1996/06/17

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平成 8年 6月定例会-06月17日


◆(羽場頼三郎君)  それでは,質問さしていただきますが,今回,私は納税貯蓄組合の問題について質問しようと思っておりましたんですが,邑久町で集団食中毒事件が発生をいたしまして,一昨日の新聞にも岡山市でも菌が検出されたということでありますから,まずこれをお聞きしておかなくちゃいけないと思います。

 幼い2人の命を奪ったこの集団食中毒ですが,本当に御冥福をお祈りをしたいと思います。また,子供を失われた親御さんのお気持ちを思いますときにですね,こうしたことが起きないようにしていくことが我々の務めではないかと思っているところであります。

 その原因につきましては,学校給食のおそれがかなりあるというふうに言われておりますので,こういった同じようなこと,悲劇を繰り返さないためにもその原因の究明ということと,そしてシステムの見直しが必要ではないかと思われます。当局の見解をお聞きしたいと思います。

 また,市として邑久町にどのような協力体制をとられているのか,お聞きをしたいと思います。

 また,給食に使われる材料につきましては岡山市からもかなり持ち込まれているとお聞きしておりますが,これについての調査は進んでいるのでしょうか。どこの責任でそれを行っておられますか。

 そして,邑久町の場合,子供たちに下痢症状が出たけれども,当初これが食中毒というふうになかなか判断ができない,そのことが対応のおくれにつながったと聞いておりますけれども,特に学校の場合においてですね,子供の出席についてどのような注意を払っておられるのか,また何人ぐらい欠席をしたら学級閉鎖などの措置をとられるようになっているのか,またそうした判断はどなたがなされているのか,お聞きをしたいと思います。

 そして,原因究明に当たってネックとなっているのが給食のサンプルですね,これを72時間しか保存していないことにもあると言われておりますが,これは,せめてですね,潜伏期間,4日ないし9日というんですが,平均5.何日ということになると思いますが,その潜伏期間,120時間なり148時間なり,冷蔵保存をしておくことはできないのかと思います。

 また,今回の病原性の大腸菌「O−157」,これが引き起こす食中毒については,専門家であるはずの医師もその診断が難しかったとお聞きをいたしておりますが,保健所はですね,校医や医療機関に対して,今回の大腸菌による食中毒の特徴など,必要な医療情報を提供されているのかどうかお聞きをしたいと思います。

 最後に,この再発防止に向けて岡山市が行っている対策というものをお聞きをしたいと思います。

 それでは,納税貯蓄組合に対する補助金についてお聞きをしたいと思います。

 納税貯蓄組合,御存じだと思いますが,納税者の自主的な団体でありまして,納税奨励の意味で戦後から引き続き,多くの自治体で補助金を交付をいたしております。しかし,当時に比べると,今日では自主納税の原則がかなり定着をし,また市民税では特別徴収,つまりいわゆる天引きですね,そういう特別徴収が大部分を占める現在,納税貯蓄組合を通じて納付をする一部の人たちにだけ助成をするのはかえって不公平ではないか,こういう指摘もあります。自治体によっては補助金や奨励金の名目でお金が交付をされていて,住民の監査請求も東京都の東村山市,そのお隣の武蔵村山市,大阪府の貝塚市,神奈川県の茅ヶ崎市,千葉市など,各地で起きております。

 制度自体の見直しの動きも広がっておりまして,現に東京都の日野市,佐賀県の武雄市,千葉県の我孫子市,富山県の高岡市でも補助金を削減をいたしております。東京の多摩地区,先ほど申し上げました武蔵村山市では補助金の不法支出が明らかになりました。5年前に組合が解散をし,補助金を交付するための条例も廃止をしております。神奈川県の茅ヶ崎市,ここではこの4年間はもう補助金を出しておりません。近く解散をする見通しでございます。

 また,最近では,先月の29日,神奈川県の平塚市でも納税貯蓄組合とその連合会が解散をいたしております。その理由として──これは新聞に載っておりましたが,金融機関へのこの口座振替の制度の普及で個人納付をする組合員がふえた。また,納税団体に税金で補助金を出すことへの批判が強まった。プライバシーを尊重する社会的傾向が強まり,滞納者への督促がしにくくなった。さらに,総会の際の弁当代など,補助金の使い道に対する批判も強まったというふうになっております。

