤廃して,外国籍の方の採用枠を拡大してまいりたいと考えております。

 なお,本市においても,一般事務職等が公権力の行使または公の意思の形成への参画に携わる職とそうでない職とは混在する職であることなどから,現在職務分析等の調査を行っているところですが,その結果等も踏まえて,適切な配置が可能となるよう準備をしてまいりたいと考えております。

 なお,その他の御質問につきましては,担当局長の方から御答弁させていただきます。

◎総務局長(橋本豪介君) 違法駐車防止条例に係る一連のお尋ねに一括して御答弁を申し上げたいと思います。

 市街地の違法駐車の問題は,かねてから市民からの苦情,地区の交通安全対策協議会あるいは交通安全母の会の会合,また先般の女性議会における要望等,さまざまな場においてたびたび市民要望をいただいていた課題でございます。大都市圏のような悪化を来す前に,先行的な対応として,円滑な都市交通の妨げとなる違法駐車を解消することによりまして,都市機能の低下を防止することを目的とする条例を上程したものでございます。

 取り締まりにつきましては,議員御指摘のとおり警察の権限ですが,市といたしましては重点路線に配置する監視員による啓発・指導,それから車両の近隣駐車場への誘導等の行政指導で対応してまいりたいと考えております。

 このため,重点地域を示す看板の設置費,啓発資材・パンフレット作成費,監視員の委託料を平成11年度当初予算に計上させていただきたいと考えております。

 また,監視員の研修につきましては,警察機関の御協力もいただきながら,具体的な指導業務の実務について事前に十分行ってまいる予定であります。

 また,この監視員の研修,あるいは重点地域に関する地元説明会の開催を初め,重点路線における市が行う指導と,緊密に連携した警察官あるいは交通巡視員による取り締まり等の取り組みによって,違法駐車防止の効果を一層高める方策につきまして,現在警察機関と協議中でありますが,条例施行までの間により具体的な詰めを行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎保健福祉局長(角田誠君) 給食の安全性について,遺伝子組換えの原料を使わないメーカーが明らかになっている,その製品を使うことはできないか,たとえ一部でもまず取りかえて,より安全の高いものを求める姿勢が必要ではないかとのお尋ねでございます。

 遺伝子組換え食品につきましては,現在大豆,菜種,トウモロコシなど6品目22品種について厚生省が食品安全性評価指針に適合していることを確認いたしております。

 保育園,病院等の給食においては,みそ,しょうゆ,食用油などを使用いたしておりますが,遺伝子組換えの農作物を原料として使用しているかどうかについては,表示がないためにわかりません。

 議員御指摘のように,遺伝子組換え食品を使用していないメーカーから購入をするという方法も考えられますが,この場合,通常購入しているものよりも相当価格が高くなるものと思われます。

 表示上の制約,購入ルート上の制約,予算上の制約等により,遺伝子組換え食品を使用するのを避けるということは困難でございますが,基本的な姿勢といたしましては,できるだけ国内産の食品を使用するよう心がけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎環境事業局長(大橋貢君) 水源の安全性についての中で,廃棄物処理法では条文上に産廃処分場の許可に市町村の許可・同意を必要としていないことが,吉永町の例のような紛糾する原因であると考えるが等のお尋ねでございます。

 産業廃棄物処理施設は,いわゆる迷惑施設であることに加え,近年の住民の環境意識の高まりや不信感の増大する中で,全国的に施設設置に伴う地域紛争が多発しているところです。

 このため,国においては昨年の6月の廃棄物処理法改正において施設の設置手続を明確に定めることとし,施設の設置者に対して生活環境影響調査の実施を義務づけるとともに,住民等の意見を適切に反映させる手続として,最終処分場及び焼却施設については,申請書等の告示・縦覧,関係住民や市町村長の意見聴取等の手続が定められました。

 したがいまして,これらの改正法令の適切な運用を図ることにより,地域の生活環境に一層配慮された形で施設の設置が図られるものと考えております。

 なお,今後,産業廃棄物処理施設の安全性や災害防止対策等の基準強化,あるいは生活環境保全上支障があると考えられる地域の立地制限など,地域の実情にあった措置が講じられるよう,法の規制強化について,今年8月に中国地方知事会から国へ要望しているところでございます。
 以上でございます。

◎都市整備局長(石塚昌志君) まず,下石井公園でスケートボードを禁止している理由及び公園の一部にスケートボード専用の場所をつくることについての御質問でございます。

