1998/09/11

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平成10年 9月定例会-09月11日

給食の安全性・建設廃棄物・松くい虫


政治的決断で保育園の食器を替える

環境ホルモンが全国の自治体で問題となっています。文部省の調査によれば、全国の約4割の小中学校でポリカーボネイト食器を使っているとのことです。岡山市では学校で使っていないものの、もっと低年齢で影響が出る可能性のある保育園で使っていることが明らかにされました。

私は質問の中で、大学での実験でポリカーボネイト製の容器から微量ながら検出された報告があること、環境ホルモンは微量でも影響が出ることこそが問題であることを指摘して市の方針をただしました。

別の人の質問では、これが昨年交換をしたばっかりなので当分見直しの予定にないこと、費用が2500万円かかることが明らかになりました。私は、この問題こそ市長の政治姿勢にかかわることだと、敢えて再質問、再々質問をしました。このようなお金を惜しむべきでない、市民の不安を取り除くのが市長の役目だと詰めたつもりです。

安宅市長もこれに応えたいと思ったのか、私の質問によって、市長の「親の不安をなくすための政治的決断」を引き出せたようです。ポリカーボネイト食器が保育園などで使われている件について、見直しが検討されることになりました。


◆(羽場頼三郎君)  お疲れのところと思いますが,しばらくおつき合いをお願いしたいと思います。

 まず,国体の主会場の問題ですが,これは既に質問が出ておりますので割愛したいところですが,少し気になるところだけお聞きをしておきたいと思います。

 この主会場問題というのは,非常にいろんな問題があるわけですが,特に私が心配をしておりますのが岡山市の負担ということですね。既に県の方では単県医療補助──乳幼児や障害者の家庭に対する医療の補助金──をカットしたりしておりますが,また最近では合併浄化槽に対する補助金までカットをすると。このままでいくとどれだけそういった,自分のところの財政破綻の不始末を市の方に押しつけてくるのかと,こういう気すらするわけですね。ですから,その辺でこれ以上岡山市民の負担がふえないようにしておかなくちゃあいけない。もちろん岡山市が主会場を市内に持ってこいと,持ってきてもらいたいということを言ったことは言ったわけですが,それを理由に負担がどこまでふえるかという不安を与えるということには私はならないと思います。

 そこで,特に応分の負担というのは当然だと思いますが,既に市の方では応分の負担というのはこれぐらいという具体的な数字が出たこともありますが,また改めてそうした応分の負担という言い方をするということは,負担の部分がふえてくる可能性があるんじゃないか,そういう心配があります。この応分の負担というのも,大体これぐらいのところまでだというこれからの折衝でしょうが,古都南方だったら400億円を超えるお金がかかる。しかし,いずみ町の運動公園だったら100億円ぐらいで済むんだから,少々負担割合がふえてもいいじゃないかと,こういう話にはならないだろうと思いますね。

 そこで,岡山市としては応分というのを大体どれくらい考えているんだということを,まず市民の前に明らかにしておくべきじゃないかと思いますが,お考えをお聞かせください。

 また,新しい用地の選定に当たって市は県に対して,例えば働きかけをしたのかどうか。古都南方を変えた方がいいとかですね,また運動公園の方がいいとかといったようなことを言ったのかどうか。もしそういうことがあれば,地元の皆さんから市に対する不信が出てくるのも,これはやむを得ませんが,しかしそういうことがなければ県は県の判断でやられたことですから,それは誤解がないようにしてもらいたいと,こう思いますので,このところを心配しております。

 私はそういうことはもちろん市としては言ってないと思うんですが,確認のためにお聞きをしました。

 さて,「食器などの安全性」,私はどうもこの表題が悪かったかなあ,「給食の安全性」というふうにストレートにお聞きした方がよかったかなあと思ったんですが,特にポリカーボネート製の食器ということについて非常に問題意識を持っておりましたので,こういう表題になりました。

 きょう横田議員の方からも質問がございましたので,もしその質問の中で岡山市もこの食器をやめるという方向が出たならば私の質問は要らなかったんですが,どうもすっきりしない。すっきりしないままこの問題を放置するわけにいかないと思いますので,改めて質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど私も聞こうと思ったんですが,先にお答えがありました。食器をかえるには大体2,500万円ぐらいということでございます。2,500万円という額が安い額とはもちろん思いませんけれども,しかしその2,500万円で市民の不安というものが消えるんだったらですね,これは決して高くないと私は思います。

