1998/03/20

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平成10年 2月定例会-03月20日

議員の定数に関する条例の一部を改正する条例案について


市議会の定数が2減に

議会の最終日に、議運のメンバーから「議員の定数に関する条例の一部を改正する条例案」が出され、賛成多数(反対は8名)で可決しました。これにより、来年の選挙から52議席となります。

私は、議運での審議の過程が不透明だということで「質疑」を行いました。その主なものは、@無所属の議員の意見を聞かなかったのはなぜかA休憩の時間に実質審議をしたのはなぜかBその審議を無所属議員になぜ傍聴させなかったのかC私が議運で発言を求めたにもかかわらず拒否したのはなぜかなどです。これには充分にこたえないまま、質疑・討論を打ち切って採決しましたので、反対しました。

議会の活性化や議員の質の低下が指摘される中、充分な議論がなく手続き的にも疑問の残る結論に、議会の危機を感じています。


◆(羽場頼三郎君)  ただいま乙第1号議案が提案をされました。これについての質疑をさせていただきます。

 質疑をさせていただく機会をお与えいただきましたことを,まず感謝をいたします。
 それでは,この提案は議長に対する議会運営委員会の答申を前提として提出をされているわけでございますが,その議会運営委員会ではどのような審議過程だったのかをただしていきたいと思います。

 まず,第1点でございますが,議員定数についての議論の実質審議の時間でございますが,これは何時間何分に及んだのでございましょうか。11回の各会議の時間及び全体の総時間数を示していただきたいと思います。

 次に,途中の休憩でございますが,その休憩は何回ぐらいございましたでしょうか。それぞれ何時間何分ずつであったのか,11回の各会議ごとの時間及び分ですね,それと総時間数をお示しをいただきたいと思います。

 第2点は,それぞれの審議をどう尽くしたのか明らかにしていただきたいと思います。

 まず,議員の定数は減らすべきではないという意見が当初は多数だったと聞き及んでおりますが,それがなぜ減員の方向へなったのか,道筋を具体的に明らかにしていただきたいと思います。

 次に,休憩中に議論が固まったという見方もございますけれども,それがどのような議論だったのか,明らかにしていただきたいと思います。

 次に,第3点でございますが,このような議員の身分にかかわる重大な問題を,無所属を含めたすべての議員の意見を聞くことなく集約された理由について明らかにしていただきたいと思います。
 (1)なぜ無所属議員の意見を聞く機会を持たなかったのか。
 (2)なぜ無所属議員の休憩中の議論を傍聴することを許さなかったのか。
 (3)なぜ無所属議員の委員会での発言を封じられたのか。
 (4)なぜ無所属議員の口頭及び文書での申し入れについて,これが無視をされたままになっているのか。
 (5)無所属議員の口頭及び文書での申し入れは,これは委員会でお諮りになられたのか,それともそれ以前の段階,委員長の判断などで委員会にかけなかったのか,これをただしたいと思います。

 次に,4番目でございますが,答申によれば,議員定数を積極的に削減する状況からは遠いと,こういうふうに認識を示されております。結論は,逆に定数の削減ということになっております。どこでこういうことになったのか,その理由をお示しをいただきたいと思います。

 次に,5番目でございますが,答申によれば,「議員定数の削減を求める潮流がある」と,こういうふうになっております。確かにそのとおりでございます。それを認めないものではございませんが,逆に定数を増加すべきだという市民の意見も存在することも確かでございます。これについてお触れでないのはなぜでございましょうか。

 6,答申によれば,「今後,議会の活性化に向けたさまざまな取り組みを視野に入れつつ」とございますけれども,具体的にはどのような取り組みをしようという議論がその中であったのか,お示しをいただきたいと思います。

 実は,私もこの質疑に当たりましてはですね,質疑をさせていただくか,もしくは反対討論にさせていただくか,いろいろ悩んだわけでございますが,しかし今後は,議会の活性化のためには,こうした議員提案が数多く出されると。その際にも,質疑とか討論がより実りあるような,そういうものになっていかなくちゃならない,その思いからあえて質疑をさせていただきました。どうぞ御答弁の方よろしくお願いいたします。

○議長(花岡薫君) 提出者の答弁を求めます。

◆(河合和成君) ただいま議員定数の見直しにかかわります議案を提案者を代表いたしまして御提案申し上げましたところ,御丁寧に羽場議員から提案者に対する御質問をちょうだいをいたしました。