 下石井公園内の広場には「天の川」等星座を模した発光ダイオードが埋め込まれており,スケートボードができる公園として整備がされていないことから,施設の破損が多く,また限られた公園スペースの中で幼児等の利用者に危険性が高いことから禁止しております。

 本市では,現在山田グリーンパーク,百間川緑地及び中島公園の3カ所では,公園の一部をローラースケート場として整備しており,スケートボードが可能でございます。

 下石井公園や浦安総合公園内での使用禁止にもかかわらず,スケートボードで遊んでいる実態も踏まえ,他都市の設置状況を調査しながら,既設公園のリニューアル等の中で検討してまいりたいと考えております。

 続きまして,公園の名称の変更についてのお尋ねでございますが,公園の名称につきましては,岡山市都市公園条例で定められておりますが,公園設置後,町名の変更や学区の再編などにより,行政町名等と公園名称が一致しなくなった公園があります。名称の変更は制度的に可能であり,地元の合意が得られれば変更の手続を行ってまいります。

 したがって,お尋ねの「福富北公園」,「浜野公園」につきましても,地元の合意があれば名称変更の手続を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。

◎水道事業管理者(遠藤嘉昭君) 水源の安全性についての中で,吉永町産廃に関しての水源の安全性の確保についてのうち,今の事態をどのように認識しているか,水道経営者としての意見は何か,また県が不許可をしたがそれを支持するか,支持した場合の具体的行動はという質問について,一括して御答弁申し上げます。

 まず,水道事業者にとりまして,安全で良質な水道水を安定的に供給をしていく上で,水源の監視を行い,清浄な水源の確保を図ることは何よりも重要なことであります。いかなる形であれ,水源の汚染が懸念されることは非常にゆゆしき事態であると考えておりまして,県の審査の結果を憂慮して見守ってきたところであります。結果としましては,県におかれまして水源保全等総合的に判断されたものと考えております。

 引き続き,国において,業者からの行政不服審査請求につきまして審査がなされておりますが,その状況,内容等知り得ることはできませんが,国におかれましても慎重な審査を望み,その結果につきましても重大な関心を持って見守っております。

 また,改正廃棄物処理法では,許可に当たり地元市町村長からの意見を聴取する制度を盛り込まれましたが,このたびの県の決定はこの趣旨を先取りし,判断の柱とされております。今後とも住民の声を十分に反映していただくようお願いするものであります。
 以上でございます。

◎教育長(戸村彰孝君) 羽場議員の御質問にお答えいたします。
 まず,下石井公園でのスケートボードの問題でありますが,決められたことはきちんと守るということは,社会で生活していく上での基本的なルールであります。下石井公園でのスケートボードの例に限らず,学校生活の中でも,また家庭の中でも見受けられる事例であると思いますが,それをそのまま見逃すことは,ごく一部の子供や若者の間違った認識を容認することになります。また,他の子供への影響もあるので,ルール違反というものはそのとききちんと注意し,正しく指導することが一番肝要であります。

 下石井公園では,行政の管理責任の中できちんと対応されていると思いますが,こうしたことは社会の大人にも責任のある問題であり,とりわけ家庭における教育としつけの問題であると考えて,教育委員会としては家庭教育の徹底を期しておるところであります。

 次は,給食の安全性につきまして,遺伝子組換えの食品を使わないということについての御提言であります。

 学校給食の食材は,新鮮で安全なものを安価に安定的に供給することが重要な条件となっております。

 調味料の年間使用量は,みそが1万3,800キログラム,しょうゆが3万2,200リットル,食用油が7万9,600リットルという状況にあります。

 また,遺伝子組換えでないものに取りかえて使用した場合の年間経費は,単純計算でありますが,この今のみそ,しょうゆ,食用油全部をかえた場合はトータルの下限が5,530万円,上限が1億90万円の開きがあります。これによりまして1人年間915円から1,800円のまでの間の増額ということになり,これは食材でありますので,保護者の負担ということになるのであります。

 安全性の問題としては御提言はよく理解できるんですが,何分給食にはたくさんの関係者がありまして,地場産業の育成の問題もあったり,そういう面での多角的な検討も要るわけでございますから,保護者の了解も要るし,いろいろ検討すべき内容が多いと思っております。
 以上でございます。

◆(羽場頼三郎君) 御答弁ありがとうございました。

 職員採用の国籍条項の撤廃については,ここで大きく踏み込まれたという理解をしたいと思います。

 まあ念のために申し上げますが,先ほどもちょっと言われましたが,横浜市とか川崎市とか,少なくともそういう市のレベルには行くというふうに理解していいのかと思うんですが,確認のためにお聞きしたいと思います。