 ポリカーボネート製──これは名前が長いのでPCと言わせていただきたいと思うんですが,PC製の食器というのは,全国で小・中学校の4割ぐらいが使っているということが文部省の学校給食係というところで発表をされまして非常に話題になりました。もちろん岡山市は小・中学校の方では使っておりませんが,老人ホームとか,また保育園で使っております。もちろん老人ホームで使っていいというわけじゃありませんけれども,保育園で使っているということは,これから大人になっていく子供たちに環境ホルモンが体内に入っていくというおそれがある。それを心配をしている親たちの気持ち,これを市当局は真正面から受けとめるべきじゃないか。私はぜひ市の皆さん,職員の皆さんも含めてこの問題を真正面から受けとめてもらいたい,こう思っているところです。

 特にですね,先ほどの答弁にもありましたけれども,厚生省が安全と言っているという理解では親の不安は解消されない。厚生省が今まで安全と言って,本当に安全だったことがあったのかという,それは多少あったかもしれませんけれど,しかし我々国民にとっては厚生省が安全だと言えば,それは危ないというふうに思うのが当然だと思うんです。

 ごく最近の話ですけれどダイオキシン,かつてこれが焼却炉から検出されたというときに──15年前の話なんですが,すぐには影響がないと,こういうことを言っております。また,水俣川において水銀の害毒を言われていたときにですね,その対策のおくれの第一の原因は,厚生省の姿勢ですよ。

 また,それこそ最近の話ですが,薬害エイズのときですね。かつて,菅直人さんが厚生大臣をしたときに,そのときの薬を本当に安全だと言った。そうした厚生省の姿勢,どういうことで安全だと言ったのかということを明らかにしたわけですが,本当はどうも安全だと思っていなかったんだけど,例外の要素で安全だと言ってしまったということが明らかになって,そんなことでいいのかということにそれこそなっているわけです。

 そういったことも考え合わせると厚生省が安全だというのも,本当にこれはまゆつばものというと厚生省に悪いかもしれませんが,そういうふうに言わしてもらいましょうか。

 それからもう一つ私が申し上げたいのは安全基準とはいっても,これは例えば容器からしみ出るものが体に対しての遺伝毒性だとか,急性毒性だとか,そういうものに対する安全性ですから,環境ホルモンについての基準じゃないんです,全然。環境ホルモンについての基準というのは,先ほど答弁の中にもありましたように,今調査をしてるんですよ。調査の結果を待って,これが安全かどうかと,そんな私は悠長なことを言ってるときじゃないと思う。

 環境ホルモンというのは,それが体に入って,すぐにどうなるというものじゃないんですよ。体の中に入った子供が成長したときに影響が出てくる。また,成長して大人になった場合にその子孫に影響が出てくるわけですから。その環境ホルモンがどうなるかということを調査をする,結果を待つなんていうことを言っている段階じゃないと私は思いますね。もしそうだとしたら,今の保育園の子供たちを実験のモルモットがわりに使ってるのと同じじゃないですか。

 まず,私はね,岡山市としてそういう疑わしいものは利用しないと,こういう姿勢を明らかにすべきではないかと思いますが,御意見をお伺いしたいと思います。

 それからもう一つ,安全性が心配なものに遺伝子組換え食品,組換え作物というのがあります。これも給食に使われているものですが,最近山陽新聞がちょっと記事にしておりました。なかなかいいことを記事にしているなあと思って,私は久しぶりに関心をしたんですが,これは英国のですね……。(発言する者あり)いや本当,いいことはちゃんといいんですから。英国のアバディーン──私は地名がちょっとよくわかりませんからごめんなさい,もし発音が違ったらいけませんが,ロウエットという研究所があります。そこにアーパド・パズタイという教授がいらっしゃいまして,その教授が害虫を寄せつけない遺伝子を組み込んだジャガイモ──最近よくあるんですけどね,そのジャガイモをラットに食べさせた。ところが研究してみると,免疫力が低下しているんです。体の中の免疫力の低下というのは,これは非常に危ないんですね。