 神奈川県の海老名市でも時代の流れで存在理由がなくなりつつあるので,組合の役割は終わったとして,約3割が既に解散をし,残る組合もおおむね解散の方向にあるということが新聞でも報道されております。その海老名市なんですが,これは補助金ではなくて,納税報奨金という名目で交付をされております。市民から監査請求がございまして,監査委員から納期内納付は国民の義務である,特定団体にだけ公金を与えるのは公平性に欠く不当な支出行為。こういう判断が出されまして,この監査委員の判断が先ほど申し上げましたように,組合の解散につながったということであります。

 こうした動きの中,岡山市でも市民の間から納税貯蓄組合の存在意義や補助金のあり方について疑問が出されているということは御承知のとおりだと思います。

 岡山市でも昭和26年にこの制定をされた納税貯蓄組合法10条,これに基づいて納税貯蓄組合がつくられ,岡山市納税貯蓄組合補助規則というものがあるんだそうですが,それによって補助金が交付をされております。

 過去の5年間を見ましてもですね,7年度が6,329万円,6年度が5,981万円,5年度が6,080万円,4年度が6,118万円,3年度が5,973万円と,毎年約6,000万円の支出がなされております。5年間で3億円を超えております。

 当市で組合に加入している方の市税徴収率は,99.1%とお聞きをしております。市税徴収に一定の役割を果たしてきたことは評価をするべきだろうと思います。しかし,これ組合数は1,766もございまして,県下10市で,また他の中核市の中を比較をいたしましても群を抜いて数が多い。組合員が6万3,000人ほどでありまして,人口に対して約10%,納税者に対しても15.3%にとどまっております。県下の10市の中では,これは最下位ですね。それから,納付期限内納付も下位から2番目,加入をしてない方の市税徴収率,関心があると思われますが,これが97.1%でございます。そういう意味では,2%の差しかないというふうにも言えるかもしれません。この差を埋めるために毎年6,000万円の税金を使わなければならないとなるとですね,効果の面からも制度のあり方を見直さなければならないのじゃないかなと,こう考えているところです。

 納税貯蓄組合法の10条にはですね,地方公共団体は納税貯蓄組合に対し,1,組合の事務に必要な使用人の給料,2,帳簿書類の購入費,3,事務所の使用料,4,その他欠くことができない事務費,この4つを補うために予算の範囲内において補助金を交付をすることができる。ただし,地方公共団体が交付する補助金の合計額は,組合が使用した当該費用の金額を超えてはならない,第2項で,地方公共団体は納税貯蓄組合に対し,組合の役員または組合員の報酬に充てるため補助金を交付してはならないとなっております。

 しかし,市がつくっております補助金の交付申請書,ここにこの交付の申し込みといいますか,申請をするわけですが,この組合員の使用した事務費となっておりまして,その内訳がですね,1,総会費,2,物品購入費,3,その他となっております。これは法10条の分類と明らかに異なっておりまして,法が予定しております使用人や事務所が存在をするような組合が初めからないということになっております。このため,法の趣旨に沿って補助金が出されているかどうか,非常にわかりにくくなっております。それぞれが法のどれに当たると解釈をされているのか,お聞きをしたいと思います。

 また,法の趣旨からすれば,貴重な税金から補助金を出すわけですから,厳格に使わなければならないことは言うまでもありませんから,組合法においてもですね,11条でこの法律の適正な実施を確保するため質問をするとか,帳簿書類を検査させることができるというふうになっているわけですが,組合が使ってる事務費はどのような内容なのか,市は把握をしている必要があると思いますが,どうなんでしょうか。

 その中でも,まず総会費。
 総会費とはですね,会場の借上料,資料の作成費,茶菓子代,さらに広く含んだとしても,税金の話などを聞くような講師を招いたその費用までであります。当然のことですけれども,弁当代は含まれません。しかし,実際にはこの弁当代に化けているという話はよくお聞きをするところであります。また,甚だしいのは旅行の代金に使われてる。旅行の代金に使ったところですね,参加者が,例えばどうしても都合があったりして参加できなかった。そういう参加できない人からは,わしら何で行かれんのにから,というような不満が出た。そこで,今度はしようがないというんで,頭数で割って商品券を配った。商品券を配ったら,今度はほかの人から,我々は税金をたくさん払っとるのに,補助金ぎょうさん返ってくるはずなのに一律に払うとは何事だと,こういう苦情が出ていたということもお聞きをしております。

