小話その7 〜真似師について考える、の巻〜 「ナウマクサンマンダボダナン マハシャーダソワカ!」 「な、なにぃ!?」「そのタントラは・・・!」 「天王水晶結!!!」 「くっ・・・貴様、ヒュウガの技をいつのまに!?」 「ふふん、貴様らのちゃちな技など、一度見ればつかいこなせるわ!」 マジかよ!!!!(視聴者の心の叫び) ・・・というわけで、今回は真似師についてのお話です。 言わずと知れたアカラナータ氏の得意技 「ちゃっちい技は、迂闊に使うとコピーしちゃうぞ」攻撃。 殆どとってつけたようなインチキ技ともいえるこの技が、どう考えれば可能か? についてちょっと真面目に考えてみたいと思います。 ・・・ええ、早い話が妄想設定の話なんですが。 技を使うのに必要なものとして、次の2つが考えられます。 1. タントラ 2. 触媒 タントラはよくシュラト達が叫んでいる「ナウマクサンマンダ〜」といういわば魔法の呪文。 そして、触媒は、設定資料集によく書いてある、 シュラト:光、リョウマ:火、レイガ:羽 とか、そういうやつです。 まあ、ざっくりいうと、タントラが一緒で同じ効果が生じれば同じ技だろう、 とそんな感じです。 さて、ではさっそく一つ目として、タントラのコピーの仕方について。 一番早いのは本人からそれを教えてもらうことです。 番組ではシュラトたちが思いっきり叫んでいる為、大変憶えやすそうですが、 技をコピーしたときに彼らは「何!?そのタントラは・・・」と驚いているわけですし、 なにより、頭脳明晰なレイガさんが、タントラを盗み聞きされているのに でかい声でタントラを叫ぶはずが無いので、 あれはTV上の演出で、本当は「心の中で叫んでいる」もしくは「呟いている」 という前提のもとに話を進めたいと思います。 というわけで、盗み聞きのセンは無し。 となれば別の方法を考える必要があるわけですが、 ここで私が注目したのはタントラ自体の仕組みと、「金剛除蓋障」という技です。 小説によると、タントラとは「天空界において、ソーマはある特定の意志によって、 その力の方向性をきめられ、その方向性を持つ意志を具現化したもの」・・・だそうです。 これを私なりに考えまして、 タントラによってソーマを制御し、あの技を発動させており、 術の際に唱えるタントラは、ソーマの動き(力の発動の仕方やどんな形を持って具現化するか)を そのまま指し示している、という風に解釈してみました。 つまり、修羅魔破拳のタントラは「俺のソーマよ、敵をぶっとばす光の獅子になりなさーい!」という感じ。 逆に、光の獅子の形で、あのように敵をぶっ飛ばそうと考えれば、あのタントラになる、と。 次に「金剛除蓋障」ですが、これは小説に出てきた技で、 「相手の術のソーマ量、力の方向性を見抜き、 自ら放つ同等のソーマと相殺させることによって、術そのものを中和してしまう術」 と、解説にあります。 これを、手天島の戦いでレイガとクウヤが使って、相手の術をお互いに中和し合うわけですが・・・ ここで注目したのは、相手の術を見て、「力の方向性を見抜き」という箇所。 つまり、クウヤもレイガも、この術を使ったということは、 お互いの術の力の方向性を見抜けたわけです。 もっとも、この後にレイガが「手の内を知り尽くしてるとつらいねえ」といっているように、 ある程度の予測はついていたとは思われますが。 で、本題にもどりまして。 ・相手の使った術を見て、力の方向性(ソーマの発動の仕方、具現化の形)を正確に特定できた。 ・その方向性を指示するための言葉や組み立てる文法をしっている。 となれば、タントラを作成することができるのではないかと思うのです。 例えるなら、英作文のように。 シュラト達の術は、アカラナータ氏に、初見で力の方向性を見極められ、 その場でささっとタントラ作文をされてしまったのではないでしょうか。 逆に、インドラ様の雷帝爆裂弾を彼がコピーできないとすれば、 その理由は、爆裂弾が実は大変複雑なもので、 「とりあえず雷っぽい」ぐらいにしかわからないとか、 もしくはその方向性を指示する方法が難しいのでタントラにできない、 なんてことになるのではないかと。 ・・・実は、この説で行けば、研究してオリジナルの術も作れるのではないかと考えています。 例えば「獣牙裂光弾」。 人の争いのエネルギーを破壊力に転換して云々、という物騒な術なので、 神将の術としては相応しくないし、反逆後に作ったのではないか?と考えているのですが、 小説5巻では「3人でできる必殺技」、小説6巻では「不動明王の奥義」と解説されているので、 もともとあったのか、3人用に作ったのかわかりません。どっちやねん! さて、というわけで、タントラについてはコピー可能ということにして、 次は触媒です。 