 とっさのことでございますし,事務局からけさほどまあ御連絡をいただきまして,昨日の議会運営委員会では羽場議員,さらにはまあその他の方々がこの定数問題に対する質疑やら討論があるかのようには伺っておりましたけども,お聞きいたしますと,昨晩の6時過ぎにですね,質疑の内容が事務局に届いたようでございます。

 したがいまして,私も昨日からできるだけ待機をして,その御質問の内容等々も伺いながら,的確に御答弁をしなきゃならないと思っておりましたが,5時過ぎても届かないというようなことで,お聞きしますと,先ほど申し上げましたが,6時過ぎたということでございます。

 けさほどお伺いをいたしまして,私なりにまあ提案者を代表いたしまして,提案したからには的確にお答えをしなきゃあならないというようにも思っておりますので,少し長くはなりましょうけれども,お時間をいただきたいと思います。

 昨年の10月7日に,花岡議長から議員定数の見直しを御検討願いたいということで,私どもの議会運営委員会に諮問をいただきました。そこでいろいろまあ委員の皆さん方とも協議をし,お受けし,そして慎重に審議をしていかなきゃあならないと思いまして,いろいろ協議を重ねたところでございます。

 そこでお尋ねの審議11回を重ねて,時間は何時間何分であったかというようなまあお尋ねでございますけども,そのことにつきましては,的確にはお答えを避けさせていただきますが,ただ私どもはまず諮問を受けましたからには,きちっとしたお答えといいますか,答申をしなきゃあならないということから,私も議会運営委員会の委員長を仰せつかっておるだけに,非常にその重責を感じながら,議長の諮問に対するお答えをしていかなきゃあならないと考えまして,10月7日に諮問を受けました。

 そのときに,まず私の方から委員の各位に気持ちの一端を述べさせていただいて,そして慎重の上にも慎重を期して考えていかなきゃあならないと思いました。

 それは,私ども議員のみずからの問題を私どもが決定をしなきゃあならないという非常に厳しい条件であります。

 私どものいただいております報酬等につきましては,他の機関の方々の──市民の代表であるとか,あるいは団体の代表であるとか,いろんな方々によりまして審議会を設置をしていただいて,他の方──我々は含まれない状態の中で御決定をいただくということであります。

 しかしながら,定数問題つきましては,私どもの身分にかかわる非常に重大な,選挙を通して議席をいただいて,市民の声を,あるいは負託にこたえるだけの議員でなきゃあならないということをみずからが決定をしなきゃあならないというようなことから,非常に重要な問題であると思いまして,取り組んでまいりました。

 そこで,諮問を受けまして,冒頭委員長の私から委員の皆さん方にも申し上げました,その一端をここで御披露したいと思います。

 と申しますのは,今回の厳しい財政状況を踏まえ,行財政改革が検討される中,我が岡山市においても議会改革の検討が必要との視点から,議員定数の見直しを取りざたされ,今回の花岡議長から議会運営委員会に対し諮問となったことは御案内のとおりであります。

 と申し上げながら,一方地方の時代と言われる昨今,地方分権の動きが急速に進んでおります。地方分権は行財政改革と表裏一体の関係にあり,議会においても,これらの問題に対し真剣に取り組んでいくことが強く求められていると言っても過言ではありません。

 地方分権の動きは,今まさに検討の段階から実行の段階へ入っておると思います。そのことは,平成6年11月に出された第24次地方制度調査会の地方分権の推進に関する答申を受け,平成7年5月,地方分権推進法が制定されたことからもうかがい知ることができる。

 以下,まあいろいろ決意表明をいたしまして,そして慎重の上にも慎重を期さなきゃあならないという気持ちで取り組んだつもりであります。

 なお,この審議に当たりましては,私から議会事務局の局長を初め職員の皆さん方にも専任を決めていただいて,そして資料の提供や私どもの審議に当たっての御援助をいただかなきゃならないということも申し上げ,議長に御承認をいただいて,そして任命をいただいたという実態であります。

 そういうことをまず冒頭申し上げまして,数えること11回の審議を重ねてまいりました。しかし,皆さんも御承知のように,その10月7日に諮問を受けましてから,その当時は当局から提案をされておりました決算審査特別委員会,さらには私どもが設置をいたしておりました社会福祉法人健寿会の100条調査特別委員会も設置されておりましたし,また期間中には11月の定例議会も開会がされたわけでございます。非常に日程的にも厳しい,私どもの審議をするための日程調整もしてまいったところであります。

