地図を見よ、北と南と帝国の裏と表を、何故のこの軍備何故の包囲陣、北海に航空基地あり。
アリューシャン群島のダッチハーバー、ハワイ真珠湾は数百の妄動をいれてまだ余裕あり。
香港はマニラはシンガポールはスラバヤは広大かつ完備する海軍基地なのか。
ミッドウェーはムエキはナムは何故なる軍用航空基地なるぞ。

英米が瀕死の重慶政権にあくまでも武器を提供し軍事経済政治の各顧問を送り引用百般の援助を与うるはもっぱらシナ民衆の血をもって己の東洋利権を守らんとする憎みても余りある姦策のみ、しかも百面の鬼畜に叩頭百万遍膝を屈し大地の舐めて縋りつく重慶政権の心理や悼むべきや憐れむべし。



由来、夷を以て夷を制す他力本願政策の成功した試しはないのだ、信ずべきは己あるのみ。
ひしひしと重圧迫る包囲陣に一歩譲らんか百歩を譲るのもとい退かんか帝国百年の跼蹐あるのみ。
大東亜共栄圏確立の大理想を泥土にまぶし、満州事変以来、大陸一介の土塊にも一本一条の草木にもあまねく染み渡れる十数万同胞の尊き血潮を汚してそれでなお大和民族の誇りを謳う勇気我らにありや。



皇軍南部仏印平和進駐の報、一度世界に伝わるや、英米蘭の敵性諸国か帝国の資産凍結を制した。
英米蘭氏相携えて帝国を経済的に圧しせしめんとする策謀なのである。
動あれば反動あり、帝国もまたこれに応ずるに彼らの資産凍結をもってしたが8月24日、野村駐米大使よりルーズベルト大統領に使行せられた近衛司教の親書は何を物語ると思うか

11月5日遥々6000キロの波頭を超えてchainaクリッパーの太平洋横断の旅客機に身を託し空路ワシントンに使いした特命全権大使来栖三郎の使命が何処にあったと思うか、帝国は最後の一瞬まであらゆる侮辱と傲慢に耐えつつて必死の隠忍を重ね、なおも平和的解決を断念しなかったのである。

しかも平和の小箱はついに帰ってこなかった