1995/06/20

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平成 7年 6月定例会-06月20日


◆(羽場頼三郎君)  それでは,通告に従いまして質問をさせていただきます。私が最後でございますので,お時間ございましたら,これは傍聴席の方ですが,議員の皆さんは最後までどうぞおつき合いをよろしくお願いいたしたいと思います。

 さて,まず町内会の名簿についてですが,これは毎年6月に町内会のこうした名簿が出されます。ここにですね,これもちょっと古いんですが,この空白の欄というのがございまして,町内会の名前は書いてあるんですが,また組とか加入世帯は書いてあるんですが,代表者とか連絡先とか電話番号というのはございません。これは,ここでいえば新福の町内会と,それから豊浜の町内会ですが。ここに町内会がないから載ってない,そうじゃあないんですね。私が確かめたところによりますと,ここには町内会があるんです。1つじゃあなくて,しかも2つある。これはどういうことになっているかといろいろ調べさせていただきましたが,以前,日隈という会社がですね,地元の合意を得ないで場外馬券売り場を設置しようとしてもめたところなんですね。特に,新福の町内会はですね,町内会長が勝手に合意の判を押したことがありまして,それによってその町内会長が不信任となり,新たに町内会長を選出したところ,いわゆる推進派,今その判こを押した方の町内会長さんの方がですね,そんなことは認めないとこう言って,結果として2つの町内会ができてしまったところで,その対立が続いていたわけですが,現在でもその町内会があるので,そのあるものをなぜこれは私は載らないんだろうかということできょうの質問になったわけでございます。

 推進派のこの町内会長さんの方が他方の町内会長を訴えまして,裁判で争っておりました。その裁判,1,2審ともいずれもこれは推進派の主張が退けられまして,最高裁まで行きました。最高裁の結果──最高裁で審理をした結果,この推進派の方の町内会が敗訴をいたしました。もうこれが確定をいたしております。その争点の1つにですね,1つの地域の中に町内会が2つあっていいのかどうかということが争われているんですね。推進派の方は,これはもう2つあってはいけないんだと,1つだけだと。我々が正当なんだから,我々以外の町内会を認めるべきじゃないという主張をしている。ところが,裁判所の方ではですね,そうじゃあない。もともと自主的な団体であり,また住民によって構成されるもんだから,1つの地域に2つあっても,それは別にどうってことはないと,こういう判断を出しているわけですね。ですから,町内会の名簿なんですからね,2つあれば,その実態どおり載せてもいいんじゃないかと,こう思いますので,どうでしょうか。ことし間に合うか間に合わないかわかりません。もし間に合わなかったらいつも追加を出されますのでね,そういうところで明らかにされたらよろしいんじゃないかと思いますので,当局の御見解をお聞きをいたします。

 次,ごみの最終処分場の今後についてです。
 今回の代表質問,一般質問でも,ごみの問題たくさん出ました。特に,先月最終処分場が,新しい最終処分場山上が使われるようになりましたので,それに関連した御質問が多かったと。私はもうちょっとそこのところは避けまして,質問をさせていただきたいと思います。

 先日,私福岡県の久留米市に参りまして,そこで問題になっておりますごみの最終処分場の予定地を見学をさせていただく機会を得ました。山の奥,川の最上流部に当たりまして,そこではですね,貴重な植物があるとか,また小動物が生息をしている。地元にとっても残すべき自然があると,こういうような説明を聞いてまいりました。私はその説明をお聞きをしながら,ああ岡山の山上にも当然残すべき自然があったなあと。ごみの非常事態宣言下であるとはいえですね,自然の破壊というものをやむを得ないものとして私自身も受け入れてしまったなあと,こういう反省をしながら,そのお話を聞いてまいりました。

