1997/06/17

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平成 9年 6月定例会-06月17日

紙・土・プラスチックのリサイクルを 

羽場 古紙の価格が暴落している が、古紙を原料とした再生紙の利用 を強く働きかけるべきではないか。

○市長 市が使うのはもちろん、市民や事業者に積極的に働きかけるつもりだ。

羽場 古紙回収の費用が逆有償になったら集団回収を維持するため市は動くのか。

○市長 補助金を出すなど、考えたい。  

羽場 建設残土のリサイクルについてはどのように進めるつもりか。

○都市整備局長 重要な課題であるので、発生量の抑制、有効利用の促進、適正処理の促進、処分場の確保につとめたい。

羽場 下水道の建設残土の再利用は。

○下水道局長 8年度実績は、発生量が16万4千5百 に対して約12%にあたる1万9千6百 を改良土として再利用している。5年度は約18%の利用率だが、8年度は再利用のできないポンプ場、処理場の建設が多かった上、工法のため使用率が減少した。今後、改良土の利用対象工事の見直しをはかり建設残土のリサイクルにつとめたい。

羽場 ダイオキシン対策はまず発生を抑えるため、プラスチックを燃やさないことが必要である。市の考え方は。

○市長 プラスチックはリサイクルすべきと考えているが、処分地の寿命が短くなっていることもあり、やむを得ず燃やしている。塩素を含んだ製品の排除については、全国都市清掃会議を通じてメーカーに働きかける。

羽場 松くい虫防除の薬剤の空中散布は効果への疑問や安全性の面での不安もあり、県下の町でも取り止めたところが出てきているが、市も見直しをしたら。

○経済局長 地元からの要望もあるので現在一か所のみ行っている。見直しについては考えてみたい。


◆(羽場頼三郎君)  皆さんおはようございます。きょうはたくさんの論客が後に控えておりますので,さわやかにまいりたいと思います。

 それでは,通告に従いまして質問をさせていただきます。
 まず,リサイクルの推進についてでございますが,再生資源の利用の促進に関する法律の制定とか,廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正,容器包装リサイクル法の制定など,国は大量生産,大量消費,大量廃棄といった使い捨て・資源浪費型の社会からリサイクル社会へと大きくかじを切りかえようといたしております。この岡山市においてもリサイクル都市を念頭に置いたまちづくりに取り組んできているところで,その方向を確かめる意味で,きょうは質問をしていきたいと思います。

 市長以下市当局は,これまでクリーンセンターの建てかえとか,新しい東部クリーンセンターの建設,最終処分場の確保といったハード面のみならず,リサイクル推進店とか,リサイクル推進員とか,5種分別や,またリユースプラザなど,ソフト面でも他都市と比較しておくれをとらないごみ行政を進めてきたと言えると思います。そうした姿勢なり思想なりがどれだけ隅々まで浸透してるのか,改めてチェックをする意味で質問に入りたいと思います。

 まずは,古紙回収の危機でありますけれども,最近,皆さん方お気づきかもしれませんが,ちり紙交換の声というものが余り聞かれなくなった。「毎度おなじみ,ちり紙交換でございます」とか,そういったスピーカーで流れる声というのが聞こえなくなった。これは,古紙が非常に暴落をしてる,その暴落が今までもたびたびあったわけですが,それが一定の時期には回復をしてきていた。それが今回はどうも回復をする見込みが余りないような,構造的な危機とも言えるような,そういう危機が来ているんじゃないかと,こういうふうに言われております。

 しかし,そうした古紙の暴落が何を招くかといいますと,それを担っている流通システム,集団回収でありますとか,またそれに協力をする業者とか,そういったいわゆる逆流通のルート,これが壊れてしまう可能性があります。一度壊れてしまうと,もとに戻らない。業者で言えば,一度廃業してしまうと,もうその人材なりまた施設というものがなくなってしまうわけですから,値段が回復をしても,もとに戻らないわけです。

