WBC世界フライ級タイトルマッチ
マルコム・ツニャカオ 対 セレス 小林
後楽園ホール 2000-08-20
by キクチヨ

4年連続フィリピンのアマチュアチャンプでオリンピック強化選手。シドニーオリンピックよりプロで金を稼ぐことを選んだツニャカオ。
1998年にプロデビューしてから11戦全勝(7KO)。まだ22歳だがこの5月、敵地タイでメッドグンをTKOに攻略して見事に世界の王座を掴んだ。
一方のセレス小林は27歳。1992年にデビューしてから28戦。柳光やカバトらに敗れたものの22勝4敗2分。
3度目の挑戦で奪取した日本フライ級タイトルの防衛は4回。石原、浅井といった国内のトップを寄せつけず今回の挑戦にこぎつけた。サウスポー同士の対決である。


右 赤いトランクスがツニャカオ
1R、ツニャカオの鋭い右ジャブがセレスの顔面を襲う。
ツニャカオのガードは低いがスピードがあるため、クリーンヒットはなかなか与えられそうにない。
2Rにはセレスはガードしたものの、チャンピオン ツニャカオの左ストレートで吹っ飛ばされる。パンチ力の違いは明らかであるようだ。
3Rにはセレスがツニャカオをロープへ詰めるシーンも見られるが、ツニャカオのクリーンヒットの数が上回る。

前半は明らかにチャンピオンペースだ。


中盤に入り、セレスが接近戦に持ちこむシーンが増える。ツニャカオもチャンピオンの矜持を賭けて迎え撃つ。
前半の展開からツニャカオの懐に入り込むのは至難の技かとも感じられたが、さすがは歴戦のセレス、フェイントを混ぜながら距離を詰めて行く。

細かくボディを叩くセレス。ツニャカオは接近戦を嫌がって、頭からぶつかり返し6Rに減点1を与えられる。

セレスが接近戦に持ち込む



パンチ力ではツニャカオが上回る
試合はセレスの攻勢が目立つまま、後半へ。
9Rにもツニャカオが露骨に頭からぶつかっていき、再び減点1を取られる。

しかし、チャンピオンの反撃が始まる。ツニャカオのパンチで度々、セレスはロープに詰まり集中打を浴びる。
ダウン寸前まで追いこまれながら、からくもクリンチで逃げるセレス。中盤のポイントを信じて、セレスは耐えた。

最終ラウンドには勝利を確信したのか、ツニャカオは足を使って深追いしない。結局、セレスが追いまわすなか、ゴングとなった。



判定の結果はドロー
判定の結果は115-113, 113-115, 113-113の三者三様のドロー。
発表された後で集計し直しているのが見えたので、判定が変わるか、とも思ったが、集計に誤りはなかったことが確認されたとだけ発表された。

後に、ツニャカオの勝利と採点していた韓国のジャッジが誤ってセレスでなくツニャカオにつけてしまった、と申し出ていたことが分かった。
つまり、セレスが2-0のスコアで判定勝利していた筈であったのだ。
しかし当然ながら判定は覆らず、セレスは会心の試合を見せながら、王座には届かなかった。

うなだれるセレス





右 ダウンを取ったユウジ・ゴメス
連続1RKOの日本記録に並ぼうとするユウジ・ゴメス。
これまでの戦績は9戦9勝(8KO)。
高校時代は全米パワーリフティングのジュニアチャンプで、昨年の全日本フェザー級新人王。現在、日本フェザー級5位にランクされる新鋭である。

これまでと違い、1Rから強引に距離を詰めてパンチを振り回して倒しにかかるゴメス。
逃げ腰となった相手は一度は立上がったものの、2度目のダウンで試合終了となった。


これで日本記録と並んだゴメスだが、記録にばかり目を向けずに次の試合で新記録を作ったあとはもう少し強い相手と戦って駆け引きを学んでほしい。


同会場では当日、WBA世界ミニマム級タイトルマッチも行われた。しかし、チャンピオンのノエル・アランブレット(ベネズエラ)が計量に合格せずタイトル剥奪。対戦者で同級暫定チャンピオンのガンボア小泉(フィリピン)が2-1の判定勝利を収め念願の正チャンピオンとなった。スコア2-1 (116-114, 116-114, 115-116)であった。
静かな試合であったが、常にプレッシャーをかけたガンボアが半年前の雪辱を果たす結果となった。
なおガンボアは次の防衛戦で、先日東洋太平洋同級王者の中島を退け国内最強を謳いあげた星野敬太郎を迎え撃つ予定である。熱戦が期待される。

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