 昨年交付された補助金を調べてみますとですね,総会費のみ請求している組合が182組合もあります,2,770万3,651円。その他,その他ですよ,その他だけ,何も書いてない,その他のみを請求してる組合が196組合,組合数は多い,金額は238万3,299円。これら両方合わせますとですね,378もの組合があいまいな費用を請求していることになりますけれども,これらについて調査をするお考えはございませんか。

 現状では,その申請者のチェックはだれがしてるのか,またしていないんでありましたらどういう理由なのか,そしてその他というのはですね,法10条でいう何を意味しているのか,明らかにしていただきたいと思います。

 また,2番目に上がっておりました物品購入費,これも法がいうところの帳簿書類の購入費とは違います。この中身をどうとらえればいいのか。場合によってはですね,これもあいまいな支出ということが言えるんじゃないでしょうか。

 これらすべてあいまいな支出に対して補助金を出しているという市民の指摘もございます。補助金の出し方として疑問が出されておりますけれども,これにどのようにこたえるのか,聞かせていただきたいと思います。

 補助金を精査をしてみますとですね,申請より多額の補助金が認められている場合もあります。これは法に反する可能性もあるのじゃないかとも思われますが,まあ単なる事務上のミスだとしてもですね,事務が漫然と行われている可能性があります。十分に注意を払うように徹底をすべきではなかろうかと思います。

 また,補助金が1,000円以下,余りにも低い。私が調べたところによりますと,最低が55円という補助金がある。1件じゃない,複数ある。こういうような経費の方がむしろ余計にかかっていると思われる組合が68もあります。時々ここでもよく言われますが,何かつちが,柄の方が重いつちというのが話に出てきますが,それに当たるのではないかという気がいたします。

 これらを,ついでに申し上げればですね,1万円以下,これでも380組合,全体の22%を超えてる。こうした事態,こうした状態,これら組合にですね,改善を指導するお考えはございませんか。規則を改正するなり,条例を整備するなりして,このような存在意義の薄い組合については補助をカットするとか,適正な運用を指導するとか,こういうことが必要なのではないかと思います。

 最大の問題はですね,やはり組合に加入をしていない一般市民にとって,このような納税貯蓄組合が存在をしたり,いいかげんとしか言いようのない補助金の使い方がもしあるとすればですよ,そういう補助金の使い方を知って,その納税意欲が失われることが一番問題だと思います。加入したくても,例えば近くに組合がないとか,あっても従来からの組合にはよそ者を入れたくないと,こういった雰囲気があるともお聞きをいたしております。

 組合を結成したくてもなかなか困難という場合も多いようですから,組合の運営,これも理想から遠く離れてしまってる,こういうような実情,現状を放置をするということは,市が進めようとしている財政改革の方向に反するのではないかと,こういう気がいたします。

 もちろん,この目的を自覚をされ,総会を開くたびに期限内納付を呼びかけ,また口座振替の推進に協力をしておられる組合もあるということはよくよく存じをいたしております。熱心に組合員のお宅を回って,この納付を勧めているという方もおられる,そういうお話もお聞きをいたしております。そのような組合の方はですね,胸を張って補助金を受け取ってしかるべきだと思います。こうしたこの正常な運営をされてる組合に対して補助金を出すことについて,何ら異議を差し挟むものではございません。しかし,大事なことはですね,いいところには出す,で,おかしなところにはもうカットするなり,指導するなりする,こういうことが必要ではないかと思います。

 市の規則の方ではですね,6条でこの納付期限内に納付すべき額の100分の95以上納付した組合について,補助金としてこの100分の3というのを出すことになっておりますが,先ほども申し上げましたように,組合に入っていない方の市税徴収率は97.1%ということになりますとですね,ほとんど95%を超えとるわけです。こういう場合には,これは市民全体に逆に3%の税金が戻ってこなきゃおかしいじゃないか,こういう声が出てきても当然かと思います。そうした不公平感を生じさせることがないように,この納税貯蓄組合については抜本的な見直しをぜひしていただきたいと思います。

 先ほどちょっと例に挙げさしていただきました東京の武蔵村山市の条例と比較をしますとですね,組合割というのが武蔵村山にはございますが,岡山にはありません。しかし,納税件数割というのがありまして,これは1件につき5円,岡山では1件につき15円です。税割額というのがありますが,先ほど申しましたように,この納付率によって100分の3と100分の4というふうになっておりますが,武蔵村山の場合は100分の1.5です。岡山の場合,さらに組合員の年税額が6万円を超えるときは6万円というのもありますが,いずれにしてもこの補助金として多過ぎるんじゃないかと,こういう感じもいたしますが,どうでしょうか。