 例えば,よく風邪を引いたりして腎臓にくるとかいいますけれども,これも免疫力の低下によるんです。最近,子供たちにそういう免疫力の低下によるいろんな障害が出てきているということは言われますし,それから後天性免疫不全症ですか,これをエイズというわけですからね。人間の体から免疫性がなくなったら生きてはおれない,こういう心配があるわけですから,そうした食品が給食に使われているということがやはりこれも心配な一つです。しかも,これはわからないんですね,今ね。現在,遺伝子組換え作物というものが表示義務がありませんので,使われているか使われていないかわからない。そういう心配があるわけです。その心配をなくするにはどうしたらいいかと,これを私は市の方に問いたいと思います。

 これね,使っていないものももちろんあるわけですから,使っていないなら使っていないとはっきりしてるわけですよ。だから,使っていないというふうにはっきりしてるものだけは使えばいいんです。値段が倍も3倍も違うわけじゃないんですから,これは遺伝子組換え食品ですかと納入業者の方にお聞きをして,はっきりイエスと言えばもちろん使う。イエスともノーともはっきりしない。これは使わなければいいんです。こういうふうに消費者の方から生産者なり流通業者なりの姿勢を変えさせる,このことが必要ですから,市として疑わしいものは使わないという姿勢がちゃんと出せるのかどうか,これをお聞きしたいと思います。

 はっきり遺伝子組換え食品でないものだけ使って,それだけで私は給食は成り立つと思うんですけれども,成り立つのかどうか,どういうふうにお考えになっているか,お聞かせ願いたいと思います。

 それから,次は資源選別センターについてお聞きしたいと思います。
 岡山市は東西2カ所に資源選別センターを持っておりまして,資源の再利用,ごみの減量に大きく寄与いたしておりますが,いずれも知的障害を持つ方の仕事場として実際に行われている。私もちょっと見させていただきました。これを視察するに当たって,以前に東京の東村山市とか,また福岡の春日市でしたか,なども同じようにやっておられるので,そことの比較,その他もさせていただいてきたところですが,岡山市の場合はそういうところと比較しても,決してまさるとも劣らない職場環境で,私は市の方もなかなか配慮をしてるなというふうに思いました。換気とか,消音とか,そういった作業環境について担当者もかなり配慮をしてくださっとるようでございますし,当局の努力がよく見られますので評価したいと思いますが,ただ少し気になったところがございますので,市のお考えをお聞きしたいと思います。

 私が特に気になりましたのは,今ペットボトルの処理が始まっているんですが,この処理体制がどうも十分でないという感じがいたしました。初めのうちなら,それは量が少ないからいいんですけれども,だんだん本格的な回収が始まっておりまして,とても今の処理体制では,もうどうにもならなくなってくるんじゃないかと思いました。処理空間──処理する場所──にしても処理人員,いずれにしてもパンク寸前という感じがいたしました。これらについてどのようにしようとされているのか,お考えをお聞かせ願いたいと思います。

 それと,私はちょっと感じたんですが,どちらも資源を再利用しようとするわけですから,ごみとして扱うんじゃない,そういう配慮というものが必要なんですね。ごみを片づけさせられているというような,そういうことで作業をしたんじゃこれはもう大変です。その意味では例えば一つの例なんですけれど,ペットボトルなんか運んでくる収集車が生ごみなんかを扱った後,それをそのまま兼用しているわけです。もちろんちゃんと一応水洗いかなんかされるんですよ。されるんですけれど,水洗いしたぐらいじゃなかなかにおいは取れません。私も実際に見ましたけれども,それはにおいがついて,もう資源というよりはむしろごみに近い。こういう中でやるのは,これはなかなか大変です。せめて専用の車なんか使えないものかなあと思いますので,もしお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。

 それから,作業環境という意味では,なかなか休憩場みたいなところがないんで,大変きついんじゃないかなと思いました。また,夏の暑いときにお伺いしましたので,この暑い中でエアコンもなくてと思ったんですけれども,これは実際に携わっている方と,それからまた当局とでいろいろ御相談をされてることですので,ここはあえて触れませんが,そういう大変厳しい中で作業をされているということは御報告したいと思います。

 最後になりますが,こういう言い方が適切かどうかわかりませんけれども,リサイクルと福祉とが結びついたこういう職場というものを市として今後どのように発展させていくおつもりなのか,お聞きしたいと思います。

 まず,この基本的な理念ですね,どういう理念で,こういったことをやっているのかということをお聞きしたいと思います。

 それから,さっきちょっと申し上げましたが,人員体制の充実を図るお考えがあるのかどうか。同じように処理空間についても,いずれ東部クリーンセンターなどができるとはいうものの,なかなか十分な処理空間が私はあると思いませんので,可能な限り広げるおつもりがあるのかどうか,お聞きしたいと思います。