 そこで行政としては,打つべきときに手を打たないといけないんじゃないかと,そういう意味でお聞きをしていきたいと思いますが,特に新聞とか段ボール,こういうものの値段が下がってるんですが,いわゆる雑誌類,こういうものが0円とか1円の,そういう値段になってきております。地方によれば,もう既に逆有償になってるということも聞いております。これまでリサイクルされていたものが,ごみになってどんどん出てくる,こういう事態も考えられます。業者にしてみても,今まで運べば幾らかになっていたものが,キロ0円,たとえ1円でも,2トン車にいっぱい積んでも,これ2,000円ですから,とても人件費どころか燃料代も出ないということになってしまいます。

 この原因はいろいろ言われてるわけですが,製紙メーカーの生産抑制だとか,景気の低迷で紙の消費が少ないとか,いろいろ言われておりますけれども,いずれにしても,こういった構造的なものは国が手を打つ必要がある。しかし,国任せにしないで,市のレベルでもできることはやったらどうか。その意味では,まず需要を喚起する意味で,再生紙の利用,これをさらに徹底をしたらどうか。

 市役所で今使われてる紙,例えばきょうの質問通告なんかの紙もそうだと思いますが,こういうものも再生紙を利用してる,これはお聞きをしてるところですが,まだまだ再生紙でない分野もあります。最近では,何か教科書もまずほぼ100%に近い,この再生紙を使うというようなことが新聞にも載っておりましたが,いずれにしても使えるところは全部再生紙を使っていく。また,市内で行われてる町内会などの行事でも,スポーツ大会その他やります。この間,私どもの町内会でもグラウンドゴルフの大会があったりしましたけれども,その賞品に,私も気をつけて見たら,ティッシュペーパーとかトイレットペーパーが出るんですね。そのときによくよく見たら,そこが何とパルプ100%になってる。これじゃいけないわけです。こういうときにも,再生紙のトイレットペーパーなりティッシュペーパーを使ってもらうようによく指導する,こういうことをぜひやっていただきたいと思います。

 まあスーパーにしてもそうですけども,市内の事業者に対しても再生紙を扱うようにと,そういう働きかけをしたらどうかと思いますが,見解をお聞きをしたいと思います。

 そしてさらにですね,どうしても値段が当分上がらないということで,例えば逆有償になってしまう,こういうことであれば,集団回収をやってる団体などへその逆有償を解消するような,以前に鉄の逆有償が問題になったときにございましたけれども,一種の価格補償的なというとおかしいんですが,そういった補助金などの手段で,とりあえず逆流通のルートが壊れてしまうのを回避するような,そういう手段をとったらいかがと思いますが,御見解をお聞きしたいと思います。

 さらに,これは東京なんかの例で,必ずしも岡山でそうだと言えるかどうかわかりませんけれども,大量の紙のだぶつきが考えられた場合には,そのストックヤードを提供することも考えてみたらどうかなと思います。安くなった紙も場合によったらまた資源として使えるわけです。余りに古くなってしまったら,これはもう燃やすしかないんですが,そういう意味で,ちょっと流通のためにストックをする,こういうことも考えられるんじゃないか。この方は私のある意味じゃあ思いつきかもしれませんから質問にはいたしませんが,そういうことも考慮に入れてみる必要があるんじゃないかなというふうにも考えております。

 次は,建設残土,いわゆる建設副産物についてであります。
 この建設残土のリサイクルにつきましては,94年12月議会でもお聞きをいたしておりますけれども,研究が進んでるということでございますので,どういったような方向で処理なり再利用が進んでいるのか,ちょっとお聞きをしておきたいと思います。