 私がさらに問題だと思いますのは,市の補助金が,この補助金ですね,これが規則によって出されているということであります。つまり条例ではない。議会のチェックがしにくいということであります。市民の代表である我々の議会の比較的目が届きにくく,制度創設以来,余り論議がされないままで年間6,000万円使われてきた,これらの組合については行政のチェックも十分と思われませんし,監査委員会の監査も行われていないそうでありますから,先ほど申し上げましたように,補助金の使い方についても指導が十分ではない。これでは,逆に市民の納税意欲に水を差しているのと同じだと思います。

 対象となる税金は,市民税,固定資産税,軽自動車税の3税でありますけれども,その市民税についてはですね,先ほど申し上げましたように特別徴収,つまり給料からの天引きでもう既に税金が納められてる,自動的に。約75%だそうです。

 そしてまた,市の方も力を入れてですね,口座振替を進めております。納税方法としても一般化しつつあります。5年度には,全納税義務者に対する口座振替者は23.9%,また加入組合員の口座振替の利用率は50.8%だそうですが,ことしの調べでは納税義務者に対する口座振替,27.4%,また同じく加入組合員の口座振替利用率は54.8%になっているそうです。加入者の方は4.0ポイント上昇し,全納税義務者の方は3.5ポイントの上昇で,大きな違いは見られません。市としては,この口座振替を今後さらに進めていかれるつもりなのかどうか,お聞きをしたいと思います。

 市民がタックスペイヤーとしての権利を自覚し,その意識の高まりが納付率の向上にもつながっていく,こう思われます。組合の形で納税を進めるのは時代おくれの感がする,こういう声が聞こえてきそうでございます。

 市の行革大綱が12日にまとめられましたけれども,それに先立ってことしの3月29日,「豊かでゆとりあるくらしをめざす市政懇談会」の方から,「行財政運営の基本方針について」という答申が出ておりまして,市長の本会議冒頭の所信表明にも示され,御承知のとおりだと思いますが,この中の第3章の「当面推進すべき重点項目──改革に向けての提言──」の第4節,「財政運営の健全化」,その3においてですね,事務事業,補助金の見直しと合理化が求められております。

 具体的には,補助金についても新たな行政需要や行政目的の中で増加する傾向にあることから,現在の行政水準や行政の守備範囲などを勘案しながら,原点に立ち返り補助目的,補助効果の両面から見直しを行うとともに,その統合やメニュー化,終期の設定などによる合理化への方策を検討していくべきであるとされております。

 かつて本議会でも納税貯蓄組合の存在意義や補助金のあり方については議論をされておりますが,現在はどのような認識でおられるのかお聞きをしたいと思います。先ほど申し上げました答申の趣旨を生かす意味からも,この納税貯蓄組合に対する補助金については,制度としても大幅な見直しの時期に来ていると思いますが,どうお考えでしょうか。

 岡山市も中核市となりまして,地方分権,我々地方主権と言いたいところですが,それを一層進めなければならない重要な時期に当たっております。環境行政や福祉行政,こういったところにさらにこの予算を使わなければならない,そのためには権限と財源が必要であります。必要なところには金を惜しまず,不必要なものは思い切って整理をする,これが実行できなければ,幾ら答申が出ても意味がありません。かけ声倒れに終わってしまいます。

 3割自治と言われるように,国が権限と財源を握り過ぎているということも問題ですけれども,自治体としてのですね,岡山市がその財源を確保する努力,これが必要ですし,職員の意識改革も必要だと思います。さらに,市民もですね,税に対する理解,また補助金を当てにしないでみずからの知識と行動,これで生活を築いていくというそういう努力をするべき時期にも来ているのではないかと思いましたので,今回はこの納税貯蓄組合の補助金について,絞って質問をさせていただきました。

 最後になりましたけれども,この補助金の見直しについて,代表監査委員の御見解をお聞きをしときます。
 以上で第1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)

◎市長(安宅敬祐君) 羽場議員の個人質問に対しまして御答弁申し上げます。

 邑久町の集団食中毒についての御質問ですが,原因の究明とシステムの見直しが必要という御指摘でございますが,御指摘のとおりこのたびの食中毒事件につきましては,徹底的な原因の究明を望むものであります。また,本市としましてもこの原因究明に対する協力も当然と考えております。