 本当にちょうど真夏で,もうこれ以上厳しい環境はないというようなときにお伺いいたしましたので,おかげでどういう中でお仕事をしているのかという御苦労がよくわかりました。もちろん苦労されているのはこういう選別所の方だけじゃなくて,現場で働いておられる作業の方,またそれこそごみ収集なんかに当たられている方も大変だなあと思いましたが,いずれにしてもこうしたところで岡山市のリサイクルが進んでいるかなと,思いを新たにさせていただきました。関係者各位にお礼を申し上げておきたいと思います。

 さて,次は,建設廃棄物のやはりリサイクルについてでございますが,建設廃棄物というのは産業廃棄物の大体2割程度なんだそうですね。ところが,久米郡の中央町──これは焼却炉の問題ですし,弥高山などの不法投棄,こういったことで問題を起こしておりますように,不法投棄とか不適正処理というのが非常に社会的な問題になっております。

 この適正処理及び再資源化を進めるために建設省は,「解体リサイクル制度研究会」というのをつくっておられます。そこの中間報告でビルや住宅の建てかえ工事発注者に対して建設廃材の処理費用の負担を義務づけると,こういう方針を出しております。この不法投棄とか不適正処理をされる産業廃棄物の大体9割程度が建設廃材なんだそうですね。その建設廃材の処理を明確化させたい。コストも含めて明確化させたいというのがこの研究会の趣旨です。新たな制度をつくるというわけで,その新たな制度の中では,商業ビルとかマンション,戸建て住宅など解体・改築工事で発注者は建設省が示す部品・素材ごとの解体工事手法と再利用技術に沿って解体・処理計画を地方自治体に届けることになっております。岡山市はその届け出を受けるに当たって,どのような方針で行政指導をされるのか,お聞かせ願いたいと思います。

 また,岡山市が出す場合,岡山市発注の解体・改築工事はどこの部分で不法投棄や不適正処理を防ぐチェックをしているのか,お聞かせ願いたいと思います。

 最後になりますが,松くい虫の防除についてお聞きしたいと思います。
 松くい虫が松枯れの原因だというのは,そうじゃないという説が今強く,その声が強くなっておりまして,松本文雄さんという方が高砂市で実際に調査をされて,松枯れの最大の原因というのは大気汚染であり,松くい虫は弱り切った松にとどめを刺すにすぎないということを解明されておりまして,「松枯れ白書」という本にまとめてございます。危険な農薬の空中散布は非常に無意味であり,もう犯罪的ですらあるというふうに警告をされております。その意味で,もう我が市としては防除というのをやめたらいいんじゃないかと思って以前もお聞きしましたのですが,なかなかこれがどういうわけかやまらないということで,引き続いてお聞きをしておきたいと思います。

 まず,松枯れの原因とは何だというふうにお考えになっていらっしゃるのか。

 それから,松枯れを防止するのは農薬散布をすればそれで防げるというふうにお思いになっていらっしゃるのか。

 それから,今使われてる農薬ですが,いろいろあるんですけれども,どういった農薬を使ってるのか,全国その他いろいろ使っていると思いますが,岡山市はその中でもどういう配慮で,どんな薬を使っているのかという意味で改めてお聞きをしたいと思います。

 それから,防除した際には松くい虫が死ぬだけならいいんですけれども,そうじゃないわけですね。松くい虫以外の動植物への影響はどのように考えているのか,生態系への影響という意味でお聞きをします。

 それから,今年度の防除の費用は,どれくらいかかっていますか。その中で岡山市の負担というのは幾らになっておりますか。

 それから,前回お聞きしたときに地元から要望があるからやったんだということだったんですが,私は地元から要望があるんなら生態系の危険はともかくとして,その費用ぐらいは地元で負担をされたらいいのじゃないかと思うんですが,市が防除の費用を負担する根拠というのをぜひ教えていただきたいと思います。

 最後に,来年度は農薬散布をするのかしないのかお聞きをして,第1回目の質問を終わらせていただきたいと思います。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)

◎市長(安宅敬祐君) 羽場議員の個人質問に対しまして御答弁申し上げます。

 国体主会場の問題でございますが,新しい主会場につきまして市は応分の負担をどの程度と考えているのか,また新しい用地の選定に当たって,市は県に対して働きかけたり希望を述べたりしたのかどうかというお尋ねでございます。