 市が行う工事から出てくる建設副産物,建設残土,年間で恐らく40万立米以上だと思われますけれども,その中でどれくらいが再利用されてるのか,よくわかりません。しかし,40万立米といいますと,普通ダンプはたしか11トンぐらいですかね,11トンダンプでもし運んだとしても,5万台分以上の土が掘り返されるわけですから,それがどこかに埋められるなり持っていかれるとすると,幾らまあ岡山市が面積が広い,自然環境が豊かだといっても,いずれ壊れてしまう。そういう意味では,現在の豊かな自然を守っていく上からも,そうした対策を怠るわけにはいかないと思います。そこで建設残土についての対策を,今後どのような方針で進めようとしておられるのか,お聞きをしたいと思います。

 また,発生をするのは,アスファルトとか,コンクリートとか,さらに土とか,こういうものだと思いますけれども,特にアスファルトとかコンクリートについては,ほぼ全量がリサイクルをされてるというふうにお聞きをしておりますので,問題はやはり土だろうと思います。土をそのまま埋め戻しができればいいんですけれども,できない場合には改良土としてリサイクルできると,これが今の動きだそうなんですが,これはどの程度進んでいるのか。特に,やっぱり発生量が多くて,以前から先進的に取り組んでおられる下水道局ではどういった取り組みをされてるのか,お教えいただきたいと思います。

 また,この建設副産物の中で,今申し上げました建設発生土については,原則は大体指定処分だと思います。つまり,出てきた土をどういうふうに処分するのかということを発注者の方で指定をする。それ以外については任意処分だと,これが例外だと思うわけですが,(発言する者あり)

 いや,原則はそうなってると思いますが。(「それは逆じゃ,実態は」と呼ぶ者あり)

 まあ実態についてはどうか,私もそこまでは現場におりませんからわかりませんが,方針としてはやはり指定処分というのが原則であると思います。まあ原則どおり行われてるのかどうか……。

 また,これが産業廃棄物であれば,いわゆるマニフェスト──管理伝票で把握をされると思いますが,そうでない場合,問題になるのがやはり任意処分だろうと思いますが,任意処分の場合にはどういう確認をされているのか,そこをお聞きをすれば,はっきりするのじゃないかと思います。お聞かせください。

 次に,ダイオキシン対策についてお聞きをしたいと思います。
 非常に,このダイオキシンの問題につきましては,昨日も太田議員から質問もございました。またさらに,今議会で私も含めて3人質問をするようですが,岡山市の焼却場から出てるものについては数値も以前公表されましたし,国のいわゆる基準内だということで安心してよいんじゃないかと,こう思いがちなんですが,私は必ずしもそうではないと思います。大体,国の基準にしても,10億分の1でありますとか,こういった単位ですから,これは少ないような感じがしますけどね,逆に考えれば,そういう少ない基準であっても,危険だからそういう10億分の1とかという数値が使われるわけです。

 また,岡山市の岡南環境センターや当新田の環境センター,これ日量450トンとか300トンの処理量ですから,幾ら濃度が薄くても,これは掛ける量ですからね。そうしますと,総量が多い,場合によっては,小さいところは確かに発生の濃度が高いというのがありますけれども,総量からいえば岡山市が出してるものの方がずっと高いという場合もあるんじゃないか。私が聞いたところによれば,総量規制こそ必要だと,こういう議論も出ているようです。

 そして,発生温度が大体600度ぐらいだと出やすいとか,燃やすものによっては発生量が違うとか,まあダイオキシン発生のメカニズムというものが次第に明らかになってきておりますが,それを抑えるには,プラスチックを燃やすという政策そのものを見直さなくちゃならないんじゃないかと思います。

 93年に見直しをされた市の一般廃棄物処理基本計画でも,プラスチックの処理に関する基本方針,ここにはですね,「プラスチックごみは,計画期間内で再生・燃料化等の処理により再利用することを目指す。」と,こうなっているわけです。「当面,焼却処理を検討するが,今後とも技術開発動向を常に調査,検討し,計画期間内におけるプラスチックの処理方法の見直しを行う。」と,こうなってるわけです。基本は,やはりプラスチックはリサイクルをする,燃やさないということだと思います。