触媒、という言葉は設定資料に書いてあったものなのですが、 辞書でしらべてみると 「それ自体は変化しないで、他のものの科学反応を促進させる物質」 と、少しややこしい感じです。 なのでこちらも自分なりに解釈して、 小説なんかで「修羅王は光の力を使う」などとかかれていることから、 神将によって、ソーマを具現化できる形がきまっているのかなあ、と考えてみます。 (ここで、ちょっと気になるのが、この触媒がいつきまるのか、なのですが、 生まれつきだと、「龍王火炎戟」をうたねばならない龍王は 必ず火を触媒にしていないとならないので、 生まれた時点である程度しぼられてしまうのですね。 ということは、生まれつき八部衆のどの触媒にも当てはまらない触媒を 持っている人は、どんなに頑張っても八部衆にはなれない。 ・・・これってなんか寂しいので、今回は八部衆など神将になった時点で、 触媒が決定する、という風に考えたいと思います。) で、何故コピーに触媒の話がでてくるかといいますと。 シュラト達は、他の仲間のタントラを知っているわけです。でも、使えない。 真似されてびっくりしているあたりがそれを示していると思うのですが、 何故使えないか、というと、この触媒が固定されているからではないかと思うのです。 例えばシュラトが龍王火炎戟を使おうとしても、 修羅王にはソーマを光の形に具現化することしかできない。 だから、ソーマを炎の龍の形に具現化して攻撃する火炎戟は使えない、 となっているのではないかと。 というわけで、結局、最終的にコピーした術が使えるか使えないかは この触媒にかかっているのではないかと思うのです。 ・・・では、何故アカラナータ氏は術を使えたのか。 これについては本当に妄想になるのですが、 単に「天才だから」とかいうのではつまらないので、 無理やり次のような仮説を立ててみました。 それは「不動明王」の触媒が「ソーマ」そのものである、という仮説です。 これだけでは乱暴なのでイメージを解説しますと、 小説の解説によると、天空界の最小単位は「ソーマ」だそうで、 コレはこっちの世界でいう「電子」「陽子」なんかの素粒子に相当するものらしいです。 つまり、火も水も光も、全て「ソーマ」によって構成されているということ。 だから、「ソーマ」が触媒であるならば、それを使って火や水を作れるのではないか、 という理屈です。 TV版でのあの怪しい印は、あそこでソーマを火や水に変換する処理を入れている! と考えるとそれっぽいかな、と思ったりするわけですが、いかがでしょうか。 しかし、シュラトが光を作るのにつかっている「ソーマ」は白のソーマ、 アカラナータ氏が使っているのは黒のソーマ、ということで、 同じ光でも色が違うという相違が生まれる。 なーんて・・・こちらもそれっぽくこじつけてみたり。 でも、言い訳させて頂くと、一応根拠(というか妄想の始まりのネタ)はあるのです。 彼の術がいくつかでてますが、どれにもコレといった触媒が存在しないのですね。 小説オリジナルの「不動金剛杵」は、解説によると「全身からソーマの独鈷所を打ち出す術」。 獣牙裂光弾は「人の争いのエネルギーを、破壊のパワーに転換して・・・(以下略」とあいまいですが、 描写によると、エネルギーそのもの、TVの表現的には黒のソーマそのものを 固めてぶつけているように見えます。 例えるなら、ソーマ弾の超強力版とでも言いましょうか。 あの岩山転移も、一度ソーマ(素粒子)単位に分解して、質量が(殆ど)0の状態で高速移動させて、 別のところで組み立てる術、なんて風に考えてみたりすると、なんとなく納得いくかな、と。 ・・・いや、テレポートが凄く危なそうですが。 (それだけに高度な技なのかもしれませんね) そんな感じで、触媒の問題も(無理やり)解決。真似師の誕生です。 ・・・で、ココまで考えてさらに妄想してしまいました。。 この仮説でいくと、「必殺技コピー」は、アカラナータ氏特有の技能ではなく、 術の分析能力と作文技能があれば、 歴代不動明王「全員」ができるということになります。 さらに、あの謎の印が代々続いている正当なものだとすれば、 不動明王は代々真似師だったということになるのではないかなあ、と。 もっとも、それが後世に伝わってないということは、 コピーはメインの技ではなく、補助的なものだったということになりますが。 応用次第でなんでもできてしまう「ソーマ」のプロフェッショナル、歴代不動明王。 彼らがどんな戦いを繰り広げていたのか、さらに妄想は広がっていくわけですが、 それはまた、別の機会にということで。
―以上、小話でした。 ・・・とかいってる端から、先代不動明王について妄想している私がいましたとさ・・・ |