 国体主会場整備の費用負担につきましては,津島の県総合グラウンド陸上競技場を改修して国体の主会場とする決定を受けて,今後県が基本計画を策定されることとなりますが,概算事業費等が明らかになった時点で,県・市の協議の中で定めることとしております。

 それから,位置決定は県主導で行われたものでございまして,用地選定で県に働きかけたり希望を述べたというようなことはございません。

 それから次に,資源選別センターについての御質問の中で,リサイクル事業と福祉が結びついた職場を今後どのように発展させていくのかというお尋ねでございます。

 障害者の方々の就業というものは,社会的自立にとって極めて重要であると考えております。障害者の方々が個々の適性と能力に応じた仕事について,その能力を発揮し,障害を持たない人たちとともに社会経済活動に参加することは,障害者自身にとりましても生きがいのある人生を送る上で重要なことであり,また社会にとっても極めて有益なことと考えております。

 就労は障害者の生活支援や,将来的な就労場所の拡大にもつながるわけでありまして,積極的な社会参加の促進と,その意識の醸成に大いに役立つものであると考えております。したがいまして,実践の場としての2つの資源選別所は大きな意義のあるものと考えております。

 また,リサイクル意識の定着とともに資源化物の排出量も年々着実に増加してきております。また,容器包装リサイクル法に基づいて,ペットボトルに加えて平成12年度からはその他プラスチック類も対象となります。そういうことから処理量の増加が当然予測されるわけでございます。

 今後ともそういった実態を的確に把握しまして,効率のよい機材の導入や適正な人員配置,あるいは適切な処理空間の確保等について検討してまいりたいと考えております。その中で,あわせて就労可能な場所についても十分配慮しながら検討してまいりたいと考えております。

 なお,その他の御質問につきましては,担当局長の方から御答弁させていただきます。

◎保健福祉局長(角田誠君) 保育園におけるポリカーボネート製食器の御質問にお答えをいたします。

 疑わしきは使わない,利用せずとの議員のお考えは傾聴すべきものと考えますが,食器などの安全性に関しましては疑わしさの程度等について,個別・具体的検討を踏まえた的確な判断が必要であると考えております。

 保育園におけるポリカーボネート製食器の買いかえの方針につきましては,横田議員の個人質問にお答えしたとおりでございます。

◎環境事業局長(大橋貢君) 資源選別センターのあり方についてのお尋ねの中で,ペットボトルの収集に当たって,一般ごみ用のパッカー車を併用するとにおいがつくので専用にすべきではないかというお尋ねでございます。

 ペットボトルの分別収集につきましては,容器包装リサイクル法に基づき平成9年度から開始し,順次拡大中であり,平成10年度末で61小学校区とする予定でございます。その収集方法については,他都市の状況等も参考にしながら市民にとって受け入れられやすい方法として,運搬に便利な袋詰めによるステーション収集と店頭での拠点回収により取り組んでおります。

 ペットボトルの収集は,その形状から圧縮して積載できるパッカー車での収集が効率的でありますが,収集量は,平成9年度1年間で63.4トンであったものが,平成10年度8月末現在で66.9トンと,収集地域の拡大及び市民のリサイクルに対する意識の向上により急速に増加しております。しかしながら現在はまだ1日当たりの回収量が0.6トンであり,今すぐ専用車で収集するほどには至ってない状況であり,現状はやむを得ないものと考えております。

 今後,収集地域の拡大による収集量の増大や,容器包装リサイクル法に基づき平成12年度から収集対象となるその他プラスチックの収集体制とあわせて,資源化物の専用車による収集についても検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎経済局長(松本輝夫君) 松くい虫の防除についての一連の御質問にお答えいたします。

 まず,松枯れの原因は何だと考えるのか,それは農薬散布によって防げるものと思っているのかとの御質問にお答えします。

 松枯れの原因は大気汚染や酸性雨,昆虫による食害などいろいろなことが考えられていますが,現在では茨城県つくば市の国立林業試験場を初め,県,大学のあらゆる分野の研究者の長年にわたる研究の結果,マツノマダラカミキリによって媒介するマツノザイセンチュウが樹体内で増殖するために起こるものであることが発見され,マツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウとの関係がはっきりと解明されているというのが通説となっております。

 また,マツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリは,5月下旬から7月に羽化脱出し,成虫になってからは松の新梢を食べるとされており,この時期に駆除することによって松枯れの防止に大きな効果があるものとされております。