 東部のクリーンセンターがプラスチックを燃やして,高カロリーの発生にも対応できるような能力とすると,こういったことで今進んでるようですけれども,そういった燃やしてもいい,燃やすことができるということと,それを燃やさないということ,これは別です。市がどちらを選ぶかということが,これが政策というもんだと思います。

 環境庁が,ダイオキシンとか,鉛とか,カドミウム,こういうものの排出を抑制するために新しい法律の制定に着手したことは御存じの方も多いと思いますが,焼却によってダイオキシンが発生することから,有害物質そのものじゃない──塩化ビニールなんかというのは,それだけでは有害物質じゃないですからね。しかし,それを燃やすことによってダイオキシンが発生するわけですから,そうした塩素を含む樹脂を含めて,回収とか再利用を義務づける,そういう内容の法律をつくろうとしてるわけです。

 同時に,そうした製品が有害物質であるとか塩化ビニールであると,こういったことの表示を義務づける,回収・再利用,これをしやすくする,そういうことが法律の内容です。こういった動きの中から,市として今までどういった取り組みをなされてきたのか,お聞きをしておきたいと思います。

 昨日,太田正孝議員の質問に対する答弁で,公共の施設において安易な焼却はしないと,こういう所沢の条例と同じ姿勢をとってるんだと,こう答弁の中でございました。大変結構だと思います。結構なんですから,それからすると,塩化ビニールが他のプラスチックなどと選別できない,現在はそうですね。私も,どれが塩化ビニールかと言われたって,プラスチックをずらっと並べられたらね,まず普通の人はわかりません。わからないわけですから,プラスチックを燃やすということは,知らずに塩化ビニールを燃やしてるということなんですね。そういう意味で,塩化ビニールの焼却を避けるという意味では,プラスチックの焼却を避けるべきじゃないかと。

 先ほどちょっと申し上げましたけれども,プラスチックを燃やすことができるということで,またさらには最終処分地の延命も図るということで,一部の地域に限ってでありますけれども,プラスチックを燃やすごみに入れている,そういったプラスチックを焼却すること,これをいつまで続けるおつもりなのか,お聞きをしたいと思います。

 例えば,以前にも私取り上げたことがありますけれども,高知市のように,プラスチックを別個に回収して処理をするというやり方だってあるわけですから,プラスチックは焼却と,こういうことを続けなくてもよいと思うわけですが,いかがでしょうか。

 次に,薬剤の空中散布についてお聞きをします。
 松枯れ対策として,その原因と思われる松くい虫を防除するために,農薬を空中から散布をすること,ついこの間も第1回目か何か行ったようですが,県下では寄島町とか美作町とか,もう既に7つの町が今年度から打ち切りをいたしております。この方法が本当に適切なのか,必要なのか考えるべき時期に来てるんじゃないかと思いますので,質問をいたします。

 各町がやめた理由を調べてみますと,まず効果に疑問がある,それから使う農薬に危険性,これも問題がある,また地元の同意がとれないと,こういったことのようですけれども,同じ事情というのはやはり岡山市にもあるんじゃないかと思われます。

 まず,有効性ですけれども,この空中散布も以前からやってるわけですから,効果があるんでしたら,既にもうその効果があらわれてるはずなんですが,なかなかそういうことにはなっていません。

 また,これもある学説によりますと,一時的には空中散布によって松くい虫が減っても,今度はその薬に対する抵抗力を持った松くい虫が生き残って,それが繁殖をして,またそういう被害を及ぼすと。そういう意味では,いわゆる悪循環が続いてるんじゃないかと,こういう指摘もあります。

 また,農薬ですから,松くい虫にだけ効果があって,ほかには影響がないとは限りません。その他の微生物とか,虫とか,小動物にも影響を与え,生態系を狂わせる原因をつくっている可能性もあります。