 もともとごみ問題の解決というのはですね,ごみの一部だけを取り上げてもだめなんで,まずはごみの発生源といいますか,ごみを水の流れに例えると最上流部ですね。それこそごみをつくってるところといいますか,まず商品としてつくるそこから考え,その段階でごみとなるべきものは減らす。流通の段階でもごみのことを考えた流通,例えば一方通行の物の流れじゃなくてね,それが再度返ってきてもう一度使えるような,容器の問題なんかがそうだと思いますね。そして,消費の段階,我々が使う段階でもですね,そうした再利用ができるものを使っていく,もう使い捨ての商品をなるべく使わない,そういった消費生活のですね,あり方,これも考えて。すべての面でリサイクルを進めていって,最終的にもう,理想を言えばですね,ごみそのものをなくする。これ,逆の発想でいえばですね,ごみの最終処分場をもういっそのことつくらないと,こういう発想も出てくるかと思います。もし,これは現実の問題で,実は東京にも大阪にももう全国各地にもうごみの最終処分場がないというか,できないといいますか,つくることができないところがたくさんある。そこではですね,もう処分場がないわけですから,とにかく埋め立てということはできないんだから,現実のところはですね,よそのところへ持っていって埋めたりしてるんですけどね。自分のところで埋め立てることができませんから,とにかくどんなことをしてでもごみを減らそうという,そういう町を挙げての努力をされております。

 岡山市もですね,ここで山上の最終処分場ができました。見通しとして,長ければ10年ぐらいもつんじゃないかと,これは努力の上ですけどね。そういう,私に言わせれば執行猶予の期間ができたと思えばいい。ここで,まだあと8年なり10年なりあるんだから,その間にまた次の大きい処分場を見つけておけばいいと,こういう発想では,私はごみの問題の解決にはならないと思います。特にですね,今の最終処分場,特に最終という名前はついておりますけれども,簡単に言えばですね,土の中に埋めておくというだけのものなんです。しかも,埋めるためにはシートを敷いたりして,ほかに汚れた水が流れ出ないようにしておくとか,そしてそこにたまった水は,これは処理をして害を取り除くといいますか,そういうことをしなくちゃなりませんから,この費用が非常にかかります。

 今,実はごみの最終処分場に敷かれるシート,これも非常に問題になっておりまして,岡山の場合は大丈夫とは思うんですが,岡山なども含めて全国の最終処分場のモデルと言われております東京の日の出町ですね。日の出町の処分場で環境破壊が非常に問題になっておりまして,そこに有名な──有名かどうかは知りませんが,画家で田島さんという方がおられまして,田島征三さんという絵本をかかれたりしてるので,実はきょう絵本を持ってくるのを忘れまして申しわけないんですが。その方なんかが最終処分場の問題を取り上げて仮想されてるわけですが,そのシートから有害なものがしみ出てるんじゃないかと。そこを調査をしてるわけですね。これは,水の中にですね,電気を通しましてですね,水の中に含まれた重金属類等の有無を調べる電気伝動度というもの,そのデータを出しなさいというようなことをやりまして,これは裁判で実はここも勝ってるんですね。勝ってるんですけども,まだ見せない。見せないもんですから,裁判所の方がですね,5月13日からデータを見せるまでの間,毎日15万円ずつ払いなさいという,そういう判決を出した。毎日15万円ですよ。何か,聞いたところによると6月1日の時点でもう既に300万円。それから大分たってますから300何十万円,400万円近い金が出てるんじゃないかと思うんですが。それだけのお金を払っても見せないデータというのは非常にひどいもんじゃないかなあという推測をされてます。もう岡山の場合はそういう心配がないと思いますので,これはもしそういう問題が起きた場合はですね,データはちゃんと公開をしてもらいたいと,こう思いますが,それほどごみの最終処分場のは非常に問題が大きい。それから,先ほど申し上げましたように非常にお金もかかる。

 そういうわけですから,最終処分というときにはですね,実は埋めるんじゃなくて,もっと別の方法。例えば,焼却灰であればですね,これを再処理をしてブロックにするとか,前にも一度提言をしたことがございますけれども,それから灰の溶融をして,それをまたアスファルトやコンクリートの骨材に使うとか,またセラミックに利用して製品にするとかですね,また埋められるものの中でプラスチック類,これは燃料として使うようなことに考えるとか,そうやってですね,徹底的なリサイクルをして,とにかく物を埋めてしまわないと,そういう発想に持っていくべきじゃないかと,こう考えられるわけです。