 現在,県は病原性大腸菌食中毒対策本部において原因究明に努められているところでありまして,また病原性大腸菌による食中毒が発生したことを受けて,国は厚生大臣の諮問機関である食品衛生調査会において対策等を協議されているところでございます。

 今後は,国及び県から出される報告の内容を本市の食品衛生及び学校給食の施策に生かしてまいりたいと考えております。

 それから,市としてどのような協力体制をとっているのか,あるいは給食材料についての調査は進んでいるのかと,どこの責任でやってるのかというお尋ねですが,今回の集団食中毒事件に際し,本市として食品衛生監視員の派遣,保健婦の派遣及び検査の受け入れについて,協力要請に対応できる体制を整えておりまして,その旨を県及び邑久町へも知らせております。

 また,御指摘のとおり市内の食品取扱業者から邑久町学校給食センターへ給食物資が納入されております。これらの給食物資及び取扱業者につきまして,保健所が食中毒調査の協力の一環として調査を行いましたが,これについては問題はございませんでした。

 それから,保健所が校医や医療機関に対して,今回の食中毒の特徴などの医療情報を提供しているのかというお尋ねですが,医療機関に対しましては6月15日に医師会及び病院協会を通じ,病原性大腸菌O−157が原因と思われる有症者への対応について情報提供を行ったところでございます。

 それから,そのほか岡山市が行ってる対策ということでございますが,保健所におきましては食中毒防止のため監視指導業務を行っているところでございますが,今回の集団食中毒事件を受けて,緊急対策として教育委員会等の関係部署に対し,6月4日付で注意を喚起する通知をしたところでございます。また,12日には学校,保育園等に対する情報提供並びに食中毒防止に関する対策会議を開催したところでございます。さらに,14日からは保健所,教育委員会合同で学校給食施設の緊急立ち入りを行っております。食品関係業者に対しましても保健所の立入検査を強化するとともに,啓発活動を展開しているところでございます。市民の皆様に対しましても,町内会の御協力をいただき緊急の回覧による広報を行ったところでありますが,またさらに7月1日号の市の広報紙によりさらに注意を喚起する予定でございます。

 なお,その他の御質問につきましては担当助役,局長から御答弁さしていただきます。

◎助役(宮崎正壽君) 納税貯蓄組合の存在意義や補助金のあり方及びその見直しについての御質問にお答えいたします。

 納税貯蓄組合は,昭和26年に納税貯蓄組合法が制定され,個人または法人が一定の地域,職域または勤務先を単位として任意に組織された組合で,組合員の納税資金の貯蓄のあっせん,その他納税手続に関する事務を行うことを主たる目的として設立されたものであります。

 現在では,従来の自主納税の推進,口座振替の普及に努力してもらうとともに,地域に密着し幅広く組織されているという利点を生かし,税知識の普及,納税意識の高揚につながる活動をより積極的に推進する役割を果たすための補助金であると認識をいたしております。

 また,納税貯蓄組合の補助金の見直しにつきましては,昭和26年に納税貯蓄組合法が制定されてから既に45年が経過し,納税環境も大きく変化してきていることから,納税貯蓄組合のあり方などにつきまして,行財政運営の基本方針についての答申の趣旨にも沿って,いま一度十分に検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎財政局長(井上宜也君) 羽場議員の納税貯蓄組合に関する質問に順次お答えを申し上げます。

 まず,市がつくってる補助金交付申請書では,総会費,物品購入費,その他となっていて,法10条とは明らかに異なっており,法のどれに当たると解釈されているかお聞きしたい。また,組合が使っている事務費はどのような内容なのか,市はその内容の把握をしている必要があると思うがどうなのか。また,事務費の内訳のうち,その他とは法10条でいう何を意味しているのか明らかにしてもらいたいという御質問でございます。

 答弁といたしまして,まず納税貯蓄組合法第10条第1項でございますけども,納税貯蓄組合に対しまして組合の事務に必要な使用人の給料,帳簿書類の購入費,事務所の使用料,その他欠くことのできない事務費を補助することができるとされております。補助金交付申請書では,使用した事務費の額とその内訳を明記することとしております。したがいまして,法第10条第1項の趣旨に沿った運用をいたしているというふうに考えております。