 そういうことから,いろいろ協議を重ねてまいりまして,厳しい日程ではありましたけども,御案内のように,公職選挙法が改正をされる,あるいは選挙法を改正をするということになりますと,国におきましても1年間の国民に対する,有権者に対する周知期間を持たなければならないというようなことも取りざたされておりましただけに,私といたしましては,今議会の最終日になりましたけれども,必ず議長に対して答申をし,そしてお許しをいただけるならば,議員提案によって決定を見たいというようなことでありました。

 以上,前置きはそのくらいにいたしまして,いろいろまあお尋ねの件でございますが,お答えを順次申し上げます。

 いろいろ細かい数字はさておきまして,最初に諮問に対する委員会の審議時間のお尋ねでございますが,これは何分何十秒とかということは申し上げませんが,11日間の審議をしてまいりました。

 その間,私どもは他都市の状況の実態調査もやらなければならないということで,非常に厳しい日程の中を,私ども岡山市と同じように中核市になりました鹿児島市,熊本市,さらに中部地方であります浜松市,そしてまた岐阜市等に5日間の日程をもちまして,視察調査もしてまいりました。

 なお,正式な議会運営委員会の時間等につきましては,先ほど申し上げましたように,事務局から何分何十秒かかったかなというようなことは,私委員長としては調査はさせることは命じておりません。

 したがって,でき得ればですね,お許しをいただきたい。御答弁をお許しいただきたいというように思います。

 次に,答申の結果に至るまでのお尋ねでございますが,委員長の私としては,審議を通して,基本的には最初から全会派といいますか──会派ということは議員の皆さん方の全員一致したお考えをまとめたいということを基本にして審議をしてまいりました。

 しかし,審議の過程におきましては,もう皆さん御案内のとおり,大幅に削減をするとは申しませんけれども,6人の減を求められた会派もあります。さらには,4人,2人,あるいは現状維持,そしてまた私どもにどう言いますか,法律で定められております法定定数といいますか,56に戻すべきではないかというような御意見もあったわけでございます。

 したがいまして,審議の過程におきましては,いろいろな会派,いろいろな方からいろんな御意見をちょうだいをいたしました。しかし,先ほど申し上げましたように,基本的には全会派一致の方向を見出したいということで努力をしてまいったわけでございます。そのことを申し上げておきます。

 それから,お尋ねの──何がありましたかな,ちょっと待ってくださいね。

 まずですね,無所属議員の意見を聞く機会を持たなかったのかということでございますが,何か羽場議員には全然相談もなし,あるいは何も聞いてないかのようにこの場所で申し上げられましたけども,私が委員長を務めております議会運営委員会の副委員長も羽場さんはやっていただきました。したがって,そういうような関係の中で,特に羽場さんには──今は辞退をされておりますけれども,特に私も「羽場さん,どうですか」ということで,議会事務局の前のロビーのいすに座って,この問題につきましては私は声をかけたと思います。間違いなくそうですね。おかけしたと思います。御意見も伺っておりますから,無所属の議員の意見を聞く機会を持たなかったかということについては,これはお答えをいたしませんが,羽場さん自身が御理解をいただきたいというように思います。

 次にですね,休憩中にですね,傍聴することを許さなかったのかということでございますが,休憩の中にも設定をいただきました全員協議会室で議会運営委員会が審議をしてまいりました。しかしながら,皆さんも御承知のように,厳しい日程の調整やら,あるいは他都市の視察にいたしましても,委員の皆さん方のフリートーキングの中でそういった方向も決めたいということで,場所を変えて審議をしたことも事実であります。したがって,密室とは私は申し上げがたいというように思います。

 したがって,密室でありませんけれども,変えた場所がですね,非常に狭い場所でありましただけに,委員外の議員の方々にはお許しをすることができなかったということでございますので,お許しを願いたいと思います。

 それから,無所属議員の発言を封じたのかというお尋ねでございますが,これは封じた覚えもありません。したがって,独断でとにかく無所属の皆さん方の──お三名いらっしゃいますけれども,その方々の発言を封じた覚えはございません。

 それから次にですね,無所属議員ほかですね,口頭であったり文書であった申し入れについて無視したではないかというようなお尋ねでございますけれども,無視した覚えもありません。

 ただ,審議期間中を通じて,いろいろな方々から,議長あてにですね,申し入れ書,さらには要望書等が出ておったことは事実であります。それは,私も議長からそれをいただいて見せていただきました。しかしながら,これは議長あてなんですから,これは議長が処理をいただきたい。しかし,審議の過程においては,委員の皆さん方にはこういうものが出ておりますよということはきちっと申し上げたと思います。口頭ではありますけれども,申し上げました。お配りはいたしておりません。