 なぜ私がこう申し上げるかといいますとですね,第3次総合計画,これの実施計画におきましてはですね,山上の処分場ができたら,さらに大きな処分場の建設を推進すると,こういう方向が出されております。私はこれは本当によいのだろうかなあと思っておりまして,リサイクル社会岡山を本気でつくるんだったらですね,むしろ最終処分場がない,そういう岡山であることを目指す,この方がいいのじゃないかと思っております。そういうことから,今の山上の次をどうしようとしてるのか,これをぜひお聞きをしておきたいと思います。当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 それからですね,実は順序をちょっと私が間違えておりまして,もう一つ。今度は岡山城の築城400年の記念事業についてお聞きをしておきます。

 いろいろと今回も質問が出ました。また,私はこれを機会にそれぞれの地域が活性化をする,こういう発想が必要じゃあないかなあというふうに思っております。実は,最近盛んになっております公民館活動を見ますとですね,公民館単位でいろんなことをやっておりますので,そういうこともひとつ考え方として取り入れたらどうかと,提案を申し上げます。

 昨年,広島のアジア大会でしたか,1公民館1国応援というようなことをやっておられました。これによって一つの地域と,またほかの国とがつながる,相互理解が進む,そういったことがテレビでも放映をされておりましたけれども,それぞれの地域,そこにはですね,例えば昔の掘り割りの跡が残ってるとか,また新田開発があって非常に先人が苦労したとか,いろんなことがあると思います。どこの公民館でしたか,烏城紬をやってるとかいうのがありますから,そういうそれぞれの公民館でですね,築城400年に向けて地域の活性化をあわせて考えていく,そういうことをやられたらどうかなあということでひとつ提案をしときます。お考えを聞かせていただきたいと思います。

 さてその次,内申書の開示の問題でございますが,これは内申書というよりはですね,指導要録の開示と言った方がどうも正しいようなんですけれども,一般的にですね,内申書の開示という言い方をされておりますので,私もこの場では内申書という言葉を使わせていただきたいと思います。

 以前にも,この問題につきましては教育長の御所見をお伺いをしたところでございますが,新しい教育長を迎えることができましたし,また自然を敬い人間を愛することを信念というふうにもお伺いいたしました。ほかの自治体でも,この開示を決定したところはあると聞いておりますので,ここで再びこの問題を取り上げさせていただこうと思っております。

 内申書に響くぞと,こういう言葉を聞いて皆さんはどうお思いになるでしょうか。実は,私はこの内申書の問題はぜひ解決を図らなきゃならないと思いまして,さきの市議会の選挙でもこの問題を取り上げさせていただきました。いろんなところで街頭で演説をしたりしたんですが,学校の放課後で学校の近くで演説をいたしますとですね,中学生や高校生の子供さんたちが寄ってきまして,あるところではですね,「おっさんおっさん,僕らに幾ら言うても僕らあ選挙権ないよ」と,こう言われます。「選挙権なくてもですね,君たち自身のことなんだから真剣に聞いてくれ」と,こう言ってお話をいたしましたらですね,大変大きな拍手をいただきまして,本当に子供たちに選挙権があったらなあと思ったわけですが。それは別としましてですね,私がそこで何を言ったかといいますと,内申書というのは本来子供たちのいいところ,例えばお年寄りを大切にするとかですね,学校の,例えば生徒会活動に熱心だとか,そういういいところを評価をして,点数にあらわれないいいところを評価をして入試の際にプラスの評価をしようと,こういうもんだった。ところが,現状はどうかというと,プラスの評価じゃなくて,逆にですね,子供たちがちょっとでも反抗のそぶりがある,そしたら「おい,そんなことをしたら内申書に響くぞ」と,こういう使われ方をする。これおかしいんじゃないか,どう考えてもおかしい。子供たちを健やかに伸びやかに育てようとする,それなのに逆のことになってしまった。このまま続けていたんでは,私は岡山の子供たちのためにならない,こう思ってどうしてもこれは変えたいと思っております。