 また,組合の事務費の内容につきましては,岡山市は補助申請において,こうした事務費の内訳としまして総会費,物品購入費,その他の3分類で申請をすることとしております。

 その事務費の内訳のその他でございますけども,総会費,物品購入費以外の事務費でございまして,具体的には通信運搬費などでございます。

 次に,昨年交付された補助金によれば総会費のみで請求している組合が182組合,その他のみで請求している組合が196組合,合わせて378もの組合があいまいな費用を請求しているが,これらについて調査する考えはないか,また現状では申請書のチェックはだれがしているのか,していないならどういう理由なのかという御質問でございますけども,納税貯蓄組合1,709団体において,補助金申請に当たって補助金交付申請書で包括的に1項目だけ申請している組合につきましては,今後,法に則しまして適切に記入するよう当該組合を指導してまいりたいというふうに考えております。

 また,申請書の内容につきましては,補助規則第6条の補助金の算定基準の合計額を限度として申請金額の算定に誤りがないかどうかについて,税務部税制課において審査をしているとこでございます。

 また,物品購入費も法がいう帳簿の購入費とは違うが,場合によってはあいまいな支出と言えると,補助金の出し方として疑問が出されているが,これにどのようにこたえるか,聞かしてもらいたいということでございますけども,納税貯蓄組合に対しまして組合の事務に必要な使用人の給料,帳簿書類の購入費,事務所の使用料,その他欠くことのできない事務費とされておりまして,こうしたことから組合の事務執行に必要な物品も対象としているとこでございます。

 それから,補助金が1,000円以下と余りにも低く,経費の方が余計にかかっていると思われる組合は68もあるが,これらに改善を指導する考えはないか,またこのような存在意義の薄い組合については,補助を打ち切る必要があるのではないかという御質問でございますけども,納税貯蓄組合の構成員の減少とか,取扱金額の減少によって補助金が著しく少ない組合には,今後組合として適切な活動ができるようその活性化について協議,指導を行ってまいりたいというふうに考えております。

 それから,東京都武蔵村山市と岡山市の比較で,岡山市の方が補助金が多過ぎる感じもするがどうかという御質問でございますけども,まず比較をしてみますと,組合割で申し上げますと,岡山市は現在これがございません。一方,武蔵村山市におきましては1組合について6,000円を補助しております。

 それから,納税件数割につきましては,岡山市は1件につき15円,武蔵村山市につきましては,1件について5円でございます。

 それから,税割額でございますけども,岡山市は完納の場合,納付金額の4%,95%以上の場合は納付金額の3%,それに対しまして武蔵村山市は納付金額の1.5%。

 それから,組合員1人当たりでございますけども,これはちょっと調査時点がちょっと異なりますけども,岡山市の場合,昨年度は1人当たり1,003円,一方武蔵村山市は,'89年度のものでございますけども,組合員1人当たり1,542円となっております。

 また,岡山市の場合は上限を決めておりまして,1税目当たり6万円,一方,武蔵村山市は1世帯当たり4,500円となっております。

 制度が違いますので,一概に比較はできませんが,今御答弁申し上げました比較からすると,必ずしも岡山市の補助金が大きいとは言えないんではないかというふうに考えております。

 次に,口座振替の推進は今後どうするのかという御質問をいただきましたので,これにつきましては岡山市は自主納税,納期内納税の推進の一環としまして,現在「市民のひろば おかやま」におきまして固定資産税,市県民税,軽自動車税,各税の納期時に口座振替制度のPR,口座振替推進月間──これ11月でございますけども,このときのPR,あるいは納期ポスター・納税カレンダー──これはチラシでございますけども,これらなどによるPR,納税通知書発送時に口座振替依頼書──これははがきによるものでございますけども,これらを同封して,あるいは金融機関,市関係施設への口座振替PR物資の配付を行っているとこでございます。

 さまざまな方策をとっているとこでございますけども,今後もあらゆる機会を通じまして,口座振替の推進は引き続き行ってまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◎教育長(戸村彰孝君) 羽場議員の御質問にお答えいたします。

 邑久町におきまして集団食中毒が発生し,小学生が死亡するというまことに痛ましい状況に立ち至ったことに対しまして,関係者の方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 また,亡くなられました2人の子供さんの御冥福をお祈りいたしますとともに,入院加療中の方々の一日も早い回復を願ってるところでございます。