 もちろん人体に対する影響も心配です。ことし,中止を決めた理由の一つになっている発がん性の疑い,これは深刻だと思います。FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)でつくっております残留農薬専門家会議の方では,昨年,その発がん性に関するデータを日本の製薬会社に求めた。その製薬会社が,殺虫剤のNAC──カルバリルというんですか,その名前まで詳しくわかりませんが,その製造は中止したそうです。また,もう一つの薬剤MEPですか,フエニトロチオンと言うらしいんですが,これらはですね,ヒノキに対する悪影響というものが問題になってるそうです。

 そこでお聞きをするわけですが,市が行ってる空中散布の薬剤は何を使われているんでしょうか。

 また,それによる被害のおそれはないんでしょうか。健康調査というものをされているんでしょうか。

 空中散布が効果が少ない,面積が減った,健康に不安,こういったことから,県下でも取りやめる自治体がさらにふえそうです。全国的にも新潟とか石川の方は,薬剤の空中散布そのものの規制をしようということで,規制を強めている傾向があります。そういう意味からも,岡山市の薬剤の空中散布については見直しをすべき時期に来ているんじゃないかと思いますが,いかがでしょうか。

 次に,消費生活相談室についてお聞きをします。
 市はこれまで消費者大学とか,消費生活講演会,消費生活展,消費生活パネル展,消費生活モニターなど,消費生活を守る施策をとってきましたけれども,直接市民の相談にこたえるといった役割を果たすべき消費生活センターがないということが,私は60万都市として残念だと思っていたわけですが,ことしから,市民生活課に消費生活相談室を設置したということでありますから,時代と市民の要望にこたえる意味で,大変結構なことではないかと思います。その充実を期待をいたしまして,何点かお聞きをします。

 県には石関町の方に消費生活センターがあり,これまでは市民からの相談にもそちらを紹介するということで済ませてきたと言うとおかしいんですが,そういうことになっていたかと思います。市がこの相談室でどの範囲までのサービス提供ができるのか,商品テストなどは無理だと思いますけれども,消費者教育のようなものまでできる体制になってるのかどうか,お教え願いたいと思います。

 また,悪徳商法というものも大変手が込んできておりまして,そういったものに対する対抗措置には法律の知識というものも非常に必要だろうと思いますが,そうしたことについて弁護士とか弁護士会,そういうところとの連携も必要だと思いますけれども,これはどうなっているのか,お聞きをしたいと思います。

 また,そうした消費者問題に関する情報,これをいち早く手に入れることが消費者保護のためにも必要だと思います。そうした情報のソースといいますか,こういうものはどうなってるんでしょうか。

 経済企画庁が所管をいたしております国民生活センター──これは東京にございますが,ここでは,消費生活相談室というものを設置した市に対しては印刷物などの資料提供をしてくれるそうですけれども,それを利用する計画になっているんでしょうか。

 また,コンピューターを使った資料提供もあると聞いておりますが,私もこれ調べてみたんですけれども,これはどうも都道府県と政令市にのみしかこのコンピューターによる資料提供をしていない。岡山市は,準政令市であります中核市ですから,まあ政令市も提供を受けれるんだったら,中核市にも当然サービスの提供を受けられるように要望をすべきだと思いますけれども,そのお考えはございませんでしょうか。

 これらに関連をして,高齢者とか若者とかが悪徳商法にひっかかる例が多いというふうにお聞きしております。こういう「ストップ・ザ・悪徳商法」という,こういうのが,これは市民生活課の方に置いてあるそうです。こういったものをお年寄りに配られたということで,大変これはいいことだと思いますが,成人の日などに新成人にもこういったような冊子,特に漫画なんかでかいてあると,そういう若者も読んでくれるんじゃないかと思うんですが,そういったものを配れば効果的じゃないかと思いますが,そういうことをお考えになっておられるかどうか,お聞きをしたいと思います。

 以上,第1回目の質問を終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)