 内申書の制度というのは,先ほど申し上げましたように理想としてはいい制度のようですから,制度がもし変えられないんだったらですね,その中身をこの我々の手で変えられるところから変える。岡山市のレベルでもし変えることができるとしたらですね,それは内申書の内容を子供に知らせるようにしたらどうかと。そうすればですね,先生から内申書に響くぞというような言われ方をしなくて済む。それはそうでしょう,自分で見ることができますからね。しかも,自分の情報ですから,子供にとって自分の情報ですから,自分の情報を自分で見たいというのは,それはもう子供であろうが大人であろうが当然の権利です。これを知る権利というんですね。その知る権利については,先ほどもお話出ましたけれども,子供の権利条約,これを我が国では批准をいたしておりますから,そこでも子供の知る権利はこりゃあ守られなければならないと,こうなっています。この権利をですね,制限をするには必ず法的な根拠が要ります。これは常識ですが。私もどうも,調べてみたんですけれども,そういう根拠はどうも見当たらないなあという気がいたします。

 我々の次代を担う子供たちが,内申書に響くぞと言われてすくすくと,伸び伸びと育つとは思いません。私は,今の進路指導のあり方としてもおかしいと思います。こういうこと,私はあってはいけないと思いますが,教育長の見解をお聞きをしたいと思います。そして,先生と生徒の信頼を取り戻すために内申書の内容の開示,これをする考えがあるかどうか,お聞きをしたいと思います。

 今,だめなのはですね,子供が知りたいといっても教えちゃだめ。それから,先生の方で教えてやろうと思っても,それもだめだということになってんですね。これをぜひ我々の手で改善をしていきたいと思っておりますので,お考えをお聞かせください。

 それから,5番目ですね。これは太陽発電と書いてありますが,太陽光発電と言った方がいいかもしれませんね。これは,昨年の12月の定例議会でも私も取り上げたところなんですが,状況がさらに変わりつつありますので,お聞きをしておきたいと思います。

 17日付の新聞には,産・官・学でつくっております明日の暮らしを考えるプロジェクトという研究団体がございますが,その成果をもとにソーラー発電を取り入れた高齢者向け住宅を開発し,そこに参加した会社が実際にですね,市内西市に実験ハウスを建てたということが報道をされております。さらに,その直前には,我が市の観光物産課が貝殻山にですね,ソーラー発電付の公衆トイレを設置をしたというようなことが報じられております。また,近年ソーラーカーレースというのが非常にはやっておりまして,注目を浴びております。さらに,昨年でしたか,上道の給食センターにソーラー発電設備が設置をされておりまして,もう既に電力会社の方に余った電気を売電をしております。こういうようなことがございますので,特に古くて新しい太陽の光エネルギーというのがなぜこれほど注目をされてるか。私が申し上げるまでもないと思うんですが,現在の水力,火力,原子力などのそうしたエネルギーというものがですね,地球の限りある資源を使って発電をするという,そういうやり方が限界に私は来てるんじゃないかと思います。

 苫田ダムの例を挙げるまでもありません,今新しいダムをつくるということはもう大変困難だと思います。自然環境の破壊も伴います。阿哲郡神郷町の三室川にダムを建設する計画があって,それに対してはですね,倉敷の自然を守る会など,地元もそうなんですけれども,挙げて反対の声が上がってる。そういう状況もありますし,また石油や石炭を,最近はどうか知りませんが,石炭を燃やすかどうかは知らないんですが,火力発電というのは非常に資源の枯渇を招くし,また煙などの公害が発生をする。さらには,炭酸ガスの発生による地球温暖化,これが深刻な状況になりつつある。こういうことで,行き詰まりがもう目に見えております。原子力につきましても,いろいろ議論はあるようですけれども,本来持っている危険性に加えて核廃棄物の処理については非常に難しい。こういう状況でございますから,やはりクリーンなエネルギーを使おうと,こういう社会の動きというものが出てくるんじゃないかと思います。特にこの岡山市,晴れの国と言われておりますように,そうした自然環境を非常に,太陽の光を利用するには有利な状況にありますから,ぜひ岡山市もさらに積極的にこの普及に力を入れていただきたいと思うところでございます。