 次に,使われている農薬は何なのか,松くい虫以外の動植物への影響はどのように考えているのかということですが,マツノマダラカミキリの駆除にはスミチオン乳剤を水で18倍に希釈したものを使用しております。動植物への影響については,国・県の林業試験場など各研究機関において調査が実施されており,山菜,キノコ類においても残留基準を上回るものはなく,また鳥類においても空散地域内でかごに入れ放置するなどの試験が行われておりますが,野鳥も含め生息数,種類,繁殖性等に悪影響のないことが確認されていると聞いております。

 それから,今年度の防除の費用はどれくらいか,また岡山市の負担は幾らか,地元から要望があったのなら費用を地元で負担すべきではないか,市が負担する根拠はどこにあるのかにお答えします。

 平成10年度は第1回目を6月3日,第2回目を7月1日に実施し,それに要した経費は約750万円であります。その内訳としましては,県費約515万円,市費約235万円であります。

 なお,防除実施区域の山林の7割以上が保安林に指定されており,土砂の流出,崩壊の防備,水源の涵養などの公益的な機能を持ち,良好な市民生活環境を保全・形成する上で大きな役割を果たしていることから,松くい虫の防除について市が負担することは問題がないものと考えております。

 次に,来年度農薬散布をするのかしないのかということですが,松は古くから景勝地や名所旧跡で景観上欠くことができない樹木です。また,松林が持つ公益的機能は高く,国土保全に果たす役割は大きいものであります。このため,今後は地域性などを勘案し,伐倒駆除や広葉樹等への樹種転換の促進に努めてまいりたいと考えておりますが,これらの手法によることが困難なところについては,来年度も防除事業を実施せざるを得ないと考えております。

 なお,国の事業として,平成9年度から13年度にかけて大気汚染や気象条件などの環境要因が松くい虫被害に及ぼす影響についての調査も行われていますので,今後その動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎都市整備局長(石塚昌志君) 建設省の「解体リサイクル制度研究会」の中間報告に対する岡山市の行政指導方針並びに岡山市発注の工事のチェックについてでございます。

 議員御指摘のとおり,建築物の解体工事から排出される建設混合廃棄物や建設発生木材等のリサイクル率が依然として低迷していることから,建設省は新たな法制化も含めた抜本的な対策を講ずる必要があるといたしまして,平成10年1月に「解体リサイクル制度研究会」を設置いたしました。そして,本年7月に中間報告が出されたところであります。

 その中間報告の中で,議員御指摘の分別解体工事の届け出制などが提案されており,国は今後この報告を踏まえて幅広く有識者からの意見を聞き,最終的な報告を取りまとめるとともに,法制化も含めた検討をしていると聞き及んでおります。

 本市としましても,建設廃棄物のリサイクルは積極的に推進すべきと考えており,国の今後の動きを受けて取り組んでまいりたいと考えております。

 また,現在の本市が取り組んでいる制度といたしましては,平成3年施行の「再生資源の利用の促進に関する法律」にあわせて制定されました「公共建設工事における再生資源活用実施要領」に基づき,コンクリート塊・アスファルト塊・建設発生木材等,再生できるものは原則的にその再生処分方法を設計仕様書に定めて,施工を義務づけ,その処分結果を廃棄物管理票(マニフェスト)の提出,確認検査を行い再生化を推進しております。
 また,再生利用できないものにつきましては,最終処分場への処分を義務づけ,同様にマニフェストの提出,確認を行い適正な処理に努めております。
 以上でございます。

◎教育長(戸村彰孝君) 羽場議員の御質問にお答えいたします。

 遺伝子組換え食品に関する御質問でありますが,疑わしきは利用せずの原則で給食をやった場合にはどうなるかと,こういう御質問でございます。

 遺伝子組換え食品につきましては,農林水産省で表示の義務づけについて動きが出てはおりますが,現在のところ表示義務はありません。どの食品がそうであるかわからないというのが実態でありまして,大豆,菜種,トウモロコシなど6品目,20品種が厚生省から安全と認定されておりまして,輸入されております。その大半が豆腐,しょうゆ,食用油など身近な食品に加工されておりますが,こうした現状を踏まえまして疑わしきは利用せず,またイエス,ノーがはっきりしない場合は購入しないとした場合,現段階では学校給食の実施はできないのではないかと,こう見込んでおるところであります。