◎市長(安宅敬祐君) 羽場議員の個人質問に対しまして御答弁申し上げます。

 まず,古紙回収の危機ということですが,再生紙の徹底利用をもっともっと強く働きかけてはどうか,また逆有償部分について補助することは考えられないかというお尋ねでございます。

 本市では,古紙回収は確かに御指摘のように危機的な状況で,リサイクルの輪がそこの部分で絶ってはいけないということで,まず率先するという意味で,全庁的にコピー用紙とか,感熱紙とか,封筒とか,ファイル,いろいろ再生紙利用製品を導入しまして,率先して再生紙の利用促進に努めているところでございます。

 再生紙の利用を促進するためには,古紙混入率の拡大とあわせて再生紙利用製品をユーザーに使用してもらうことが何よりも大切だと考えております。引き続き私どももさらに再生紙利用製品を導入するとともに,その他の公的機関,家庭や事業所などにおいて再生紙を用いた事務用品等の使用を促進するよう積極的にPRに努めるとともに,市内の販売店等に対しても再生品販売の協力要請を強く行っていきたいと考えております。

 集団回収を奨励する観点からは,鉄については,逆有償の場合,キログラム当たり11円を限度として補助を行っておりますが,今後,古紙の引き取り価格の低迷が長引く場合には,鉄と同様の対応が可能かどうかについても検討してまいりたいと考えております。

 次に,ダイオキシン対策でございますが,環境庁が今度塩素を含む樹脂を含めて回収,再利用を義務づけるなどの法律の制定に着手したということですが,市としてどういう取り組みをするのか,あるいはプラスチックの焼却についてどう考えてるかというお尋ねでございますが,本市では環境保全の観点から,リサイクルのできる製品並びに塩素の含まれていない製品づくりなどにつきまして,これまでにも全国都市清掃会議などを通じてメーカーに働きかけを行ってきてるところですが,今後も引き続き要請を行ってまいる考えでございます。

 プラスチックごみにつきましては,まず何よりも過剰包装の抑制,あるいはペットボトルやトレーなど,プラスチック製容器包装のリサイクルの推進を図ることが重要でございます。

 御指摘のように,この次善の策ということで,やむを得ないプラスチック類は可燃ごみとして焼却をしております。

 ペットボトルにつきましては,平成12年度までには全市域でこの分別収集を実施して,これについてはすべてリサイクルにのせる計画でございます。しかし,そのペットボトルに使われてるもの以外のプラスチック製品については,完全にリサイクルにのせる見通しは現段階では立っておりません。

 また,メーカー側に有害物等を含まない製品を義務づけるシステムのめども立っていない状況でございます。したがって,今回の環境庁の立法に大いに期待をいたしておりますが,今後とも全国都市清掃会議を通じまして,引き続きメーカー側の製造責任を明確にするよう働きかけてまいりたいと考えております。

 なお,その他の御質問につきましては担当局長の方から御答弁させていただきます。

◎総務局長(菱川公資君) 消費生活相談の一連の御質問でございます。
 今日の複雑・多様化する消費者からの相談に対応するために,5月30日,小橋町にある岡山市福祉文化会館内に岡山市消費生活相談室を開設いたしまして,6月3日から専門の相談員2人により,休館日を除く平日の週4日間,相談業務をいたしております。

 最近の悪徳商法は悪質化・巧妙化の一途をたどっておりまして,弁護士会や国民生活センター,県の消費生活センターを初めとする関係機関と十分連携を取りながら,相談業務に対応してまいりたいと考えております。

 また,情報は御指摘のとおり大変重要な要素であると考えておりまして,関係機関からの情報収集に努めてまいりたいと考えておりますけれども,御案内のとおり,国民生活センターのオンラインによる情報システムは,ホストコンピューターの容量などの関連で,中核市までは接続されておりません。今後,全国中堅都市消費者行政協議会などを通じまして要望をしてまいりたいと考えております。