 その中で,ただ公権力の行使とか,意思の形成に携わるというところが非常にあいまいなわけでございまして,ここを余り広くとらえ過ぎると,結果的には,実質的にその職員の登用を阻むということにもなりかねません。この辺のところはあいまいなままにしないで,むしろこれは私に言わせれば限定的に解釈して,本当にそういうことが必要なんかどうかというのはあるんです。実は,それはある意味では内閣法制局の見解ですからね。なぜそこに携わっちゃいけないのかという疑問もまだ残ります。私は,携わったからといって,必ずしも間違った判断が出るというふうには決めつける必要はない,むしろ岡山市の職員であれば,岡山市のためを思っていろいろな判断をするのが当然で,それがおかしかったときにはもう別の問題が生じるだけのことだと思います。岡山市の市民だから,例えば岡山市のことをちゃんと考えておれるのかどうかということ。これはある意味では,このことを徹底して考えたら,岡山市の市民でなければ職員に採用されないということになってしまいますのでね。それこそ市長だって岡山市の生まれでなきゃいけないとかいうことになってしまいますが,そうじゃないと思うんです。その辺のこともぜひ考えて,職員採用については大きく門戸をあけていただきたいと思います。これは,恐らく今までこの問題,運動に携わった方々の共通の思いだろうと思うんです。やはり同じ住民として扱っていただきたいと,そして同じ地域でこれからも仲よくやっていきたいと,こういう思いがぜひあると思いますので,先ほどの確認をしておきたいと思います。

 それから,産廃の問題ですが,環境事業局長,私はこれを余りにも迷惑施設だというふうに決めつける必要はない。ちゃんと安全性が保たれていればいいわけなんですよ。そこを余り言うんじゃなくて,例えば吉永町では,このごみの問題というのは,やっぱし自分たちの問題でもある,だから自分たちもごみを出さないようにしようということで,この町内では,例えば買い物袋をみんな持っていく運動だとか,それからごみを出さないようにしようということで,例えば生ごみを出さないようにして土に埋めるとかということを広げている。それから,それこそ普通の奥さん方が──まあ奥さん方がと言うとあれかもしれませんが,どんなリサイクルをやっているのかということをドイツまで見に行こうというような,そんなことにまでなっているわけです。そうした住民の意識の向上にもつながってきている。

 そして,上流としての責任を果たすために,かつてろう石の工場があったそうですが,そこから出る水が下流の水を悪くしているんじゃないかということで,浄化装置も町の方でつけたりして,上流の人も下流のことを考えて生活し,行政を行うということをやっているわけです。

 だから,我々下流の市民も上流の人のそうした努力もちゃんと知って,水を通じてこれからも長いつきあいになるわけですから,吉永町に対しても十分な配慮をしていただきたいと思います。

 それから,給食の問題ですが,これは前回も議論が少しかみ合わなかったところもあるんですけれども,それは一遍にやれればいいんですけれども,そうはなかなかいかない。だったら,例えば,みそからだけでもいいと,しょうゆからだけでもいい。そういう遺伝子組換え食品でないというものをつくっているわけですから,メーカーがそういう努力をしていたらぜひそれにこたえる。

 教育長が先ほど言われましたけれど,いいことやったら褒めてやる。私も子供のころ「いいことやった,よしよし,ほう,そうそう」とか言われるとうれしかったもんですよ。そういうふうにメーカーの努力にも使う方がそれにちゃんとこたえていくことが必要だろうと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

◎市長(安宅敬祐君) 羽場議員の再質問に対しまして御答弁申し上げます。
 国籍条項の撤廃につきましては,お話がありましたように,ここで大きく拡大をいたしまして,お話にあった川崎市,横浜市あるいは大阪市等と同じ考え方にするということであります。

 でまた,公権力の行使等につきましても,限定的に解釈をして,できるだけこの撤廃の趣旨に合うような形で運用してまいりたいと考えております。

◎環境事業局長(大橋貢君) 吉永町の件でございますけれども,本議会で継審という経過もございますし,現時点では昨年の6月の法改正もございました。また,今年の8月には,中国地方知事会が国への要望ということでやっております。こういう経過を見定めながら,今後判断をしていきたいと考えます。

◎教育長(戸村彰孝君) 再質問にお答えいたします。
 いいことをした子供を褒めることは大切であります。しかし,不服を唱える子供を納得させることも大切なんであります。
 以上でございます。


1998/12/08

戻る会議録目次