 私も食品をきのう10品目ほど調べて,お店に聞きましたけれども,つまりどれが何か全然わかっておりません。お店の方がそういう状況でもあり,表示をしておるものも,豆腐もしょうゆも調べてみましたがどこにも,虫眼鏡で見たんですけれども何も書いてないという実態がございました。

 御指摘のようになかなか確認できないという実情を考えますとですね,疑わしきは使わないということになりますと,疑わしいもんばかりということにもなるわけで,せっかくの御意見でございますけれども現段階ではそれを識別することは困難であると,こう言わざるを得ません。

◆(羽場頼三郎君) 再質問をさせていただきますが,まずポリカーボネート製の食器の件ですが,実はアメリカのスタンフォード大学でもやはり実験をいたしておりまして,2ないし5ppbでエストロゲン様作用を発揮している。エストロジェンといった方がいいかもしれん,ちょっと発音が私もはっきりしませんが。その2ないし5ppbで乳がん細胞が増殖をしたという報告がなされております。

 ちなみに,横浜国立大学の環境科学研究センターというところでは,やはりPC製の哺乳瓶に95度の熱湯を入れて26度に冷めてから調べると,全銘柄から3.1ないし5.5ppbのビスフェノールAを検出しております。これを厚生省は基準の約1000分の1だからいいんだと,こう言っておりますけれども,先ほど申し上げましたように,量じゃあない。この環境ホルモンというのは1000分の1ほどの微量でもそれが作用するから問題なんです。だから,出ないということがはっきりするならともかく,出るということが何らかの実験で明らかになった以上は,これは我々のためじゃあないんですよ,むしろこれから生まれてくる子供たちのためにもですね,これは規制をしなくちゃあいけない。だから,疑わしきものは使うなと,こう言っているんです。そのために2,500万円かかる。みんなで負担しようじゃないですか,それぐらい。そういうことが私はね,市政に対する信頼につながってくると思うんです。ぜひお考え直しをいただきたい。

 今すぐ返答しろといっても,これはなかなかできないかもしれませんが,これから直ちにポリカーボネート製の容器についてどうするかということについて,市の姿勢を変えることについて動きを始めても決して私は遅くはないと思います。五,六年はまだ使えるから,物を大事にしなくちゃいけないときと,そうじゃないときとあるんですよ。この場合は大事にしなくていいんです。私は日ごろから物をなるべく大切にしろと言ってますけれどもね,ポリカーボネートの容器については残念だけれども,これはもうごみにせざるを得ないんですよ。そのことについてぜひ,再度お考えをお聞きしたいと思います。

 それから,資源選別センターについてですが,これは私はある程度期待をしておりました。期待どおりの答えといってもいいかもしれません。私は日ごろリサイクルと言ってますけれども,リサイクルに障害者をうまく利用するという考え方じゃだめだと思っているんですね。やはり福祉政策の位置づけの中で,例えばリサイクルだったらそういうことができる,それだったらやってもらおうというふうに職をつくっていくといいますか,そういうことをやるべきだと思っておりますので,そういう意味でのいい結びつき方,これが私は大切だと思います。

 実はきょうのお昼にも,すぐそばにあります障害者の方がやっておられるホープ作業所ですか,うどん屋さんにもちょっと行ってきましたけれどね,仕事をされているときには皆さん生き生きとした表情でやっとられるんですよ。そういう生き生きとした表情をぜひ見たいと我々は思っておりますので,これはぜひ進めていただきたいと思います。

 それから,松くい虫ですが,これはいろいろ言いたいことが出てきてしまいました,ついつい。スミチオンを18倍に薄めていると。これはねえ,私も農家の生まれであるんですが,もう早々と田舎から出てしまったもんですからわかりませんけれど,そのスミチオンを余り平気でばらまくということにならないんじゃないかと思いますけれどね,ぜひ先輩方の御意見もお伺いしたいと思うんですが。先ほどおっしゃいましたが,7割ほどは保安林で水源涵養林だと。その水源のところにスミチオンをばらまいてどうするんですか。これはぜひお考えを改めてもらいたいと思いますね。水源地にスミチオンをばらまくことについて本当にいいと思っているのかどうか。私はこの考え方というのはちょっとおかしいと思いますけどね。