 通産省の方でも,これは一般家庭への普及を目指したモニター制度というのがスタートをいたしておりまして,もう2年目に入っております。工事のほぼ半額を補助しているような制度なんですが,そういった制度もあるということで質問をさせていただきます。

 1,教育委員会,観光物産課に続いて,さらにほかの部局でソーラーの採用は検討をされているのでしょうか。
 2,岡山市で,先ほどもちょっと申し上げました通産省の補助制度にプラスをするような,そういう補助制度みたいなものはできないものかと。
 そして,3として,ソーラーを含めたそうした新しいエネルギーの普及を図る窓口とか担当と,こういうものの設置については研究をされるということだったんですけど,検討はその後どうなってるかということをお聞きしておきます。

 最後になりました。小学校区の見直しについて質問をさせていただきます。

 小学校の規模というのは,これは大き過ぎてもですね,小さ過ぎても,なかなか教育の実が上がらないというようなことが言われております。特に,最近市内の中心部においては子供の数が少なくなってきた。ドーナツ化現象ということをよく言われるんですが,それによってですね,教育にも差しさわりが出てきたというふうにお聞きをいたしております。本当は,子供の数が少ないとですね,一人一人に目が届く,いいじゃないかとこう思いがちなんですが,しかし団体としての活動はできません。場合によったらですね,団体競技,サッカーのチームができない,チームは1チームぐらいはできるかもしれませんけどですね,あれは2チームないと試合になりませんからそれらができないとかですね,それから友達の数が極端に少なくなってしまうとかと,こういった問題があるようです。私も市内南方の小学校に通っておりましたので,最近聞いてみると,もう我々が通ったころのもう何分の1という数になっております。だから,これは例え話ですけれども,南方小学校というのはかつて弘西の小学校から分離してできたというふうにお聞きしておりますから,もう一度統合するとかね。統合した際に,例えば南方小学校の,弘西の小学校もそうかもしれませんけど,先輩がですね,我々が出た学校が名前がなくなる,けしからんと,もし言われればですね,そこはちょっと知恵を働かしてですね,新しい小学校を弘西南方小学校という名前にするとか,何か考えてですね,子供たちに一定の教育環境を保ってやるというのは我々の役目なんです。ですから,親の気持ちではなくてですね,子供にとってどうかという発想で学区の問題も考えたらいいと思います。ぜひ子供たちが,それこそたくさんな友達と一緒に遊んだり勉強したりという,そういう成長の過程をちゃんとつくってあげることができたら私は親の不満もね,そういう意味では解消されるんじゃないかと思いますので,次の質問をさせていただきます。

 学区の見直しというのは当然学区の統廃合というものを視野に入れなければなりませんが,これを議論をするのはどの場で行っているのか。また,児童数がどれくらいになるとその検討を始めるのかということだけお聞きをしておきます。

 以上で1回目の質問を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)

◎市長(安宅敬祐君) 羽場議員の個人質問に対しまして御答弁申し上げます。

 第3次総合計画において,山上の最終処分場の次にさらに大きな最終処分場の建設を推進するとあるが,それでよいのかと。最終処分場がないまちを目指すことと矛盾しないのか。山上の次をどうしようというのかというお尋ねでございます。