 そういうことを踏まえて,みずからが決めるこの議員定数問題については,他の方々に影響されることなくですね,実は私は決めていかなきゃあならないということを基本にしてまいりましたから,議長あての陳情書あるいは要望書等については,委員会ではお配りをいたしておりませんし,審議の対象にはいたしておりませんということを申し上げておきたいと思います。

 それから,その次にですね,無所属議員の発言を許さなかったというようなお尋ねでございますけれども,このことにつきましては,特に羽場議員が御質疑ですから,質問ですからお答えいたしますけれども,最終答申をいたします案をつくった段階で,いろいろ御意見をいただく中で,委員外の羽場議員から手を挙げての正式なですね,発言を求める要望がありました。

 そこで委員外議員の方々の御発言を許すということになりますと,委員長の私から委員の皆さん方に御了解をいただかなければそれを許すことができないということは,もう既に皆さんも御承知のように,会議規則に載っております。

 お諮りいたしましたところ,もうそれはいいでしょうということで,固有名詞は申し上げませんけれども,藤沢委員だけがこれは許すべきだというような御発言もありましたけれども,大勢ではお許しをするわけにいかなかったということを申し上げて,お断りをしたということであります。

 そこで最後にですね,質問とは違いますけれども,答申をいたしますその前の私の気持ちは,たびたび申し上げておりますけれども,議員定数の問題につきましては,私どもの議員の定数を審議するに当たっては,慎重の上にも慎重を期して,そして今議席にいらっしゃる議員の皆さん方の御理解をいただかなきゃならん,そのためには多くの方の御意見も聞かなきゃあならないとは思っては審査をしてまいりました。

 昨日も3件,4号,5号,9号の陳情書が市民団体から出ましたものですから,議会運営委員会を開催をし,議長から議会運営委員会に与えられましたその陳情書も,傍聴者を1名でございましたけれども,含めて審査をした経過があります。

 そのことにつきましては,もう御案内のとおりで,要望には沿いがたいというようなお答えになりましたけれども,お許しをいただいて,そして今回の提案をさせていただいたということでございますので,御理解をいただきたいと思います。

 なお,つけ加えますが,審査に当たりましては,中核市の実態,さらには岡山県内の類似都市とは言いませんけれども,県内の実態の調査,さらに岡山市が目指しております広域合併をしてはという市長の真意もですね,検討に入れながら,私どもが承認をしてまいりました岡山市の将来像,6分割を議決をいたしましただけに,そういったこと,あるいは岡山県議会も昨日御決定になりました,岡山市の衆議院の選挙区が二分されておりますだけに,そういった分区の問題等々,いろんなことを視野に入れて,そして資料も事務局や,あるいは選挙に関しましては選挙管理委員会の御協力をいただきながら,審査をしてまいりましたということを最後に申し上げて,お答えになったかどうかわかりませんけれども,お許しをいただきたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

◆10番(羽場頼三郎君) どうも御答弁ありがとうございました。

 やはり質疑をし,また答弁いただくことで,この問題の所在がかなり明らかになったのではないかと思います。ありがとうございました。

 それでは,ただ先ほど御答弁の中でですね,おっしゃっておられましたが,相談をしていただいたということがございましたけど,これは先ほどの御答弁の中にもございましたように,議会事務局の前で私的にお話をしたわけでございますので,私の質疑の意図としてはですね,委員会でちゃんと諮っていただくなり,もしくは委員会の場で私の意見なり考え方の表明をさせていただく機会をいただきたいと,こういうふうに申し上げたつもりでございますので,これにつきましては,私の方からも申し上げておきたいと思います。

 それから,委員会での発言につきましてでございますが,これにつきましては,最終的な意見の取りまとめの後であったので,発言を許してもその結論が変わることがないということだったと思いますが,しかし議会の発言なり,また考え方というものはですね,最終的に終わった後じゃあまだございませんですので,私の意見なり発言によって,場合によっては変わる可能性もあるわけですから,その意味で発言を求めていったという,こういう事情がございました。

 先ほど御指摘もございましたように,質疑でございますから,質疑というのはなかなか意見を申し上げる場がございません。この主観の相違といったところもございますので,この質疑によって問題点が一層明らかになり,本質に迫ったのじゃないかと,こういうふうに申し上げまして,私の質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。


1998/03/20

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