 なお,新成人の啓発につきましては,最近は若者が悪質商法のターゲットになることが多いことから,平成5年度より成人式の「はたちのひろば」で消費者啓発のブースを設けまして,御指摘のような,内容的には漫画になっておる若者編の小冊子の配布をいたしております。今後とも,このような機会をとらえまして,消費者啓発に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎経済局長(松本輝夫君) 薬剤の空中散布について,薬剤は何を使っており,それによる被害のおそれはどうか,また健康調査はされているかとのお尋ねでございます。

 空中散布の薬剤については,岡山県松くい虫予防事業実施要領に従い,スミチオンの商品名で知られているMEP──フエニトロチオン含有率80%の薬剤を水で18倍に希釈したものを使用しております。今までに被害報告を受けたことはなく,実施要領に基づく安全基準を守って使用すれば,人体への被害のおそれはないと考えております。こうしたことから,健康調査は実施しておりません。

 次に,全国的にも規制を強めている傾向の中で,本市としても早々に見直しをすべき時期に来ているのではないかというお尋ねですが,本市の松くい虫防除対策については,山林所有者等からの強い要望があり,地域住民の理解が得られる地域において,平成4年度から空中散布を実施しており,その予防効果も認められているところです。

 今後とも,地域性等を勘案し,伐倒駆除,樹種転換とも組み合わせ,松くい虫対策を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎都市整備局長(小塚雅史君) リサイクルの推進についての一連のお尋ねにお答えをいたします。

 まず,建設残土対策の今後の方針についてでございますけれども,建設工事に伴いまして発生いたします残土を計画設計,あるいは施行段階において抑制を図るとともに,それを積極的に有効活用することにつきましては,自然環境の保全並びに建設事業の円滑な推進にとりまして重要な課題であると考えているところでございます。

 ちなみに,今後の建設残土対策のあり方についてでございますけれども,まず建設残土発生量そのものの抑制,それから建設残土の有効利用の促進,それから適正処理の推進,さらに残土処分地の確保,この4点を基本方針といたしまして,さらに調査研究を進め,この対策の具体化について鋭意取り組んでまいりたいと考えております。

 次に,任意処分の残土の処分の確認の仕方についてのお尋ねでございます。


 議員の御指摘のとおり,建設残土の処分につきましては,できる限り指定処分されることが望ましいと考えているところでございます。

 現在,岡山市の建設工事に伴いまして発生いたしますアスファルト,あるいはコンクリート塊などの処分につきましては,建設廃棄物マニフェストにより,適正に運搬,処分されたか否かについて管理されているところでございます。

 なお,任意処分される残土の処分先の確認については,原則といたしまして,工事の請負者がその残土の処分場所の土地所有者と交わした承諾書により確認することとしているところでございます。
 以上でございます。

◎下水道局長(大森信慈君) 下水道局の建設残土再利用状況についてお答えします。

 下水道局の平成8年度実績は,総残土発生量16万4,500立方メートルに対して,約12%に当たる1万9,600立方メートルを改良土として再利用をしております。

 前回質問の平成5年度は17.7%の利用率でありましたが,平成8年度においては,再利用のできないポンプ場,処理場の建設工事に伴う残土が多かったことや,小口径推進工法の増加等により,利用率が減少しました。今後,改良土の利用対象工事の見直しを図り,建設残土のリサイクルに努めてまいりたいと思います。

◆(羽場頼三郎君) それでは,再質問をさせていただきますが,先ほどお答えいただきました薬剤の空中散布ですが,これは所有者がいいと,それから地元がいいからそれでやってると。そういう今レベルじゃないと思うんですね。その薬剤散布による生態系の破壊,先ほども申し上げましたけども,そういったことまで含めて見直しの時期に来てるんじゃないかというふうに申し上げてるわけです。