 学級閉鎖についてでありますが,欠席者につきましては学級担任が欠席理由を確認し,学級での健康観察を養護教諭が集計し,学校全体の状況を把握いたしております。

 その結果,欠席率が平素の欠席率よりも急速に高くなったとき,または被患者が急激に多くなりましたとき,その状況について学校からの報告を受けまして,学校保健法第13条によりまして市教育委員会において臨時休校措置をとっておるところであります。

 この場合,基準を一律に定めることは困難でありますので,学校内の状況や地域における被患状況を学校医の先生,そして保健所と相談いたしまして,時期を失することがないよう努めておるところであります。

 次は,給食のサンプルの保存期間のことでございます。
 保存食につきましては,現在は文部省通知によりまして,学校環境衛生の基準に示された72時間以上というものがありますが,これを根拠にいたしまして,現在72時間の保存としておりますが,今回の事態にかんがみまして適切な措置を今後講じてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎代表監査委員(槌田邦夫君) 納税貯蓄組合に対する補助金について,制度としても大幅な見直しの時期に来ていると思うが,監査委員の見解はというお尋ねでございます。

 納税貯蓄組合法は,納税資金の貯蓄を目的にして組織された組合に助成の措置を講ずることにより,その健全な発達を図り,租税の容易かつ確実な納付を目的に昭和26年に施行されました。

 これを受けて納税貯蓄組合は,当時の厳しい納税環境の中で,納税意欲の向上及び収納率の向上に大きな役割を果たしてきたところであります。

 しかしながら,納税環境が大きく変化している今日,現行補助制度についての補助金の見直しとその運用も含めて,適切な措置がなされるよう検討の必要性があるのではないかと考えております。
 以上でございます。

◆(羽場頼三郎君) それでは,再質問をさせていただきたいと思います,時間が余りありませんが。

 実は,お手元にも少し資料を配付をさせていただいとりますが,多少参照していただきながら,この納税貯蓄組合の問題というのは,まあこれにとどまらず,今の補助金や補助制度,これを見直さなくちゃならないという,市のある意味では大方針,それにかかわる問題だと思いますので,まあ納税貯蓄組合に限らずすべてそうした行政に対して目配りをしていく,これが大切ではないかと思います。

 昭和58年の12月本会議の質問で,当時の妹尾議員に対しましてはですね,納税貯蓄組合に対する補助金については,当時だと思いますが,行革推進会議で今後縮減の方向で再検討が必要であるという指摘があるが,その方向をいつスタートさせるかについては,当面据え置きとしたいと,こう当時の財政局長が答えられております。据え置きにした結果が今日のようなことになってるわけでありますが,先ほどの答弁はですね,据え置きにしないということだと思うのですが,その確認の意味でお答えをいただきたいと思います。

 私がこの質問をするきっかけとなりましたのはですね,やはり「豊かでゆとりあるくらしをめざす市政懇談会」の中でありますが,ここで補助金の見直しをすべきじゃないかという議論が出ました。その後にですね,非公式の,まあ雑談の中でですね,私の耳に聞こえてきたのはですね,こうやって補助金の削減を我々が提言しても,どうせ市議会の方に行ったらいろんな人がその補助金に関係しとって,つぶされてしまうんじゃないかと,そういうような声が聞こえたんですね,私の耳には。で,そんなことはない,我々は議会人としての見識を示さなくちゃならない。その意味では議員諸氏の皆さんの御賛同もいただけるかと思いますが,そうした意をお酌み取りいただきまして,ぜひともこの補助金の見直しについては,これは行政のみならず議会も歩みを合わせると,この決意で取り組んでいきたいと考えております。先ほどの質問についてぜひお答えをお願いしたいと思います。

◎助役(宮崎正壽君) 羽場議員の再質問にお答えいたします。

 納税貯蓄組合に対する補助金につきましては,最近では昭和61年に補助要件及び交付制限につきまして一定の制度改正を行いましたが,その後基本的には改正はありませんで,そうした意味で議員御指摘のように据え置きとなっております。

 ただ,その後も所得水準の向上ですとか,口座振替の普及等,納税をめぐる環境に大きな変化が生じてきております。また,小規模な組合をどうするか,補助金の交付の内容や運用が現状のままで果たしてよいのかなど,検討すべき課題が幾つかございます。見直すべき点は見直すということも考慮に入れまして,十分な検討を尽くしたいと考えております。
 以上でございます。


1996/06/17

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