 この問題は,社会・市民クラブの華房議員の代表質問にもお答えしましたように,岡山市もごみゼロ社会の構築を基本理念としておりまして,埋め立てごみも可能な限りの減量を図っていきたいと考えております。将来的には,ごみの直接埋め立ては行わず,焼却残渣及び不燃性の処理残渣のみを最終処分の対象とすることを考えております。また,焼却灰につきましては,確かに溶融化する方法もありますが,そのために別の大規模なエネルギーを必要とするなどの問題がありますし,溶融化した灰の舗装等への利用についてもまだ実験段階でありまして,需要について問題があります。最終処分場を建設しないというのが一番望ましいんですけれども,現実はリサイクル率はまだ3%前後ということでもございますし,私はまだこのごみゼロ社会というものに至る,これは目標でありますが,一歩一歩階段を上がっていくような努力を,血のにじむような努力をしなければならないというふうに考えております。廃棄物処理法には排出者責任の原則を明確にうたっておりますし,それは製造者責任ということも最近容器包装物リサイクル法にも見られるところであります。本当に自分がつくるものについて責任を持つ,出したものについては責任を持つという排出者責任が単なる努力義務に終わってる,ようやく容器包装物について緒についたばかり,これでは本当に私どものごみゼロ社会に至る道は極めて厳しいものがあろうかと存じます。しかしながら,我々はこの努力をさらに続けていかなきゃならないと考えておりますし,私どもの岡山市がリサイクル社会岡山をつくること,これが大目的であることには間違いはありません。しかしながら,まだまだそれに至る道険しいということから,しかし当面の目の前のごみをどうするかということがあります。そういう意味で,ごみゼロ社会を目指すとはいえ依然として最終処分場が必要であると,現段階ではそういうふうに考えております。ただ規模につきましてはさらに精査しなきゃなりませんが,ある程度の規模のものを確保し,長期間埋め立てのできるものを計画してまいりたいと考えておるわけでございます。

 なお,その他の御質問につきましては,担当参与から御答弁させていただきます。

◎参与(山本俊介君) 町内会名簿の中に代表者の名前が空欄になっているがというお尋ねでございますが,御指摘のほかに2,3カ所空欄になっておるところがございます。いずれもそれぞれの町内会が何らかの事情がありまして,町内会長が,あるいは代表者が不在であったり,あるいは複数の方から代表者である旨の届け出が出されてるということで,どなたをお受けすればよいかわからないために,やむを得ず空欄としているものもございます。

 また,御指摘の新福町内会でございますが,過去場外馬券売り場建設の賛否をめぐりまして2派に分かれて運動を展開されまして,その結果,両派の代表が各町内会の会長になって別々の活動をすることの是非について裁判で争われたことがございますが,最高裁まで持ち込まれた結果,同一町内に2つの町内会が存在するということを認める判決が下されております。両方の町内会及び町内会長を名簿に登載することに何の問題があるかという御質問でございますが,最高裁の判決では1つの地域に2つの町内会が存在することも認められるという判決が出されておりますけれども,住民自治の観点からすれば,市は地域の触れ合い,助け合いを支援し,推進する立場にあると考えております。現実に場外馬券売り場をめぐりまして賛否両論がございました。その地域に居住し,日々生活しておられる住民が反目し合っている状況の中で,複数の町内会長名を名簿に登載することは推進派,反対派,またはいずれにもかかわりたくないグループにはっきり色分けをするということになります。トラブルを助長する結果になると考えております。また,新福町内会と同様にトラブルを抱えている町内会におきましては,必ずしも複数の町内会長名を登載することを望んではおられないという事情もございます。最高裁の判断は参考にさせていただきたいと思いますけれども,市といたしましては,できれば町内会が1つにまとまって円満に運営していただくように,引き続きお願いをしてまいりたいと考えております。
 以上です。

◎参与(安井英二君) 太陽発電の普及についての一連のお尋ねでございます。

 まず,教育委員会,観光物産課に続いて,さらに他の部局にソーラーの採用は検討されているのかというお尋ねでございます。

 太陽光発電につきましては,旭東浄水場の滝の揚水,上道学校給食センター及び貝殻山の観光トイレのほか市有施設の屋外照明灯用電力として検討した部署もありますが,コスト高などの問題があり,実現いたしておりません。また,太陽熱利用につきましては,養護老人ホーム富崎園移転改築工事の際のソーラー給湯を計画しております。今後も市有施設への導入を初めとして,限りある資源を有効活用するとともに,地球環境保護の観点から,採用について検討してまいりたいと考えております。

