***脳・脊髄のはじまり***

 受精卵は、分裂を繰り返しながら、細胞の層を作ります。この細胞層のことを胚葉といい、外側から外胚葉・中胚葉・内胚葉があります。外胚葉は皮膚や神経、中胚葉は筋肉・骨・血管など、内胚葉は内臓になります。
 その中で、受精後第3週に形成された神経外胚葉は、正中線の左右で広くなり、神経板を作ります。これが左右で盛り上がって神経ヒダとなり、正中線は落ち込んで、神経溝を形成します。
 第4週に入る頃から、左右の神経ヒダが正中線上で癒合をはじめ、神経管になります。神経管の頭側が脳、尾側が脊髄になるのです。このときに、神経管の一部がうまく閉じられないままになってしまうことがあり、その部分が、頭部だと無脳症や脳瘤、尾部では脊髄裂になり、これらを総称して、神経管奇形(neural tube defects;NTD)と言います。

***背骨のはじまり***

脊椎骨は、体節から分かれた椎板の細胞から作られます。胎生9週以降に、脊髄を取り囲むように骨性の椎弓板を形成し、左右が背側で癒合して椎弓が完成します。また、腹側へも伸びて椎体と癒合します。これらの過程で椎弓の形成や、左右の椎弓の癒合がうまくいかない場合、二分脊椎が生じます。

***二分脊椎とは***

二分脊椎とは、本来は、背側正中部における、椎骨の異常や、椎弓の分離(椎弓の一部がくっつかないで開いている)を意味する言葉です。つまり、脊髄の病気じゃなくて、背骨の形成不全ってことですよね。
しかし、臨床的には、最初に述べたような、脊髄の先天異常も含めて使われています。これは、脊髄の異常に伴って、椎弓の形成を阻害してしまうために二分脊椎が生じる事が多いからです。また、逆に椎弓の欠損があったために、そこから脊髄や髄膜が膨出し、脊髄髄膜瘤、髄膜瘤などが起きる事もあります。
二分脊椎とひとことでくくってしまっていますが、腰仙部のわずかな椎弓の欠損だけで、何の神経症候も伴わない場合もあれば、脊髄そのものの形成不全もあり、ほんとに病態は様々です。

二分脊椎とは、脊髄を保護し、取り囲んでいる背骨の一部が、何らかの理由で完全に形成されなかったために、本来脊柱(脊椎骨)の中にあるべき脊髄が外に出てしまい、周囲の組織と癒着したり、脊髄から出る神経が損傷されるために起こるさまざまな神経障害の状態をいいます。仙椎、腰椎に発生することが多いですが、まれに、胸椎、頚椎にも生じます。発生した部位より下の運動機能や、知覚が麻痺し、内蔵の機能にも影響を及ぼします。
 二分脊椎の約8割に水頭症が合併します。また、下肢の麻痺や変形、膀胱・直腸障害による排泄障害や性機能障害など、障害が多岐にわたるため、脳神経外科・小児外科・泌尿器科・整形外科・リハビリテ−ション科・小児科などを中心にト−タルなケアが必要です

これが、私が最初に勉強した二分脊椎って何?の回答でした。でもね。これじゃ二分脊椎のすべての病態を説明できません.。私自身も、すごい消化不良な感じがしてました。なので、もう少し詳しく発生のメカニズムをみていきます。

二分脊椎とは・・
つぎへ

参考文献
*二分脊椎とは;その発生・臨床像と初期治療〜大井静夫〜(へるす出版 小児看護。2002.8)
*顕在性二分脊椎症の治療〜大井静夫〜(三輪書店 脊椎脊髄ジャ−ナル 2002.8)
*二分脊椎の発生学〜塩田浩平他〜(同上)
*腰仙部脊髄脂肪腫の診断と治療〜新井一〜(同上)