 そしてまた,先ほど松くい虫が,もちろん主原因だとは言われなかったけれども,実際にマツノザイセンチュウというのが松枯れの中の松から出てこなかった例だって多いんですよ。場合によったら半分以上,そのマツノザイセンチュウが検出されない,出てこない。だとしたら,本当にマツノザイセンチュウが松枯れの原因になっているとは言えないんです。そこが最近出ている考え方なんです。今までの通説がそうだからといって,これもうやっていいというもんじゃ私はないと思いますけどね。これは私の個人的な考え方とかなんとかじゃない。

 それから,疑わしきは使わずというのを,私の個人的な考え方だというふうに,もしとらえているんだったら,これは大きな間違いだと思う。疑わしきは使ってもらいたくないと思っているのは,何も私だけじゃなくて多くの市民の皆さん,特に子供を持つ親の立場の方です。私なんか今から子供はちょっとつくるあれがないかもしれませんが,私の子供なり,その次の世代,やはりこれからの人たちをどうやってちゃんと守っていくかというのは我々の責任でもありますから,その意味で疑わしきは使わずという方針というのはぜひ市でしっかり持ってもらいたい。

 先ほど教育長は,そういうことを言ったら給食ができないんじゃないかと言われましたけれどね,どうしてもしなくちゃ,給食が必要だから疑わしいものでも使うというのはこれは順序がおかしい。論理的にもおかしいですよ。そうだったらね,給食ができない状態になったと,こう言えばいいんですよ,むしろ。そして,お店の方にも何であなたはこれがはっきりしないのかと,イエスかノーか言えないのかと,店の方に言うべきですよ。そしたら,店もちゃんと研究して自分が仕入れてくるところに聞くんですよ。だから,安全な食品というものは確保されるようになる。こちらから言わないとだめですよ。やっぱし給食の材料を扱っている方から,それを卸しているところに対して言う必要がある。そういう意味で私は,教育長もそういう答えに対して直接行かれたそうですが,あんなものは顕微鏡で見たってわかるようなもんじゃなくて,そういう姿勢を示すことが大切だと思いますので,ぜひその姿勢を示していただきたい。このお考え方をぜひお聞きしたいと思います。(拍手)

◎保健福祉局長(角田誠君) 保育園におけるポリカーボネート製食器についての再度のお尋ねでございます。

 次の買いかえ時には,安全性に不安のない食器を導入するということを基本的に考えておるわけでございます。ただいま厚生省において環境ホルモンによっての人への影響等の研究が着手をされております。買いかえの時期につきましては,そういった動向も見ながら判断をしてまいりたいと考えておりますが,市といたしましてもさまざま試験データの収集に努めて,研究をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎経済局長(松本輝夫君) 松くい虫防除にスミチオン乳剤で防除するということでございますが,これの効果の面につきましても,これは毎年実施しとるところに歴然とその効果がある。だから,地元もやってほしいという。実際に私どももこの効果を目の前に見せつけられるとですね,やっぱりやらなくて枯れるということも,これは大変な環境破壊にもなります。

 それから今おっしゃったように,スミチオン乳剤がそりゃあ確かにそういうものですけれども,これは年に一度そういう散布をやる。そしてこの松枯れを防ぐということを総合的な効果の中でやっておるのが現状ということなんで,いずれにしてもほかにかわるべきいい方法があれば──それは何もやらないのが一番いいわけなんですが,今後ともいろいろな角度から研究はしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎教育長(戸村彰孝君) せっかくの御意見でございますが,文教委員会でもこれに関する陳情が出されておりまして,継続審査になっております。

 したがいまして,まだ十分な論議をされておりませんので,しかも我々は研究機関でないので,さまざまなところからの資料も必要でございますが,もうお答えはさきほどのとおりでございます。いろんな議論は継続してやっていただきたいと思っております。

◆(羽場頼三郎君) 研究機関でないというのはもう当然わかっております。研究機関じゃない我々が政治的な判断をしてもらいたい。疑わしきは使わないという,そういう判断をぜひ教育委員会には出してもらいたいし,また市の方でも,そういうものは使わないという政治的な判断が求められている。この政治的な判断をどうするか,これが大事です。市当局並びに市長に対して,これはぜひお聞きをしたい。そういう政治的判断をすべきだということを言って終わります。

◎市長(安宅敬祐君) 羽場議員の再々質問に対しまして御答弁申し上げます。
 PC容器につきまして,おっしゃることはよくわかります。再質問でも御指摘になりました。直ちに市政の姿勢の変更をするかどうか,直ちに研究を始めたいと考えております。


1998/09/11

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