 次に,通産省の補助制度にプラス補助をすることはできないかというお尋ねです。

 通産省が昨年度から行っている個人住宅へのモニター補助制度の予算額が本年度から大幅に拡大され,一方補助率は昨年よりも若干下回りましたが,補助対象件数の増加により,メーカーにおきましても製品のコストダウンが図れるなど普及に向けて一層の取り組みが進められております。市がプラス補助することにつきましては,モニター事業のデータ結果等を踏まえながら,さらに研究してまいりたいと考えております。

 次に,ソーラーを含めた新エネルギー普及の窓口はどうかというお尋ねです。
 クリーンな石油代替エネルギーとして,政府も昨年12月新エネルギー導入大綱を定め,長期エネルギー需要見通しを達成するための基本的な考え方を示したところであります。しかしながら,地方公共団体等地域レベルの取り組みは導入に関する知識,ノウハウの蓄積など,まだ体制が整っていないのが現状でありまして,今後とも研究してまいりたいと考えております。
 以上です。

◎教育長(戸村彰孝君) 築城400年記念行事につきましての羽場議員の貴重な御提言をいただきまして,ありがとうございました。

 お話にございましたように,岡西公民館におきまして烏城紬をやっておるわけでありますが,その他の公民館におきましても,歴史探訪やふるさと再発見講座など,歴史の掘り起こしを通してさまざまなノウハウを蓄えてきております。築城400年に当たり,それを活用して地域興しに寄与できればすばらしいことであります。今後,このような地域特性を生かした事業の展開を各公民館で図れるよう努力してまいりたいと思います。

 次に,内申書の問題でありますが,お話にございました内申書に響くぞという,生徒を内申書でおどす,脅迫して指導するというやり方はまことに拙劣でありまして,言語道断であります。厳に戒めたいと思うんであります。

 さて,本題だと思うんでありますが,これを,内申書を開示する考えはないか,あるいは指導要録を求めに応じて開示するかと,こういう御意見でございましたが,内申書と言いますか,調査書でありますが,あるいは学習指導要録は岡山市情報公開及び個人情報保護に関する条例で開示しないことができるものの中に入っております。また,平成7年度岡山県立高等学校入学者選抜実施要項におきましても,選抜に当たっての資料は公開しないとしております。したがって,現在では内申書の開示は困難であるという実情でございます。しかし,情報公開の大きな流れというのがあることも御指摘のとおりでございまして,この問題につきまして私自身も調査研究をしなければいけないという認識は持っております。きょうのところはそこまででございます。

 それから次は,学区の見直しについての問題でございますが,このことにつきまして一括答弁を申し上げます。

 本年度から,地域ニーズにこたえる学校施設機能について検討いたします委員会を設置する予定にいたしております。その中で,御指摘の適正な教育条件と学校規模のあり方などにつきましても検討し,報告をいただきたいと考えております。お話にもありました,子供にとって何が一番大切かという観点から検討をお願いするつもりでおります。学区の見直しが必要との報告が出されました場合は,議会の文教委員さんを初め,学識経験者等で構成いたします通学区域設定審議会で審議をお願いしたいと考えております。

 なお,学区の再編につきましては,単に現在の児童・生徒数だけでなく,将来の見通しや通学距離,安全面など通学上の問題もあり,このことも含めまして学校施設機能検討委員会の中で慎重に検討していただきたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。

◆(羽場頼三郎君) あと5分残されております。

 教育長,どうもありがとうございました。きょうのところはということでございますので,私の方もきょうのところはここまでにしておきますが,先ほどおっしゃってくださいましたように,やはり子供にとってどうかという角度から先ほどの内申書の問題も,学区の問題もそうですけれども,考えていただきたいと思います。