 ですから,単に薬が効果があるというだけにとどまらないんですね。効果があるんだったら,先ほどもおっしゃいましたけど,伐倒駆除でもいいわけですから。いろんな手段がある中で空中散布をどうしても行わなければならない,そういう理由というものがなくなってきてるんじゃないかと,その意味で質問をさせていただいたわけですから,そういうことも含めてですね,そういった見直しの時期,それがもう今じゃないかと思いますので,これについて再度御答弁をお願いをしたいと思います。

 さてそれから,ダイオキシンの問題ですが,ダイオキシン対策についての市の考え方というのはわかりました。

 実は,そのダイオキシンの規制につきましては,これは国がやろうとしてる。しかし,国だけじゃない。国の動きだけ見ていただけではだめで,そういう意味では,世界の動きというものもぜひ視野に入れておかなくちゃいけないと思います。

 WHOの国際がん研究機関が,ことしの2月14日に,人に対する発がん性があるとの発表をいたしました。これは,これまでのクラス「ツーB」というんですか「2B」というんですかね,こういうことからの分類を変更したんです。がん発生に関するクラスというのは,一応4段階あります。がんは発生しない。それから,がんが発生するかどうかわからない,がんが発生する可能性がある。これが「ツーB」,「2B」ですね。それから,がんが発生する危険性がある。これは2段階の2Aです。がんが発生する,とこういう段階があるわけです。この段階のうちの3段階からもう1段階目だと,がんが必ず発生するんだと,こういうふうに分類を変更したわけです。

 昨年,厚生省と環境庁が中間報告として公表いたしました耐容1日摂取量とかですね,健康リスク評価指針値というものも,WHOが,ダイオキシンが先ほど申し上げましたように「2B」の段階,がんが発生する可能性があるという,その分類を前提としてこの摂取量なり指針値が出てるわけです。そういう意味からすれば,ダイオキシンに対する対策というのは,これはもう真正面から取り組まなくちゃいけない,そういうものだと思います。

 ついでに言えば,ロンドンの地下鉄の駅では塩化ビニールの被覆材,こういうものが使われてる電線というものは使用しないことにいたしました。また,オーストリアのウィーンの地下鉄も同じことになっております。デンマークでも塩化ビニールを被覆材に使わない電線がもう発売を開始されたということが言われております。

 また,オランダのアムステルダム,ハーグ,ロッテルダム,ユトレヒトの各市では,建設材料を適切な順に序列したリストというものを作成をいたしております。そのリスト,まあ何段階かあるんですけど,そのリストの一番下の段階に塩化ビニールが入っているんです。そこはどういうことかというと,とにかく使うことを回避するか,もしくは最後の選択と,そういう意味で一番最後のところに入ってるわけです。そういう分類を行ってる市もあるわけですね。

 また,オーストリアやドイツ,ここらではもう200を超える都市が塩化ビニール使用の回避をする決議とか,その実行,これを行ってるということも報告をされております。さらに,カナダのトロントでは,塩素を含む塩化ビニールの焼却の廃止というものがもう合意をされております。

 こういったことに見られますように,市としてできることはまだまだあると思います。国の動きを待つというのじゃなくて,国より先にといいますか国と同時にといいますか,岡山市がまだまだやるべきことはあるんじゃないかと,そういうことを指摘をし,提言をさせていただきまして,この項は提言にとどめておきます。
 再質問を終わらせていただきます。

◎経済局長(松本輝夫君) 松くい虫の防除対策についてでございますけれども,現在,松くい虫防除に対しましては,伐倒駆除,あるいは樹種転換等,いろいろ図られておるわけですけれども,現在,平成4年から特定の限られた地域で,また要望も強く,地域住民の御理解のある特定の限定された場所で,特に松くい虫の被害のひどい,そういうところをやっておりますが,これから松くい虫の一定の鎮静化等,そういうものも見はかる中で空中散布も見直していきたいと思いますので,ひとつよろしく御理解をと……。


1997/06/17

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