 私が1点だけ再質問をさせていただきたいのはですね,冒頭の町内会名簿のことでございます。これは,今公室長の方から答弁ございましたけれども,これね2つ,実際に2つあるわけですから2つ認めればいいという単純な考え方だと思いますね。現にですね,これは国内に限らず,例えば南北の朝鮮にしてもですね,それからかつてのドイツにしてもですね,これは2つに分かれとるわけじゃありませんけどもイスラエルとアラブにしてもですね,まずお互いを認め合うところから解決の糸口が出てくるわけです。お互い片っ方が認められれば片っ方が認められない,こちらが認められればこちらは認められないというような関係がずうっと続くことの方が,私は地域にとって非常に不幸だと思います。その意味からですね,まずお互いを認め合う。そのためにも,名簿に登載をするぐらいのことはできるんじゃないかと思います。そして,2つはっきりすればトラブル助長ということにはならない。そしてですね,望んでいないところもあると言われましたが,それは望んでいないところは別に出さなけりゃいいわけですからね。私どものところはこういう町内会で決めましたという届け出があれば,その届け出どおり名簿に載せる,普通の手続をすればいい,あえてそこだけ特別な手続をしたりする必要はないと思います。町内会からそういう申告といいますか,報告というものがあればその報告どおりに名簿に載せるというのは,これはもう一般のルールですから。その一般のルールと違うことをするというんだったら,なぜ違うことをするのかということについて説明がなければならないと思います。どうでしょうか,それについてぜひお答えをいただきたいと思います。

◎参与(山本俊介君) 重ねてのお尋ねでございますが,町内会の中には一方が賛成するとですね,片一方は反対するという状況がございます。この町内会の住民が,それぞれの町内会を組織しようとする合意形成が醸成されていないんじゃないかというような判断をしております。

 そういうことから,町内会の会長名簿に記載をいたしますと,片一方がといいますか,市行政の方に必ずトラブルを言ってこられると。さらに,町内会同士でそのトラブルを助長するというようなことが考えられますので,控えているのが現状でございます。

◆(羽場頼三郎君) それでは,再々質問をさせていただきます。

 私の公約につきましてはですね,「おじさんは必ず議会で取り上げる」とこう言いましたから,取り上げて,別に教育長を問い詰めるのが目的じゃありませんから,ぜひ検討してくださるということでございますから,いいかと思います。

 さて,公室長の方ですが,トラブルが発生するといいましてもですね,文句を言ってくる人はどこにだっているんですよ。それはもう市の仕事としてね,ああなるほどそういうこともあるでしょうと,こう受けりゃあいいんです。ただ心配をされてるのは,中の地域の住民同士のトラブルだろうと思いますね。これはしかし,町内会名簿にあろうがなかろうが,トラブルは現に起きとるわけですから。だから,それを町内会名簿に載せないということでトラブルが表面化しないというのは,ちょっと余りにもこそくじゃないかなあと思います。

 なぜね,この町内会名簿に載らないとおかしなことになるかというと,どちらも載ってないことでですね,例えば連合町内会とかその他の行事において,片っ方の町内会は呼ぶけど片っ方の町内会は呼ばないとかね,そういうことになってしまってるから問題なんです。それが本当にトラブルになってる。そういうトラブルに逆に市が介入することになるから,市は出されたものをちゃんと受けとめればいいと,こう思います。そういうふうに,もし例えば先ほど申し上げました学区の中で片っ方を取り上げたり片っ方を取り上げなかったりですね,行事の中にでも。行事に参加するのにもそういうことが起きてるわけですから,そういうことがもし起きてないというんだったらないと言ってください。現に私は起きてるのをこの目で見て確かめてるから,連合町内会の会議にも片っ方は呼ぶけど片っ方は呼ばないようなことをやってるから問題だと申し上げてるんで。そういうトラブルの方をぜひなくする,それが私は市の姿勢じゃないかと思います。もう一度答弁をしっかりお願いしたいと思います。

◎参与(山本俊介君) 新福の場合は,場外馬券売り場をめぐりまして賛成反対に分かれております。それに,もう一つ,かかわりたくないというグループがたくさんおられまして,そういう色分けをはっきりするということ自体が町内会の中で嫌われておるということもございますので,そういうことをもとに町内会の中でトラブルが発生する。それがひいては行政の方へ押し寄せてくるということでございますので,町内会の会長名簿には登載を控えておるというのが現状でございます。


1995/06/20

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